舌癌とともに生きて...サクラ メイ

 

 

検査 1回目 - 1987年01月17日(土)

YM病院の耳鼻咽喉科での検査は、麻酔無しで舌の細胞をつまみとるという簡単なものだった。


寒い日で、ろくに食事も摂らずに検査に出かけた私は、検査が終わると病院の隣にあったハンバーガーショップでコーンスープを飲んだ。

冷えた身体にコーンスープはじんわりと染みわたったが、それ以上に細胞を採ったばかりの舌の傷にしみた。


検査の時にはさほど痛くはなかったのだが、時間が経つにつれなんともいえない痛みに悩まされた。

検査の翌日、用事があって実家に帰ったのだが、奥歯が舌の傷に触っているようで耐えきれず、実家近くの歯科医院で奥歯を削ってもらったのだった。


舌に歯が触る。

検査のあと、少し舌自体が腫れていたのもあったのだろう。

そんな風に感じたのは、それが初めてだったのだが。


実際は気が付かなかっただけで、私の奥歯は常に私の舌を刺激し続けていたのだ。


...




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