☆空想代理日記☆
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昨日は朝から大粒の雨と地面の攻防戦が繰り広げられていた。外は戦場さながらといった感じである。
雨粒が大きく、水晶の破片が空から落下しているようでもあった。雨粒ひとつひとつに不逞者の顔面がうつっているようにも感じられ、不思議な感覚だった。
その鏡の集合体を避けるようにして喫茶店へ向かった。友人と待ち合わせしていたからである。
しかし、喫茶店での待ち合わせ時間はとっくに過ぎており、これを世間では「遅刻」と言うらしかった。
でも、不逞者の友人たちは殺人鬼みたいな顔面をしていても心は焼きたてのアップルパイくらい温かいので、アイアンクローだけで許してくれるはずである。たぶん。
喫茶店には雑誌がたくさんあった。不逞者は抱えられるだけ抱え込んで、他者に迷惑をかけることなんて考えもしなかった。
友人の『ナイトキラー』君は、「この喫茶店に爆弾があったら、不逞者ごと粉々にしてやりたい」みたいなことを延々と喋っていた。
一方、不逞者はといえば、アイスアーモンドココアをストローでちゅうちゅう吸いながら、ナイトキラー君に対する呪いの言葉を心のなかで唱えていた。
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