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■ 曇りガラス
曇りガラスの向こうには、 あなたの姿がぼんやり映る。
はっきりとは見えないけれど、 曇りガラスの窓越しに、 あなたの存在を、 たしかに感じていた。
曇りガラスに手をかざすと、 ゆっくりとあなたも手を伸ばした。
二人の手は、 ガラス越しに重なり合って、 共に響き合っていた。
一枚のガラスをはさんで、 あなたの持つあたたかさが、 伝わってきた。
どうしても、 あなたに会いたくなった私。
曇りガラスを叩き割った。 おそるおそる、叩き割った。 曇りガラスの向こうにいる、 あなたに会えると信じてた。
でも、あなたはどこにもいなかった。 曇りガラスに映っていたのは、 あなたの心そのものだった。
私はあなたの心を砕いた。 そしてあなたを失った。
2006年05月29日(月)
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