『庭の話』

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耐寒温度。

ホームセンターへの花の入荷が、例年より遅れているように思えます。
風の冷たい5月の頭から満開の状態で店頭に勢揃いも困り物だけれど
今時期から揃って入荷して来ると言うのも。

顔見知りのお花屋さんが二軒、相次いでお店を閉めてしまいました。
一軒は正確に言うと営業は続けて行くけれど 品揃えをガラッと変え
農薬や野菜苗など、近隣の農家御用達の店となりました。
元々郊外にあったお花屋さんで、周辺は農家だったのです。

ホームセンターも花の入荷が増えると賑やかになります。
もう植えるところも無いなと思いながら、何だかんだと見てしまいます。

我が家ではコンテナは一年草、地面は多年草でほとんど決まっています。
ナスタチウムの華やかなコンテナを 久し振りに作りました。
マホガニー色のナスタチウムを探している時に、ちょっと気になる植物を
見付けました。『テイカカズラ 黄金』
新芽の部分が黄金と言うよりは赤茶色をしており、それ以外は 縁が濃い緑で
中は明るい黄色です。
イルミネーションと言う ツルニチニチソウの園芸品種に大変
良く似ています。ほとんどそっくり。
問題は、双方ともキョウチクトウ科ではありますがイルミネーションが
ビンカ属であるのに対して黄金はテイカカズラ属である事。
ビンカ属であるツルニチニチソウは寒さに大変強く、イルミネーションも
問題なく雪の下で越冬します。一方テイカカズラで人気のある初雪カズラ
札幌での室外越冬は無理な様子です。

寒さに対する注意書きが品種名の裏などに書かれている事がありますが
「寒さにも強いです」で耐寒温度0℃
「寒さに大変強いです」でも耐寒温度−8℃くらいと言う物が多く見られます。
札幌以北で地植えにするのであれば、最低でも−12℃〜−15℃。
欲を言えば−30℃の記載が望ましいと思います。
園芸店のカタログなどにちゃんとした耐寒温度が書いてある事が多いです。
雪の下は案外暖かく、0℃程度とも言われますが 日光は全く差しません。
ですから常緑の物で、寒さには強いけれど雪は駄目と言う植物もあります。

とは言え、新しい魅力的な植物を見ると、つい買ってしまいます。
テイカカズラ黄金、イルミネーションと同じ鉢に植えつけてみようかと。
来年、赤い新芽が出れば勝ち、イルミネーションしか残らなかったら負け。

それにしても普通に越冬する植物でも斑入りとなると途端に駄目になる物も。
シャガの斑入りは苦戦中、目下花どころではない様子です。
斑の無い方は大変良く殖え、今が盛りです。
ツルニチニチソウも斑入りの物は 根は残りますが葉はほとんどやられます。
古い葉は駄目になり、葉が付いていた蔓だけが残っていますが、中心から
噴出すように新しい葉が出るので問題は無いようです。
むしろ、全部が新しい葉と言うのが瑞々しく、好んであちこちに斑入りの
ニチニチソウを植えています。



風を知る草、フウチソウ。
早くも何だか秋っぽい色合いです。本当に秋を迎えると小さな
穂が出ます。良く殖え、寒さにも強く、美しいグラスです。




管理人 焙煎 |午後からガーデン