思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?
十二月の頬杖
細い指が丸く頬っぺを包みこみ
物憂げな唇がキュートに濡れる
君の言葉は
見えない宙(そら)を漂っているよう
桜色の爪が白い指を染めて
丸く頬っぺを抱(いだ)く
君の瞳(め)は知らない宙(そら)を彷徨っているよう
心はどこにも置かないで
誰にも届かない秘境を巡る
その一瞬が
君と大切な人を結ぶただ一粒だけの光(あい)だと
信じるように・・・
この世界でひとつだけの希望(かがやき)は
不意に降ってくるものだけど
決して見逃したりはしたくない
だからずっとこうやって見張っているの
君は悪戯な笑顔でそう呟いて 今も
頬杖でこの宙(そら)を見上げているのだろうか
あの日と同じ十二月の窓辺 君の頬杖・・・
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siki [MAIL]