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■ 最後の空
一歩一歩ゆっくりと、 そして確実に死に近づく。
私は、死へとつながる階段をのぼっていた。
暗闇の階段を抜けると、 そこには、一面に広がるコンクリートのキャンバス。
キャンバスの真ん中に立ち、 両手広げて空を見上げた。
太陽の光を全身に浴びて、 ゆっくりと見上げた空。
きっとこれが、最後の空。
いったいどのくらいの時間、 そうしていただろう。
静かに向き直り、 前方を眺めた。
視線の先には、 柵が見える。
冷たくて硬い、 柵が見える。
あの柵の向こうには、 どんな世界があるんだろう。
きっとそこには、 悩みも苦しみもない世界がある。
楽になりたい。 自由になりたい。 苦しみのない世界へ、 飛び立ちたい。
あの柵を超えて、 風にこの身を任せたなら、 私最後に飛べるかな?
2006年09月03日(日)
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