何年か前のこと、某市民病院が、九十歳(男性)の心臓バイパス手術に
成功したという記事を新聞で読んだ。
当時、義母が同じ手術を受けた後だったので、いろいろと考えてしまった。
血液の流れをよくするために、心臓の動脈にバイパスを取り付ける手術、
ほんとうに、その人自身がその大手術を受けることを望んだのだろうか。
仮にその手術を受けなかったら、九十歳で心筋梗塞に見舞われ、
その人は命を落とすかも知れない。
それを周囲が寿命として受け入れるのは、薄情なことなのだろうか。
心の広くない長男の嫁は、すぐに浅はかな計算をしてしまう。
バイパス手術によって十年寿命が延長されたとして百歳、
手術を含む医療費は六百万円前後、(もっとも当時は、本人負担は
高齢者の場合、ほとんど無かったと思う)
子供夫婦も七十歳前後だろうな、
七十歳を越えてもまだ長男の嫁であることを、望まなければいけないのか。
で、ほんとうに、義父が、この度、心臓のバイパス手術を受けた。
八十三歳、微妙な年齢だと思う。
大した自覚症状も無く、偶然発見された感じだった。
紹介された病院に自分で車を運転して行き、その場で即入院となった。
突然のことであり、心の準備も何もできてなかった。
父自身は、手術に執拗に反対した。
私は、自分の寿命は、後、数年だと以前から思っている。
私の兄も86歳で亡くなった。多分、このまま何もせずに
生きていたら、私もそうなると思う。
いまさら、そんな危険な大手術を受けたくは無い。
何度も何度も義父はそういうことを訴えた。
しかし、手術の話はどんどん進行した。
病院側の話では、父の容態は、死に至る心筋梗塞の発作が
いつ起きてもおかしくない状態であり、早急にバイパス手術を
する必要がある。
そう告げられて、私達に何ができるだろうか。
「べつにいつ発作に見舞われてもけっこうです」
と、手術を拒否する人はいない。
手術は無事成功した。
細くなり、発作寸前だったらしい父の心臓の血管は、バイパスによって
補強され、強くなったのだろうと思う。
しかし、高齢での大手術ということで、私達には予想もしなかった問題が
次々生じてきた。
予定では一ヶ月の入院だった。
しかし、もうすぐ二ヶ月になろうというのに、まだ退院が見えてこない。
(つづく)
暑いねー
ヤンチャざかりのロンは、まだマナーというものを知らない。
キャットタワーの頂上で休息中のスーちゃんの邪魔をする。
というか、無理矢理その狭い場所を奪い取ろうとする。
「のいてよ」
「ダメ!ここは、私の場所よ」
つい最近まで、ロンはこの高さまで到達できなかった。
諦めないロン。
「のけってば!」
「ダメってば!」
戦いは続く。
「のいて」
「イ〜ヤ」
この戦いの結果は・・・
ロンの負け、というか無理矢理こういう結果に。
「ダメよ、ロン! 他人(猫)の物を横取りしてはいけません」
見かねた私が、ロンを抱っこして、やさしく(?)説得。
シブシブ納得したというよりも、かなり眠たかったようだ。
それにしても・・・
サイズ的には、今のロンにピッタリの場所だと思うよ。