ベージュの紬地に赤紫の紫陽花が映える浴衣はただ、貴方の横で歩くためのものでした。やっと叶った、2年越しの夢。けれども。私の希望で取り付けた約束が良い結果を生むことはないのです。肩が触れあうくらい近くにいるのに。寄り添わない、ふたつの心。大空に華開いては。ただ静かに、消えゆく焔。まるで、この恋の行方のようでした。