『山の郵便配達』1999年 霍建起フォ・ジェンチー監督
この作品の前に見た『ミッシング』は、社会の不条理のテーマを
父息子の関係を背景に描かれた作品だった。
くしくも、この作品も父と息子の(ある意味)ロードムービーであった。
郵便配達に出発した父息子が歩む、山々、田園、村々の美しい風景に心が奪われる。
あえて言うなら、登場人物の父親、息子を演じる役者さんたちが
物語の状況設定で生活する人々にイマイチ感じなかった。
物語は山間?の農村?の設定だが、役者さんたちの背景に感じるものは、
プライベートで生活しているだろう都会だ。
次男坊と呼ばれていたわんちゃんまで、どこかのチャンピオン犬みたいで
都会ナイズされているように見えた。(可愛いから許せる。)
しかし何と言っても、この美しい自然の映像がこの作品の圧倒的な力になっている。
だから、役者さん演技に感じたことは許容範囲に収まってしまう。
父と息子の葛藤などが淡々と、しかし丁寧に描かれていて佳作だ。
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