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思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか！？
春の憂鬱
街はもう春を着て
色付きを待つ萌え黄端
ミラーの向こうに
俯くキミは
誰の歌も聴こえない
何の色も許さない
街ゆく目には
春の菜 映え
冴えた音 行き交う
ガラスの中のキミは
ただ音を消し
ただ色を消すように
未だ冬の服を纏い
春風を呼ぶ隙間も許さない
棘と蜜は
同じ花芯を包む鎧
守るものも
許すものも
打つものも
すべての言葉が
謎めいて施錠される
諦めの薄笑いと夕暮れが
すべてを呑み込んで
街を通り抜けようとした
もう一度だけ振り向いた顔に
キミの蒼いため息が
一瞬見えて消えていった
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