6月に逢いましょう
6月に逢いましょう
窓辺で微笑みましょう
白くけぶるガラス越しに
ひと目であなただとわかる
どんな姿をしていても
姿など、持たなくても
6月に逢いましょう
迷わず愛しあいましょう
あなたの正しさと
毒とを混ぜ合わせて
一瞬を永遠に変えるため
世界を消してしまうほどに
6月に逢いましょう
深い海で澱みましょう
わたしはあなたを蹴飛ばして
あなたはわたしをなじる
それでも離れられずに
泡に閉ざされるままに
やがて別れも来るのでしょう
全てを受け入れるのでしょう
わたしがただのわたしで
あなたがただのあなたであること
誰かがそれ以上を
書き足してしまわぬよう
幾重にも重なった
薄い膜の下のした
たどり着くのは
あなたの声だけ
何もかもが終わった
種明かしの朝には
そっと、耳打ちしましょう
繰り返す6月の窓辺で
2009年05月17日(日)