ビデオテープ。

サムエル解散の事実を知って一日。

解散というコトバに初めて泣いた。
感情が抑えきれない自分に動揺した。

私が高校生の頃、アコースティックギターというものを知った。
初めて好きになった人が弾くギターは、
優しくて、ほんのり温かい音がした。

その後、テレビで見て知ったのがサムエルだった。
好きな人が弾くギターと同じ、
優しくて、温かい音を奏でていた。

初めて、音楽というものに興味を持った
きっかけのバンドだった。

制服でライブハウスまで走った。
舞台に上がって、今井先生に歌を作ってもらった。
ネットをやるようになった。
仲間が増えた。

でも。私は。

サムエルで出逢った光の糸を
自らの手で、全て断ち切ってしまった。

舞台下の関係性のために、舞台上のサムエルの音楽が
楽しめなくなるのが、怖かった。
ライブに顔を出さなくなった。

3人なら、私が離れても
いつでもそこにいてくれると想っていた。
きっと誰かに届くはず。って、歌ってくれると想ってた。
私の、帰る場所だった。

なのに、解散。
なんで?3人で歌わなくなるなんて。
そんなことはありえないと想ってた。

ボーカルののぶは、どんなにソロの誘いがあっても
3人じゃなきゃ嫌だと言って聞かなかった。
でも最近他の二人にソロ活動が目立ってきた。
他の二人は結婚した。守るべきものが出来た。
伊藤さんに至ってはコドモが二人だ。
生活を守らなければならない。

一人のうちは出来ていたことも、
二人や四人になると、守るべきものが出来ると簡単には行かない。

ネット上で会報がきた人いわく、
のぶは最後の最後まで納得が出来てないとか。
二人の解散と言う意思が強かったので渋々とか。

・・・。

そんなこと、私の憶測に過ぎない。
デビューして10年。今更方向性の違いだなんて
納得がいくはずもない。

一人では寂しそうなのに、二人に挟まれて
幸せそうにとぼけてMCしているのぶが心配です。
多治見文化会館で、あいのうたをアンプラグドで歌った3人。
あの時流した涙は、今でも忘れられない。

ビデオテープみたいに思い出は回る。
擦り切れるくらい見た約束の場所で
もう会えなくなった君がほら
まだコマ送りの中で 笑ってみてる

擦り切れそうな、ツアービデオを見直しながら。
ずっと届いていたよ。私の心に。
一番後ろでも、ずっと私の心に届いてた。
聴こえてた。3人の心が。想いが。歌が。コトバが。
きっと誰かに届くはず。
3人の気持ちはそこに集約されていたのではなかったのか。

すべての出来事には意味がある。

サムエルの名古屋ラストライブは10月13日。
私の誕生日。

これにも意味があるんでしょうか。
2006年08月02日(水)

ひなんじょ。 / みみ。

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