☆空想代理日記☆
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迎年会で摂取したアルコールがいつものように不逞者に取り憑いているかと思われたが、それはなかった。
友人たちとテーブルに手をついてナイフを指の間に素速く移動させる遊びの熱気がアルコールを発散させたのかもしれない。
二日酔いにならなかったお祝いにアルコールが素速くぬけることを『脱酒』で「ダッシュ」と呼ぶことに決めた。しかし、これは自分の胸にしまっておくとする。
そして日曜日といえば格闘技の練習をしなければならなかった。ムチで叩かれたり、技術をひとつ会得するたびに小魚を与えられたりするのだった。
そのことを考えると、たとえアルコールが脱酒していてもなんとなくやる気がおきないのだった。
たぶん、つい最近、今後20年分のやる気を失ったからに違いない。
どちらにしても、不逞者は30男の皮をかぶったハムスター並みの存在なので格闘技を会得するなんて6000年はやいのだった。
不逞者の脳内コンピュータが高速で作動した。目蓋がぱちぱち動き、そこから視える眼球は白い。べろっと舌を出してコンピュータは停止した。
『サボる』の文字がぐるぐるしていた。
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