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あの頃


まだ少し先の引っ越しに向けて。
処分できるものはさっさと片しておこうと。
明日の燃やせるゴミの日に向けて、紙類の選別を始めた。



その中に。
一冊のノートがあった。
いろいろな切り抜きが張り付けられて、パンパンになっているノート。
切り抜きと切り抜きの間には、その時に思ったのであろう言葉の数々。
わ〜っ。
こんな事、考えてたんだ〜。
思わず手を休め、あの頃のアタシに馴染む。
ほとんどは、小説のことばかり。
書きたい気持ちが溢れて、言葉として焼き付けられている。
話の内容からして、20年くらい前のものだろうか。



最近のアタシは。
癌の発症以来すっかりやる気をなくしていて。
もう言葉を紡ぐ事もできなくなっていた。
もう戻れないと思い込んでいた。
けれど。
また家族と暮らすことになって、環境も変わり。
新しいキモチで小説を書くということを温めても良いのではないか。
錆を落としていけば。
その内にはまだまだ新しい想いがあるに違いない。



あの頃のアタシに。
そんなことを気付かせてもらった。
今日はなんだかとても嬉しい。


すもも、も。
ムスメのゆきのが来てくれているからすっかり安心して。
病状が落ち着いている。
とは言え、今夜ゆきのは帰ってしまうのだけれど。
家族の元へ帰るまであと10日弱。
二人で頑張ろうね。



2016年07月21日(木)




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