「私はストーリーテラーになりたいの。最高の物語を多くの人に届けて、その人たちの心を大きく揺さぶりたいの。感動して泣いてくれたりしたら超ハッピー」
「君は『真実』ってものについてどんなふうに考えてる？」
「真実…？よくわかんないけど、私はウソをつくわけじゃないわ。真実の形を整えてあげてるの。誰がどこから見てもさまになるようにね」
「確かに本当のことって、大体がおもしろくないものだからね」
「そう！それに誰が損をするってわけじゃないし。むしろみんながハッピーになれる。伝える私もハッピー。聞いたあの人たちもハッピー。あなただって私がハッピーだとハッピーでしょ？」
「本当のことはおもしろくない。おもしろくないものをおもしろくするって、なんだか海底にひっそりと住むカキを無理やりひっぺがしてるような気分だ」