通勤時間が長いので私にかかせないものがあります。それは文庫本。
本を読んでいると混んでる車内も、長い乗車時間も
あまりつらく感じません。何もしていないとささいなことが
気になって仕方ありません。肩が押されてる、とか近くの人の
口臭や体臭にすごく敏感になったり。
おもしろい本を読んでいると不思議とささいなことは気にならなくなるのです。
今読んでいるのは「壬生義士伝」
おもしろいです。新撰組や幕末にあまり興味はなかったのですが、
浅田次郎氏の作品が好きなのと読み応えのありそうな量にひかれて
買いました。読み始めると主人公の独白とかかわった人々の回想とで
語られる、その物語にひきこまれてしまいました。
幕末という混沌とした時代に生きた人々の無謀にも思える生き方が
実はとても真摯な気持ちにささえられていたのだと感じる作品です。
まだ上巻しか読んでないので主人公の結末がわかりません。
私の忙しい日常の今のささやかな楽しみです。
最近のお勧めはもうひとつ、山本一力氏の「あかね空」
これは江戸時代の豆腐屋一家のお話で何気ない日常が描かれた人情物ですが、
時代にかかわらず家族の間にあるささやかな誤解や伝えきれない愛情が
描かれていて、とても共感できる作品です。
人情の機微というのでしょうか、それが心に響いて電車の中だというのに
何度もうるうるしてしまいました。山本氏の作品はこれからもっと読んで
みたいと思ってます。
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