寒、寒、さぶぅ〜〜!
新年、明けましておめでとうございます。
本年も皆様の益々の御発展と御多幸をお祈りしまして、カァ〜〜〜〜〜!
ちゅうことで、昨日、今日から全国的に雨、雪と加えて本格的に寒の入りを迎えた訳なんだがついに冬将軍が到来するんである。
暖冬と言われた今年のウィンターでさえ、冬将軍は来るんである、やはり。
冬将軍とは、言わずとしれた、シベリア寒気団を統率する、冬の総大将である。
ロシアはハバロフスク地方の生まれで幼い頃はコルホーズでジャガイモを作る両親の元、スクスクと育ったが15歳の春、ソビエト連邦の崩壊と共にビッグドリームを夢見て単身町に出るも、吹く世間の冷たさに酒に溺れ、仕事はなく、暇に任せて行きずりの女を抱いてはまたウォッカを煽る毎日だった。
そんな彼に人生の転機が訪れる。
マトリョーショカの産まれの里の街角で声を掛けてきた、ハンチング帽にロングコート、チョビヒゲに鋭い眼光の一人の男。
“キミもシベリア寒気団に入隊しないか?”
迷いは無かった。
…、シベリア寒気団の朝は早い。
AM6:30、起床のサイレンと共に10kmマラソンから始まる。
日本列島が西高東低の気圧配置になるまでの一年間、軍規から重火器の扱いに至るまで、骨の髄まで徹底的に冬のイロハを叩き込まれる。
「!、教官殿!自分はもうだめであります!」
弱音を吐くたびに全員往復ビンタと腕立て100回の連帯責任を負う。
そして夜になると、仲間と酒を酌み交わしながら、今年こそは寒冷前線に乗って日本列島にシベリアの風を吹かすんだ、そして、いつかは故郷の空に錦の旗を掲げるんだ、と語り明かした。
そんな12月、師走も押し迫ったある日、彼は教官室に呼ばれた。
「サー!ィエッサ!!アレクサンドロフ=ミヒャエルビッチ入るであります!!!」
出撃命令が下った。
シベリア寒気団第12連隊ウラジオスク東部方面隊0013小隊=通称“山勢の風”
への編入が彼の初陣だった。
いざ日本海へ!!
真新しい戦闘服に身を包んだ彼の握るカラシニコフは僅かに震えていた!!
=続く…
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