永遠の半神...楢原笙子

 

 

月鏡序 - 2008年06月22日(日)





誰かを好きになるということ。
それはどこから来るんだろう。

時には
いつも乗る電車の車両のなかで
時には
コンビニのレジのカウンター越しに

突然やってくるあの感情。

何かに迷って
いつまでも決められない自分がいるのに。

好き

気づかないうちに
そこにある。




給湯室で
背中から響いたあの声。

ほんのひと言の業務連絡。

それだけのことで
今まで意識していなかったひとが
たったひとりのひとに
変わりかける瞬間。


机の上に書類を置く手を見ては
電話を掛けるしぐさを見ては

ふと湧いたその感情を
本当なんだろうかと確かめる。

けれども
好き
が最初にあるとき
それを打ち消すものは探せなくて。

ただ
やっぱり好き

重なっていくだけだった。


そう

たったひとつ

彼に

奥さんがいる

という他は。











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