恋心
DiaryINDEX|past|will
彼は西の町に住んでいる。
私は東の町に。
雨は、彼のいる町を濡らしてから、私の町までやってくる。
だから、雨は嫌いじゃない。 彼の匂いを運んできてくれるような気がして。
逢えなくても、同じ空の下にいる。 そう思うだけで、少し救われる気がした。
ねえ、あなたは、私があなたを想う気持ちと同じくらいに、私のことを想ってくれていますか?
同じ気持ちでいてくれますか? そう、メールで訊ねたい気持ちを、ぐっと堪える。
だって、信じているから。 あなたは私を愛していてくれているって、信じている。 前に、言ってくれたよね、『俺を信じろ。絶対に悪いようにはしない。』って。 だから、信じる。 あなたのその言葉が、壊れてしまわないように。 そっとそっと、ただ静かに時間が通過していくのを、待つの。
|