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思い立って、懐かしのCDを引っ張り出して聴いてみた。
なぜかどうしても友達を励ませなかったときとか、 どうしようもなく自信がなくなったときとか、 ぐるぐる、ぐるぐると、何度も何度も繰り返し聴いた歌があった。 聴きながら、町をぐいぐい歩いたっけ。 歌と一緒に気持ちを昇華させて、上を向くために。
その歌が流れ出した途端、あの切ない気持ちがよみがえってきた。 胸の奥から染み出すみたいに、そこにある。 (お陰で逆に、また訳もなく、落ち込みそうになっちゃったけど)
五感の記憶はすごい。 どんな記録よりも、鮮明に、自然に、再現させる。 さて、あと10年して、「今、ここにいる自分」を呼び出してくれる何かを、 わたしは五感に刻み込んでいっているだろうか?
今日もまた駅での話。 ターミナルなので、みんなお行儀よく並んで、電車の到着を待っていた。 電車が到着。列が前へ詰めていく……いざドアが開く、まさにその刹那、 一人のおじさんがスーッと滑り込むようにして、列の一番前に横入りをしたのだ。 それはもう、あまりに鮮やかで。 一瞬、唖然としてしまったくらいだ。
と、ここからが肝心。 それを見ていた駅員さんが、外から電車の窓を開けて、 そのおじさんを説得し始めた。 「みなさんね、座りたいから並んでいたんじゃないですか。ね、ここは立ちましょうよ……」 低く静かな声で、あくまでも穏やかに。 けっして、あなたは横入りだ/悪いやつだ/ずるいんだ、などと直接的に非難はしない。 結局、おじさんは席を立って、電車も降りてどこかへ行ってしまった。 ちょっと駅員さんに文句を言っていたけれど(酔っぱらっていたみたい)。 憤懣ムードに包まれていた車内も、ふわんと和んだのだった。
とても素敵で、かっこ良いと思った。
2003年05月01日(木) |
ジャマ、ジャマ! ジャマ!! |
朝から最悪。 遠足の小学生が、わらわらわらわらわらわらわらわら…… それはもう蜘蛛の子を散らすとはこのことか! ってくらいに。 駅の改札からホームまで埋めつくしてた。しかも、ものすごく騒がしい。 なんなんだ、あれは。 駅に電車が入る。どっと人が降りる。改札に殺到する。でもガキどもで埋まってる。 こちらは中に入りたい。でも外から中から埋まってる。身動きとれない。 あやうくいつもの電車に乗れないかと思ったぞ。
ガッコのセンセーは何をやってるのかね。 ラッシュは過ぎたけどまだ出勤時間帯。しかも、学生の登校時間帯だってのに。 そのセッティングは、あまりにも考えが浅はかなんじゃないの? しかも、ガキどもを静めるでも、脇へ寄せるでもなく、 棒っ杭みたいに突っ立ってるだけ。
最近は、うまくやっているみたいだったのにな。
2003年04月27日(日) |
タップの祭典──NTD! |
NATIONAL TAP DAYを観てきた。 昨年も行ったけど、日本における年に一度のタップのお祭り。 いろんなグループの個性を楽しめる、一粒で何度もオイシイ舞台だ。 オールドタイプあり、流行ものあり、斬新なのあり、 中には「?」なのもあったけど、それはそれで微笑ましいので、よし。 金属をつけた靴でリズムを刻むってだけの単純なことなのに、 こんなにもいろんな事ができるんだもの、すごい。
今年も、木箱を使ったタップの「BOX MEN」に惚れた。しびれた! これがもう、とってもカッコよい! 木箱(底以外は枠のみ)の中に入って、木箱ごと飛んだり跳ねたりしちゃう。 単なる体力勝負なネタじゃなくて、リズムも繊細なのがすごい。 あと、メンバーがみなカッコよいのも、ポイント高い(笑)
……面白かったけど実は、 ノイズ&ファンクの迫力を、改めて感じてしまったりもした。
2003年04月15日(火) |
怠惰 (春になったら苺を摘みに) |
梨木香歩さんのエッセイ集『春になったら苺を摘みに』読了。 自分が、いかに平凡な人間かを思い知らされる。 いや、平凡なのではなく、怠惰だ。 具体的行動が伴わない、というのもあるけれど、それ以前に、精神が怠惰。 精神的に未熟で、精神的に不感症で、精神的に荒廃していく……
感受性が、もっとオープンに、敏感にならないと、 たとえどんな経験をしてきても、 薄っぺらい、うわべしか残ってないんじゃないだろうか。
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