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季節は10月、息子の幼稚園の運動会が 近所の運動公園で行なわれます。 息子が年中さんだったので一昨年の事、お昼の休憩時間に子供達が地面をしきりに 掘っています。掘っているのは小学校低学年から中学年と言った所、お兄ちゃんです。 何を熱心にと見れば、虫を拾っています。 誰かのおじいさんかな?初老の男性と子供の声が聞こえてきました。 「これクワガタの幼虫なんだよね?」 「そうだ、クワガタの幼虫だ」 見ると子供達はみんな何やら必死な形相。どこから見付けて来たのかビニール袋に その怪しげな虫を詰め込んでいる子もいます。 「クワガタの幼虫なんだって」「クワガタ」「クワガタ」 あちこちで子供達の声が聞こえています。気のせいか土を掘る子供がどんどん増えている。 虫がこれまたよく捕れる・・・。
おじさんおじさん、それ違う。それクワガタの幼虫じゃない。 大体こんな芝生しかない運動公園に何でクワガタの幼虫がいるのよ? そうは思ったけれど、おじさんは自信満々 言えるわけがない。 息子がそりゃあ羨ましそうな顔をして見ています。油断をするとお兄ちゃんの中に 突っ込んで行きそう。クワガタ捕りに必死のお兄ちゃん達にはこんなチビ助 邪魔に しかならないでしょう。それほどみんな真剣。 「あの虫ならうちの庭にもいるから帰ったら見せてあげるよ」 「クワガタの幼虫?クワガタの幼虫いるの??」 ・・・いや、クワガタじゃないけど。
子供達が必死になって捕っていたのはコガネムシの幼虫でした。芝生の下などに 沢山いて、根を齧る厄介な奴、大人になったらなったで葉や花を食べる厄介者です。 確かに、クワガタの幼虫に似ていなくも無いけれど大分小振りです。 それに本物はもっと何と言うか貫禄があるよ。木の下にしかいないしね。 逆に木の下であれば街路樹の下にも昔はいました。でも、今はいないのかも 知れませんね。 コガネムシも種類は一種類ではなく、結構色々な大きさ 形のものがある様です。 運動公園の物とうちのコガネムシが同じ種類かどうかは判りませんが、一種類居付いて いれば十分なので 比べたいとも思いません。 子供達は結局かなりのコガネムシ幼虫を袋にゲットした様子。 家に帰って育てた子も、或いはいたかも知れません。クワガタって大人にも何となく 響きが魅力的ですし。でも悲鳴を上げるほど凄い物に変身する訳でも無いので 案外、育てて見るのは面白いかと思います。「なあんだ、違った」となってもコガネムシに 対する別な興味が湧く事もあるかも知れないし。
でも庭に放すと大変だけどね。
うちの庭に常駐するコガネムシ。せっかく咲いたんだから 少し遠慮して。
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