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「ハトだ!ハトが庭に居る」 息子が大きな声を上げました。 「ん〜。カラスじゃないの〜?」 「ハトだよ。デデーって言うハト」
・・・キジバトかあ・・・。
雪の重さで鳥の餌台が壊れてしまいました。この季節は毎年結構鳥が来るので 餌台は置いておくと楽しいのですが、何だかんだでまだ買っていないのです。 キジバト夫妻は餌台の常連でした。小さな餌台に何故かぎゅうぎゅうになって 2羽で詰まっているのです。 庭仕事を始めると嫌々飛び立って行きますが デデーポポーと言う独特の声で しばらく鳴きながら、電線に止まって 人間が立ち去るのを待って居たりします。
見ると、やはりキジバトでした。地面をあちこち突き回しています。 キジバトは虫は食べないようなので、どうやら花の種を食べているようです。 う〜ん・・・止めて欲しいかも。餌台置くべきかも。 「ああ、このハトねえ。いつも2羽で仲良く来ていたんだけど途中から1羽に なっちゃって、猫にでも獲られたんだねえ」 鳥全般を担当する母がやって来て言いました。 「そうなの?」 「そう、キジバトは仲が良くていつも2羽一緒なんだよ。可哀相にねえ」 へえ、そうなんだ・・・。2羽で居るのは知っていたけど1羽になったんだ。 「オスが残ったのかメスなのか、ちょっと判らないけどね」
「あ!もう1羽居る」 息子がまた、声を上げました。そちらを見ると、本当だ もう1羽、やっぱり 種を突いている。ああ・・・止めて欲しいかも。 「2羽、ちゃんと居るよ」 「本当だ、新しい相手を見つけたのかな」 「いや、最初から2羽だったんじゃないの??」 別々な場所で餌を探して、あとで落ち合う事だってあるだろうし。
キジバト夫妻は散々庭を突き回したあと、突然 窓からのぞく6つの目に 気付いて、驚いたようにデデーと鳴くと、飛んで行ってしまいました。 でも、多分結構食べて行ったかも・・・種。
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