ウチのワンコ、すもも。
来月で満14歳。 りっぱなおばあちゃん犬だ。 まだコロコロとした仔犬の時。 生まれつき腎臓と肝臓が悪いのと、両後ろ足の関節が外れているとの診察を受けた。 先生曰く、この子は長くは生きられません。 そんな言葉に怯えながら、早14年を迎えるのだ。
毎日同じベッドで眠る。 すももが起きるのはアタシのうんと後で。 日々、ああ、今日も目を開けてくれた、と安堵する。 極端なビビリで、お手もできないすもも。 けれどその毛一本ですら愛おしい。
食が細いため、ワンコブリーダーの友人の言を受けて、今は仔猫用のウエットフードを食べている。 それも一粒一粒食べるのだけれど、その間、アタシはじっと正座してすももの脇に座る。 なぜか、アタシが見ていないとご飯を食べないのだ。 正座が苦痛になって、椅子に戻ると。 最初はフンフンと鼻を鳴らして、それでも正座に戻らないと、アン、と声を大にする。 仕方がないからまた傍に侍って正座をすると。 また一粒一粒食べだすのだ。 傍からみれば、ばかばかしい限りのこと。 けれど。 このひと時がかけがえのない時間。 もうそんなには残されていないだろう。 いつ、すももが目を開けなくなってもいいよう、心算はできている。 もちろん、平静でいられる自信はないけれど。 愛する相手がいることは幸せなことなんだろうな。 アタシは、乗り越えていけるだろうか。
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