歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年06月30日(火) 女子高生制服スカートに滴り落ちる汗

先週、近くの高校へ歯科検診に行ってきました。皆さんご記憶のことと思いますが、毎年この時期、全国各地の幼稚園から小学校、中学校、高校では定期健康診査が行われています。身長、体重といった体の測定から内科、眼科、視力検査、聴力検査などの中に必ず歯科検診が行われます。授業の合間にこれら検診が入り、体育館や保健室といった測定室に受けたことがあることでしょう。これら定期健康診査は基本的には6月30日までに行うことになっています。学校保健法施行規則により定められているのです。

今回の高校もそうした定期健康診査の一環として僕は検診医の一人として参加してきました。各学校には学校歯科医がいるのですが、1000人近くいる生徒を一人の学校歯科医が検診するのは何日もかかります。学校側としては、授業の合間に検診をするわけですから少しでも授業を無駄にしたくありません。一日で検診が済ませられるならそうして欲しい。このような状況から検診には学校歯科医だけでなく何人かの応援検診医が検診に参加します。地元歯科医師会では地元教育委員会と相談をしながら、会員の歯科医に対し、地元幼稚園、小学校、中学校、高校の歯科検診に参加する応援検診医を割り振っています。今回、僕は近くの高校への応援検診医として参加するのも地元歯科医師会からの割り振りのためでした。

さて、検診ですが梅雨の時期とはいうものの非常に天候に恵まれました。快晴だったのです。これは歯科検診にとっては非常に好都合です。なぜなら、暗い口の中を覗くのに外が少しでも明るいと検診しやすいからです。いつも診療する診療室では室内のライトのみならず、専用ライトで口の中を照らしています。非常に明るい環境で口の中を見ているわけですが、検診となるとそうはいきません。限られた明るさで口の中を見るのです。よく検診は体育館の中で行うことがありますが、これは検診医にとっては大変です。体育館の中は暗く、更に暗い口の中を見るのに四苦八苦します。
今回の検診では快晴で、しかも検診を行った部屋が白く明るい部屋でした。そのため、口の中が見やすく、普段見落としがちな所までも見ることができたくらいでした。
ただし、昼からの検診ということで気温が上がったこと。しかも、使い捨てグローブをしながら体温の高い高校生の口の中の検診ということで手の中が蒸せてしまい、時間が経過するとともに手は汗まみれ。汗まみれだけならまだしも、次第にグローブの袖の所から汗が滴り落ちてしまうのです。短時間で多くの生徒の検診を行う必要があるため、グローブを交換する暇がありません。汗を拭う余裕も無く、生徒の中には男子生徒のズボンや女子生徒のスカートの上に僕のグローブからの汗が滴り落ちてしまいました。僕としては非常に気になりました。いくら検診とはいえ、生徒たちの制服を汚してしまったわけですから。
申し訳ない!と思いながらも冷や汗ならぬ本当の汗をかき続け、ひたすら検診を行っていた歯医者そうさん。

そのうち、汗の量が多かったせいか汗が出なくなり、何とか検診を終えたのですが、それでも検診を終えた後、グローブの中には大量の汗が残り、僕の指先は風呂に入った後のようにふやけておりました。
初夏の検診は汗との戦いでもあります。


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