ロンは男の子だけど、どう? このポーズ、
このスラリとした足、まるでモデルみたいでしょ。
なのに女の子のスーはいつ見てもこの格好。
そろそろ涼しくなって来たのに、いつまで・・・
昨日の雨天とは打って変わって、今日は爽やかな秋の晴天。
二人のお出かけには、ピッタリの行楽日和だ。
今日は、舅の初めてのデイケアサービス体験日、
ワクワク、ドキドキ♪・・・とは行かない。
きっと、緊張のあまり、昨夜は二人ともほとんど眠れなかったにちがいない。
退院後、舅の体力は思うように復活しない。
両手の関節の腫れと痛みがひどく、いまだに着替えすら一人でできない。
歩行もいつまでたってもおぼつかない。
トイレも時々間に合わなかったりする。
病院へ行く日以外は、ずっと家に閉じこもる毎日。
入院する前日まで、畑を耕し、車を運転していたのに。
今は、精神的にも体力的にも後退していく日々。
本人だけでなく、介護する姑も疲れが溜まるばかり。
そういうことで、
けっきょく、介護福祉の助けを借りることになった。
今日はその第一歩を踏み出したところ、と言うべきか。
ケアーマネージャーさんに紹介していただいたこの施設、
入浴、食事だけでなく、個別にリハビリもして頂けるし、
医師も看護士も常駐されているので安心だ。
また施設専用の車で家まで送迎してもらえるのも嬉しい。
朝の八時半から夕方五時まで、舅が出かけている間
その時間は、姑にとっても少しは休息となるだろう。
でも体験通所といえども、なにぶん初めてのこと。
姑の緊張ぶりは予想どおりだった。
昨夜は、持ち物確認のための電話が何度もかかってきた。
「おかあさん。学校ではないんだから・・・
もし忘れ物があったとしても、怒られたりしないよ。」
そして今日、
初めてということで、姑もいっしょに付いて行った。
けっきょく、私も電話で呼び出され、午後から見学がてら行ってきた。
職員の方達は、皆さんほんとうに優しく接してくださるし
施設も新しくて清潔。リハビリの設備も整っている。
昼食もマツタケ御飯がとても美味しかったらしい。
ただ、二人がその施設を気に入ったかどうか、
それは、わからない。
ケアーを受けておられる他の人達が、見たところ
舅よりもかなり老化の程度が重いように感じられた。
舅があの場所にいるのはなんか変だ、などと感じてしまった。
ひとりだけ、普通の正常な人として浮いていたよ。
ちょっと涼しくなりました。
カーペットの下に潜り込むのが好きなロン。
すかさず、スーお姉さまがやってきました。
カーペットの上から、踏んづけ攻撃開始。
日頃の恨みを晴らしてやる〜。 まるで、しっぺ返し。
フニャー、やめて〜
しかし、そのまま大人しく引っ込むロンではありません。
ガブッ、スーのおしりに噛み付いて、反撃開始。
その後は、いつも通りです。
カーペットから飛び出したロンとスーの過激バトルになりました。
毎日、ようやるわー
でも、2匹とも、傷ひとつ無いんだから。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「亭主の実家は、スープの冷める距離が良い」
そういう言葉を聞く度、「賛成! 賛成!」の私。
我が家の場合、亭主の実家との距離、約25キロ、
けっこう信号も車も多い道、スイスイ走って車で40分。
スープは、じゅうぶん、ぃぇなんとか冷める距離。
その恩恵を受けること二十年、
毎週土曜日だけが、主人の両親との逢瀬の日。
舅の運転する車で二人、必ず毎週やって来た。
舞台はいつも我が家。
その日だけ私はちょっとした演技派女優、平凡でマシな嫁役。
いつかは、こんな日が来るだろうとは予想していたけれど
今、舅は車を運転することができなくなった。
これまで、あまりにも忠実で優秀なおかかえ運転手だったせいで
姑は、タクシーはもちろん、電車に乗ることも考えつかない。
足腰が弱っているせいもある。
歩けば10分くらいでスーパーにも行き着くし、
電車の駅までは二百メートルくらいの距離なのに。
今では、医者に行くのも、日常の買い物も、すべて嫁が頼みの綱だ。
しかも、なぜか、いろいろな用事が発生して、
このところ頻繁に亭主の実家へ参上している嫁。
私のようなドングサイ嫁でも、あてにされることがあるのだなあー
複雑な気持ちの今日この頃。
ただ、今まで喜んでいたこの「スープの冷める距離」が
こういう状態になると、「もうちょっと近ければなー」と。
勝手なものだ。 長年この距離の恩恵を受けてきたが、
なんとなくシッペ返しを受けているような気分にもなる。
だからと言って、もし同居の話でも出ようものなら
「いいえ、いいえ、こんな距離、無きに等しいです!」
「喜んで、毎日でも通わせていただきますわ」
なんて叫ぶにちがいないけれど。
同居されているお嫁さん方には、頭が上がりません。