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2006年01月07日(土) 世界のブレーカー[03]予告


その日の事は、よく覚えている。
月曜日の午前4時半。
マンションの駐車場で、オレは血のついた包丁を握りしめていた。
青白い街灯の灯りは、暗闇に生えたカビのようだった。
だけど、妙なんだ。
あそこの街灯は、ぼんやりとしたオレンジ色なはずなんだよ。
その日は、青白い…さっきも言ったけど、暗闇に生えたカビみたいに見えた。
オレの足下には、父さんが転がっていた。



そうだ。
月曜日の4時半は、父さんが出勤する時間なんだ。
だからよく覚えている。
あれは間違い無く、月曜日の午前4時半だった。
父さんは、いつもの通りに灰色のスーツを着て、紺色のネクタイをしめていた。
いや、ネクタイは見えなかった。
だって、父さんはうつ伏せになって転がっていたのだから。
 
なにしてるの 父さん

オレは言った。


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