『庭の話』

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一輪だけのスノードロップ。

北国では本格的な花のシーズンを目の前にしています。
とは言え、桜の開花予想まで まだ半月以上ありますから、目の前は目の前でも
2mほど前とか、そんな感じかも知れません。
ここ札幌では、クロッカスが揃ってそろそろ終わりを迎え始めました。
普通、花が終わる時はそこはかとない寂しさがある物ですが、クロッカスに
関しては これでやっと春になると言う喜びの方が大きいです。

クリスマスローズが雪でひしゃげた茎をえいやと持ち上げ、蕾を上げようと
している傍に、小さな白い花を見付けました。
「?」
早いです。クロッカスが咲くか咲かないと言った頃でしたから。
白く小さく可憐な花が一輪だけ、大きなクリスマスローズの葉の陰から
顔を覗かせていました。
花の正体はスノードロップでした。
何故一輪だけ? 植えた覚えもないのに。
これは確か球根だから、どこかから飛んで来ると言う事も無いと思うし
近所にスノードロップを植えているお宅も見当たらないし。

まとまって咲いていると、清楚な感じで目を惹く花ですが、一輪だけだと
むしろ どこか幻想的な感じがします。小さいけれど姿形がきちんと整った
様子は まさにファンタジーに出て来る妖精と言ったところです。
どこをどう見てもスノードロップ。昨年までは無かったはずの花。
いきなり不思議な春花壇から庭の季節がまた始まります。


管理人 焙煎 |午後からガーデン