最近、クッキーにふさわしいことばは乾きものだという気がしてきた。そう思ったのは、家に水分の多いお菓子しかなく、食べたいのは乾きもののお菓子だと思ったときだ。 私にとっての乾き物は、マリーのようなもの。 あの素朴な乾きものが欲しくなる場所が私の中には確実にある。乾きものは私の中の何を満たしているのだろう。
たまたまたどり着いた菓子美呆というすてきなお菓子屋さんのページに載っていたことば。 タイムリーだった。
「私たち人間には本来空腹はないそうです。満たされない心が、もっと食べたい、食べずにいられない・・・ という空腹感を呼び覚ますそうです。」
それにしても森永のホームページを見てみると、マリーやチョイスやこのビスケットシリーズが一時的な流行の流れで作られているものではなく、本当に大切にされているんだなぁと思う。(それだけ人々に支持されているということかもしれない) 歴史を見るとマリーはもう発売されて82年目らしい。
このビスケットシリーズを使ったレシピは、もうずっと前から箱についていたり、黒田知永子さんを起用して連載をしたり。
そのがっしりとした主軸ビスケットを展開する中でひそかに、レモン風味のビスケットを販売してみたり、最近では、ディアという顔がついたクッキーも出た。がっしりとした大木のような先輩クッキーに、ちょろちょろと新しいものも紛れこませて、仲間入りできるか競わせてみるみたいなところも何だか楽しい。
ビスケットレシピは、気軽にできるものも多いし、何より、ビスケットでしかなかったものが、別の食べ物に変わる、その実験的な面白さを真剣に追求しているところがすてきだ。
もうここまで来ると、きっとこのクッキーシリーズに対しては、ある意味、社員は尊敬の念で接しているのではと想像する。
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