Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年11月09日(日)  G-L-O-R-I-A

"Gloria"は、不思議な曲である。
1964年に、ゼムのシングルのB面として発売された。ゼムとしてはビルボード100位内がようやくという感じだったが、'66年にシャドウズ・オブ・ナイトがカヴァーしてビルボード10位になる。どちらも当時のいわゆるガレージロックで、現在のリバイバル・ガレージとはまた違う。
しかしシャドウズ・オブ・ナイトのバージョンが(バンド名も含め)ロック史に名を残した気配も全くなく、要するに"Gloria"は、ヒットした曲とは言えない感がある。
だが、えんえんと今日まで愛されてきた曲であり、今現在も一部のロックマニアの間では、おさえていて当然の名曲とされている。
「一部の」と書いた。そう、この曲は、ロック好きの間ですらも、人によってあまりにも認識度が違うのだ。ゼムというバンド自体が抜けやすいところだったりするのかもしれないが。しかし、仮にゼムというバンドを知らなくても、この曲はかなりの数のアーティストに愛され、カヴァーされてきた。

私自身は、10代の頃にドアーズのバージョンでこの曲を知った。"Alive She Cried"の1曲目で、このアルバムは私のベスト10アルバムに入っている。原曲にはない喋りの部分も含めあまりにもドアーズ的で、私は長い間これをドアーズのオリジナルと信じて疑わなかった。今聴きなおしてみると、レイ・マンザレクが素晴らしかったんだなと思う。

パティ・スミスのバージョンに出会ったのはかなり後だ。タイトルがそうでなかったら気づかなかったかもしれない。そのくらい別物となりはてていた。オリジナルの倍の長さになっているが、当然で、「キリストは誰かの罪の為に死んだけど、あたしのじゃないわよ」という歌詞で始まる最初の1分半は完全に原曲にないものをつけ加えている。その後もとても同じ曲とは思えない。

U2に同名の曲があるがこれは無関係――と思ったらU2は別の曲の後半にゼムの"Gloria"を取り込んでいる。ジミヘンのバージョンはかなり長くて重い。他にもAC/DCトム・ペティなど、多くのカヴァーがある。
ちなみにレッド・ホット・チリ・ペッパーズの"Venice Queen"はグローリアという名の友人の死を悼んだ曲だが、歌詞で"G-L-O-R-I-A"とこの名前をスペルアウトするのは、やはりあの"Gloria"を意識しているのではないか。スペルアウト部分は、"Gloria"の命であるから。

YouTubeでずっと以前に"Gloria"を検索したら、パティなど色々出てくるのに、肝心のゼムが全く出てこなかった。昨日もう一度やってみたら、ゼムが一件出てきたが、しかし初めて聴くバージョンだった。通常のスタジオテイクよりうねりがあってなかなかいい。なのでふと、久しぶりに帝王さま(b)にメールして、URLを送った。Kinkstonesのレパートリーに"Gloria"を入れたのは帝王さまなのだ。大好きな曲だった筈だ。
そしたら今日返信が来て、その中に、色んな"Gloria"を聴いたけどKinkstonesのバージョンが一番好きだとあった。
おお。実は私もですw
しかし「Kinkstonesバージョン」も何も、このライヴの時点でKinkstonesというバンドはリハ5回したのみの出来たてバンドで、しかもわけあってライヴ依頼が来たのが1週間前だったので(なのにメンバー全員即快諾)、ライヴ当日にメンバーが一ヶ月ぶりに顔を合せるという状態だったのだ。それで自信満々、あの出来である。無論実力もあったと思うが、あの時のバンドのノリと勢いは、ちょっと得がたいものがあった。
しかも実は私はこの曲に最初かなり手こずっていたらしい。ライヴ一ヶ月半前の日記にそう書いてある。おまけにその日記で見ると、あのライヴ前に"Gloria"をリハでやったのって、たった2回だったんだなあ。

今回バンドScreaming Bunnyで、この曲をやることになった。実は一度6月の南阿佐ヶ谷ロックバーBセッションでMY(b)、KP(drs)と共にリハなしぶっつけでやってはいる。ただその時のギターはNY(パティ大好き26歳)だった。しかも3人にコピーしてもらったのは、何とKinkstonesのライヴ音源だ。
今回はゼムのオリジナルからやり直すので、全く違う音になる筈だ。
後年、MYがしみじみと振り返って、「色んな"Gloria"を聴いたけど、やっぱりSBバンドのが最高だねえ・・・」と言えるようにしたいものである。うん。(AM、よろしくw)

G-L-O-R-I-A (ジー・エル・オー・アール・アイ・エー)  *Gloria / Them (1964) の歌詞。



2008年11月08日(土)  Far more shocking than anything I ever knew. How about you?

火曜の夜にふとこの日記の冒頭にでかいフォントで「レッチリを聴けっっっ!!!」と書いて、このライヴ映像をリンクした
またかよ、またですか、また'Can't Stop'ですか、という声が聞えてきそうというかもうわんわん聞えるが。
実は最初は他の曲の映像を張ったのだ。で、いややっぱりこっちの方がジョンのギターがさえるなとか、こっちの方がフリーのベースが際立つなとか、色々あれこれ取っかえているうちに、結局コレになった。
だってどうせレッチリのマニアなら、YouTubeで出せるくらいのライヴはもう見てるでしょ? それよりも、今私のサイトでこの映像で初めてレッチリを聴くという人に、最高の1曲を聴かせたいと思うと―――やっぱりどうしてもこれになる。私がこの世で一番好きなもの、というだけでなく、4人の良さが存分に発揮されている曲でもあると思うから。
'Can't Stop'のライヴ映像は何十パターンも見ているが、このポーランドのライヴもいい。イントロの盛り上げ方がドラマチックだ。フリーはどのライヴでも瞬時も手を抜かないから、要はジョンに緊張感があるということだ。
土台という言葉がぴったりのがっしりしたチャドのドラム、地鳴りのように骨に響くフリーのベース、これがたった二人の出す音か。そこにふらふらと乱入するギタリスト。おい大丈夫か、ちゃんと弾けるんだろうな。・・・ああ、はらはらする。胃がひっくり返りそうになる。そしたらジョンが、あれを弾く。
――――――――あの、短い、イントロの、フレーズを。
自分で張ったこの映像、自分で何回見たことか。そしてそのたびに、いちいちジョンが弾くイントロで涙ぐんでいる。・・・よーし、よく弾いた。よくやった。ここさえきっちり弾いてしまえば、この曲はギタリストはあとはもう何をしていてもいい。あとは全部残り3人がどうにかしてくれるから。息つく暇も与えずドラマを叩き込んでくるチャドのドラム、ベースを兼ねるようなアンソニーのボーカル、ギターを兼ねるようなフリーのベースが、全部しっかりと受け止めてくれる。

私は、あまりにレッチリを好きなので、その良さを説明も出来ないほどだが。一番自分で説明がつかないのは、ジョン・フルシャンテというギタリストの何がそんなにいいのかということだ。
レッチリは、4人全員があまりにもかけがえのないバンドだが、しかしどうしても誰か一人を抜かなければならないとしたら、ジョンになると思う。そう認識しながらも私は、ジョンがいない時期のレッチリを全く聴けないし、彼はやはり(変なふうに別格になってしまったグレアム・コクソンを除けば)私のベストギタリストなのだ。

でも、ジョン好きは結構いる。特にギタリストはジョン好きが多い。
ロックバーでレッチリがかかる。隣に座っている男の子が嬉しそうに反応する。私はにっこり笑って話しかける。「レッチリ好き?」―――「大好き」という答えがかえってくる。その次によくあるセリフがこれだ。「俺、ジョンが好きなんですよ」って。
ああ、あなたもジョン好き? 私も。私も泣くほどジョンが好き。けど、一体なんでなんだろね?
初めてレッチリを聴いた時、デイヴ・ナヴァロがギターを弾いていた。それで私は歯牙にもかけず無視した。以後レッチリというバンドに全く注目せず、おかげで二度目にちゃんと聴いたのはなんと'By The Way'だ。ロックバーでジョンの弾くその曲を聴いた私は、隣にいた男の子の腕をひっつかんで訊いた。「これ、誰?!」って。そしたら彼が答えた。「レッド・ホット・チリ・ペッパーズだよ」って。―――あれからだ。あれから始まった。
その直後に'By The Way'のアルバムを手に入れて'Can't Stop'に出会った私は、この日記の赤いタイトルの下にこう書く。"Far more shocking than anything I ever knew. How about you?"―――'Can't Stop'の歌詞だ。
そして一切本名を使わなくなり、Screaming Bunnyとして動き始めた。

実は、最初は自分が何にそんなに魅せられているのか気づいていなかった。だんだんと、ああ私はこのギターを聴いているんだなとわかってきた。それ以来6年間ずっと、うっとりと聴いている。
ソロのジョンもかなり好きだが。しかし「レッチリのジョン」には遥かに及ばない。やはり、「ジョンのいるレッチリ」が、現存するバンドでは、世界一愛するバンドだ。

*えーと、何度も言いますが、R.E.M.は「宇宙一愛するバンド」です。どっちが上かは訊かないように。

Far more shocking than anything I ever knew. How about you? (こんな衝撃は初めてなんだ。あなたはどう?)  *Can't Stop / Red Hot Chili Peppers (2002) の歌詞。



2008年11月07日(金)  For unspoken value, aesthetic and charm

よその英語ブログにこういうのが張ってあった。メルセデス・ベンツのCMらしい。訳は以下の通り。
「フライドポテトとハンバーガーとミルクシェイク下さい」
「・・・ここ、図書館よ」
最後は同じことを繰り返しているだけだが、オチになっている。
このブロンド女性の、最後の満足そうな顔が、かっわいいのなんの。

YouTubeのこの映像のタイトルが'The Blonde'となっている理由はすぐ知れる。欧米では「ブロンド美人=低脳」という長年の偏見があるのだ。アメリカンジョークで「あるブロンドが」と始まれば、その女性がいかにおつむが弱いかを笑う話に決まっていて、ブロンドネタは1ジャンルとして確立しているほどだ。
昨年夏にミス・ティーン・サウスカロライナが世界中でよってたかって馬鹿にされた件もある。

上のCMは、あそこで終われば笑えるコントで済んだ。しかし最後に"Beauty is nothing without brains."(知性を伴わない美は無価値だ)という文があられる。
―――こんなCMを世に出したメルセデス社こそが低脳の極みだと言いたい。
「ブロンドが馬鹿」といういう通俗的決めつけ、その例のあまりのレベルの低さ(これが本当なら、単なる馬鹿ではなく立派な知的障害だろう)、そして最後のきいたふうな薄っぺらな文章。はっきり言うがこのCMをつくった人間は、頭が悪いだけでなく品がない。
しかしこのCMが失敗している最大の理由は、主役のブロンド美人が、どう見ても馬鹿に見えないからだ。きちんとした知性と自信の裏づけがないと、ああいう顔にはならない。表情も人間的魅力に溢れていて、演技も上手い。自分の求められている役どころを理解し納得したうえで、きちんと演じている。要するに、彼女の勝ちである。

ついでに言うと、このCMは、頭のいい女に対する偏見も含んでいることが、図書館の司書であるブルネット(=知的女性のシンボル)が、デブで服装もダサいことからうかがえる。とにかく全てが「類型」だ。

同じブログに以前こういうのも張ってあった。カントリー・シンガーであるブロンド美人が、小学生とクイズで対決する番組に出た時の模様だ。賞金をチャリティに充てる為に出演したらしい。
彼女は自分が笑いものにされるのを承知で、しかし堂々と、楽しいトークを繰り広げている。「ブダペストはヨーロッパのどの国の首都か?」という問いに、「なんて馬鹿げた問題かしら・・・ヨーロッパって国じゃないの?」と答え返すあたりは、頭がいいとすら感じる。加えて非常に人当たり良く魅力的だ。人間が出来ている。これに対して、「(あなたが質問をきちんと理解出来ないのは)あなたが女だからだ」と発言する司会の男性は品性下劣である。
このYouTube映像のタイトルも'dumb blonde'(低脳なブロンド)だが。こういうことを平気で言う奴に限って、たいした教養もないのが常だ。
南米の首都を次から次へと言わしてやろうか? ああ?

For unspoken value, aesthetic and charm (語らずとも顔に出る真価、美しさと魅力)  *Fan Mail / Blondie (1977) の歌詞。



2008年10月31日(金)  I can't use

19時から荻窪のリンキーディンクでSBバンドの、リハ。
10分遅刻。「今日は一番乗りを狙う」とbbsで宣言しておいたのだが、いつも一番乗りのモッチー(g)が「渋滞にはまってしまい、やや遅れそう」とメールをくれたのを見て、ふと余裕を感じてメイクしてしまったらこうなった。遅刻魔というのはこのように、待合せ相手が「やや、遅れそう」と言っただけで、頭の中で待合せ時刻がすっと15分くらいズレたりするのである。なので、コーさん(drs)に「遅れる」というメールを入れてはいけない。モッチーも同じことをちゃんと考えたようで、遅れるというメールの宛先は国王(b)と私のみになっていたw
しかし。そのコーさんが何と20分遅れで到着。早!!(遅刻だけど) ・・・これはうかうかしていると、そのうち抜かれるな。

今日のリハで嬉しかったのは、XeroXのノリが初めて少し取り戻せた気がしたことだ。
私にとってのXeroXの定義は、言ってしまえば、私の公私混同バンドだと思う。私の自我が全体を覆っているようなもんで。それぞれのメンバーとプライベートでかなり深く関わり、それぞれに愛情を持ったし、持たれていた筈だ。だから、その真ん中で私が歌うことは、私が何のこだわりもなく、既に個々のメンバーに見せているままの自分で歌えばいいということだ。―――それが客観的に見て最良の結果につながるとは限らないのは、私がメンバー内で自分を一番ヘタクソだと認識していたKinkstonesにおいて一番力を出していたことからもわかる。しかしやはりそれでも、自分が一番自分らしくあるというのは、最も幸せな状態だ。
かつてLEO(g)に「僕は'Vow'が好きなんじゃなくて、Bunnyさんの歌っている'Vow'が好きなんだ」と他のメンバーの前で言わせたような歌い方が、長いこと出来ないでいたが。それをちょっと今回、取り戻せたかもしれない。

シンガーって、皆どうやって自分の歌い方を見つけるんだろう。ニール・ヤングのあの全てが不安定な素人くさいボーカル、あれは何も考えずにやっているのか、それとも思考錯誤の末にああなったのか。いずれにしても結果的には彼の歌は感動的だ。
ビリー・コーガンの、変質者っぽい腑抜けな歌い方はどうやって生まれたんだろう。私だけの耳元に直接ささやきかけて骨抜きにするあの甘い声は。
それからマイケル・モンローの、一音ずつ叩きつけるようでどの音もフラットしちゃっているような、なのにこれで完成していると感じさせる魅力は何なんだろう。
アンソニー・キーディスについては、分析の余地もない。自分をただそのまま出してしまっている声。「誠実」という表現がぴったりなほど、迷いや願いがにじみ出ている歌い方。
私はいまだに、自分がどういう声を出せばいいのかさえわかっていない。極端にいえば、声帯の使い方さえわかっていない気がする。

そういえば兎(Bunny)って、声帯の使い方を知らないんだっけな。

I can't use (使い方を知らない)  *Vow / Garbage (1995) の歌詞。



2008年10月30日(木)  I'm gonna keep an eye on you

20時から荻窪リンキーディンクで1時間AM(g)とリハ。AMは、ギターとボーカルだけでやるのは初めてらしく、相当緊張――というより、びびりまくっている気配。
ギター1本でやるのは勿論難しいと思う。ドラムがいないから自分でリズムキープしないといけないし、ベースがいないから、自分でキー音はきちっと出さなきゃいけない。それに比べるとシンガーはとてもラクだ。きっちり存在感を持って歌いさえすればいい。で、私は存在感だけのシンガーなので、OKなはずw
アコギでホールを2曲やってみる。おんなじ曲をバンドでやっているんだけど、やっぱりギター1本、しかもアコギとなると大分変わる。
キルズの'Rodeo Town'もやってみた。これだけがSBバンドでやったことのない曲。2005年にRonny(g)と一緒に一度だけライヴでやった。あとはベイビー(g)と遊びで合せたことがあるのみ。今回AMに読ませる為に初めて歌詞を訳してみた。歌詞なんか完全に頭に入っていると思っていたが、一ヶ所記憶違いをしていて、それが"You were telling me how"という部分。私は'are'だと思っていた。――と、いうことは。「彼」に対する記述が、最初の1行を除いて全部過去形になる。自分に関する記述は現在形なのに。ラスト1行の"You can't keep quiet"だけは現在形だが、これは既に去った「彼」の思い出が自分を悩ませるというふうに取れる。―――そうか、これ、そういう歌詞なのかもしれないな。

AMの車で南阿佐ヶ谷ロックバーBへ。今日は前もって「行くからね行くからね」と念を押しておいたので、ちゃんと定時に開いていた気配。DVDを2枚持ち込んで流してもらったが、1枚は自分のライヴw(勿論他のお客がいない間に見たんだけど) もう1枚はキルズのライヴで、これを見せるとキルズをコピーしているギタリストは皆ホテル(g)の手元から目がはなせなくなる。AMも、Bマスターが話しかけても気づかないほど集中。私から見てさえも、かなり変わったことしてるからなあ。
ふと、「ここ、ラスト・ワルツのDVDある?」と訊いてみたら。意外にも置いてた。久しぶりにリック・ダンコの姿を堪能。
AMの車で送ってもらって0時帰宅。

I'm gonna keep an eye on you (目がはなせなくなる)  *Rodeo Town / Kills (2005) の歌詞。



2008年10月29日(水)  But you're not gonna crack. No you're never gonna crack

すっごく久しぶりに日本のニュースサイトを見てみたら。「麻生首相がどうたらこうたら」と書いてあった。あ? 麻生って、麻生太郎?
調べてみたら一ヶ月も前に就任してるし。・・・あーあーあ。
だからさあ、何回も言ってるじゃん。私はTVもラジオもなくて新聞も取ってなくて、Podcastで英米のニュースを見てるだけなんだから。東京に台風が来ることすら知らない生活なんだよ。首相が変わったら誰かおしえようよー。
そして今回も、ABC、BBC、CBS、CNN、各局この件にちらとも触れず。

歯医者へ。2年前に治療した歯が欠けたので、先週木曜から通っている。今日で3回目だが。
2回目の時、下の歯の型を取られた。歯型を取る印象材を噛まされて、2年前にこれがどんなに苦しかったか思い出した。ゲル状の物質が、喉の奥に触るのだ。今にも喉に流れてきそうだ。
水と閉所、そしてこの「喉の異物感」が、私がパニックを起こす一番の誘引だ。最後のは、初めてパニックを起こすきっかけにもなった。舌根扁桃腺肥大になって、常に喉の奥に指を突っ込まれているような感覚があり、そこで「キレた」のだ。
だから歯医者に来てこれをやられるたびにキレそうになる。今日も上の型を取られたので、腿に爪を立てながら耐えた。人前では絶対にパニックは見せない。

でも。随分とラクになったと思う。例えば私は今ではしょっちゅう目を閉じて歌うが、ひと頃は目が閉じられなかった。「閉所」になるからだ。
だから夜眠れない。眠くて瞼が落ちるたびに、ぞっとして弾かれたように目を開ける。これを、眠気が勝つまで繰り返す。翌朝は、意識が戻って、目を閉じている自分に気づく恐怖から始まる。
あの頃に比べたら、今はなんでもない。

そして結局、パニックなんてどうってことはない。最近はそう思う。世の中にはもっと辛いことが溢れてるんだ。
それを思えば、たかがシャワーの中で泣くのなんてね。

But you're not gonna crack. No you're never gonna crack (人間はこの程度じゃくじけないよ)  *Run Baby Run / Garbage (2005) の歌詞。



2008年10月28日(火)  You've got to give it to your mamma

夕方駅前まで出た帰り、30代くらいのスーツ姿の男性とすれ違う。一瞬何かものすごく心に訴えるものを見たような気がして「?」となったが、一瞬後に気づく。ああ!今のヒト!スーツの内側に、ブラシュガのTシャツ着てたわ!! ジャケットの間からちらっとしか見えていなかったが、あの特徴のあるデザインは間違いない。
・・・惜しい、もっと早く気づいていれば、ご挨拶くらい。(マジで?)

荻窪に来て4年半になるが、この街でレッチリのTシャツを着た人を見るのは2度目だ。1度目は、うちの前の道路だったが、その人は絵に描いたような「おかん」だった。小太りでおばさんパーマで、買物カートを引きずっていたその「おかん」の胸に、あの天使のわっか付のアヒルを見た私の驚き。
「おかん、俺のTシャツ着るなや!!」、「あんたコレ着ーへんやん」、などという会話が頭をよぎったっけ・・・。

あれは4年くらい前だっけ。午前4時頃コンビニに行く途中で、ピアノを運ぶトラックの荷台に座っていた30代くらいの男性が、キルズのTシャツを着ていたのを見た。今でも知名度が高いとは言えないキルズが、更に遥かに無名だった頃だ。思わず凝視してしまった。
買物を済まし、帰りに絶対話しかけようと思って戻ってみたら、もう車ごといなくなっていた。
―――運命の出会いだったのに。惜しい。(何が?)

You've got to give it to your mamma (おかんに取られたのか?)  *Give It Away / Red Hot Chili Peppers (1991) の歌詞。 *アルバム'Blood Sugar Sex Magik'収録。



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