せらび
c'est la vie
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みぃ


2006年07月06日(木) otaku et kawaii sont otaku et kawaii aussi a la francais.

おフランスから「漫画とアニメの国日本」に行こうと、欧州大陸を東へ移動していた少女二人が、あっけなくポーランドで捕まったという。

意外と近所までしか到達出来なかったのは、欧州連合(EU)の境はポーランドまでで、今のところベラルーシへ入国する際には「ヴィザ」が要る、という事実を彼女らが知らなかったかららしい。

EU圏のコドモちゃんたちが家出をしようと思ったら、割合色々な所へ行かれる訳だな、と現代国際関係の多様化に今更ながら感心しつつ、その新聞記事を読む。

そのうち、どうやら「オタク」とか「カワイイ」とかいうのは仏蘭西語(というか日本からの外来語)としておフランスではすっかり定着したらしい、と知る。

そうだったのか。しかし選りに選って、何故「オタク」…


思えば、日本文化が浸透するにつれ、様々な日本語の単語が別の言語圏でも使われ始めている。

料理で使われるものには、こうした例が幾つかある。

ある著名な(ムショ帰りの)中年女性がやっているテレビ番組では、数年前までは「アジアでは『クッキング・ワイン』なんてものを使う人々がいるようですけど、私は飲んでも旨いワインじゃなかったら絶対クッキングにも使いませんよ!当然でしょう!」と豪語していたのだけど、最近の彼女は「ここで『ムリン』をテーブルスプーンで一杯入れます」と澄ましてやっている。

ちなみに本人は「ミリン」と言っているつもりなのだろうが、日本語のラ行はRの音という事になっているので、どうしても「ミ」の次の「リ」がこもってしまい、「ミ」のIの音が端折られて「ム」に聞こえてしまうのである。

味醂については、近頃のオーガニックフード・ブームの流れで、日本料理のあっさりした調理法や味付けが好まれているらしく、オーガニック屋へ行くと中国製醤油の脇にちんまりと置いてあったりする。

ワタシの友人宅などで発見した事は未だ無いが、「ムリン」を知っている人は、少しずつだが増え始めている。


それから、料理番組を観ていると「パンコ」が良く登場する。所謂日本製の「パン粉」である。欧米のものより細かくて都合が良いらしいのだが、「パ」にアクセントが付いている(「ンコ!」)ので、何事かと一瞬驚く。


ちなみに同様の件で驚いたと言えば、日本帰りのある人が「日本では良くパチンコをやった」と言い、その際アクセントが「チ」に付いていて「プンコ」と聞こえたので、一体何をして来たのだこの人はと不審に思った事がある。


おお、そういえば「シータキ・マッシュルーム」も、グルメな人々の間ではすっかり定着したようである。乾燥椎茸から良い出汁が出る、という事もどうやら知られているらしく、中華街や亜細亜系スーパーマーケットなどでは、一見不案内と思われる人々にも意外と買われている。


しかし何と言っても、「アニメ」に敵うものは無いだろう。

アニメーションやゲームが好きな若者の間では、日本は正に「夢の国」らしい。

通常ワタシがニホンジンだと分かると、人々はお前は毎日スシを食べているのかとか胸元で両手を合わせて「コンニチハ!サムライ!ハラキリ!」などと言い始めたりするのだが、アニメ・ファンの場合は、いきなり「何々」や「何々」を知っているか?と尋ねてくる。

ワタシが「…?」と固まっていると、それらは日本の「ア・ニ・メ」のタイトルだ、知らないのか、と言う。アニメーションの事を日本語では「ア・ニ・メ」というのだろう?ちゃんと知っているぞ、と得意気である。

いや残念だが、ワタシは「アニメ・オタク」では無いので、初っ端っからそんなハードコアな質問は無理です。

それにしても、何処の国でも「アニメ・オタク」という人々は、案外似たような成りをしているようで、そこへ来てワタシも漸く合点が行く。

「アニメ」文化は、世界の彼方此方にすっかり浸透したようである。



ところで、必ずしも日本文化では無くもっと一般的な物事について、それに該当する現地の訳語がないばかりに、そのまま別の言語圏でも通用する語として「市民権」を与えられたケースもある。

「ツナミ」はその良い例である。

所謂日本で「津波」と呼ばれる自然現象の事だが、ワタシの住む国ではそのまま日本語の語を充てている。他の言い方もあるのだが、恐らくそれが長過ぎる所為で、一言で「ツナミ」と言った方が話が早いのだろうと思う。

多くの人々は「スナミ」と発音するが、それは単に「ツ」が言えないからで、しかし稀にちゃんと「ツ・ナ・ミ」と発音する人もいて感心する。


こういう語は他にもあるだろうか。


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