Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 なぜシルバはすぐに「あゆデザイン」になるのか
2006年05月02日(火)

 3年ほど前、浜崎あゆみがツーカーのイメージキャラクターだった頃、ツーカーのCMで浜崎あゆみがデザインしたという携帯電話が出てきて、あの浜崎あゆみ独特の鼻が詰まったようなしゃべり方で「あゆデザイン」と言っていましたが……全面ヒョウ柄にしただけだろ……。

 というわけで、僕の愛車S2000(通称シルバ)は、すぐにヒョウ柄になってしまいます。現に昨日洗車したら今朝雨に降られて、今もヒョウ柄になってます。ヒョウ柄と言ってもボディのシルバーストーンメタリックに砂埃のベージュのツートン。つまり、雨が降ったあとにできた無数の水滴に砂埃が付着し、それが乾いて砂埃だけが残ってこびりついてしまっているというわけです。幸い昨日した洗車は300円のシャンプー洗車だったのでよかったです。

 ところが、同じ駐車場に停まっている他のクルマを見てみると、けっこうヒョウ柄になっていないクルマがあったりするんです。同じように雨に濡れて、同じ駐車場に停まっていたので砂埃も同じ量だけ被っているというのに。パッと見は汚れているように見えず、近づいてよく見ていると全体的にまんべんなく砂埃がこびりついていて、汚れ自体はそれほど目立ってないんですよね。

 それに引き替え、僕のシルバはシルバーのボディに無数の水玉模様ができてしまい、パッと見にも汚れているのが丸わかりで、ちょっと買い物に出かけるときに乗っていくことすらはばかってしまうほどみっともない状態になってしまいます。
 だからお客さんのところに乗っていくときなどは、時間に余裕があれば行く前に簡単に洗車して、きれいにしてから行くようにしているんです。……で、また降られてしまうと……。

 で、いったいなぜ僕のシルバだけみっともないヒョウ柄になってしまうのだろうと考えてみたんですが、僕は月に一度フッ素加工のコースで洗車しているのですが、フッ素加工を施すと撥水性が増し、雨が降ると水滴ができて、走り出すとその水滴がコロコロと流れ落ちていくんですよね。つまり、フッ素加工の撥水効果のおかげで水滴ができて、それによって乾くとヒョウ柄になってしまうと言うわけだったんですね。

 そう考えると、ヒョウ柄になってしまったとしてもフッ素加工が効いていてボディに完全にこびりついてしまっているわけではなく、水洗いだけで簡単に汚れを落とすことができるので、むしろ他のクルマのように全体的にまんべんなく汚れてしまっている状態よりも良いことなのだと、ちょっと安心しました。

 ……ただ、それでもヒョウ柄だと汚れているのが目立ってしまうことには変わりないので、次の日雨に降られようと、水洗いでもいいからこまめに洗わないといけませんね。やっぱりせっかくカッコイイS2000に乗っているんですから、いつもピカピカじゃないと様になりませんからね。

 どうしても仕方なく汚れた状態でお客さんのところに行かなくてはならない時には、「あゆデザインあゆデザイン」といってごまかしてます。(結局ネタに使ってるのかYO!)



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 「マツダイラ」における外国人の口語
2006年05月01日(月)

 現在当サイトで連載中のF1小説『マツダイラ』ですが、ご存じの通りこの小説はF1の世界を舞台にしているので、外国人のキャラクターが多く登場します。中でもマキシ・レッドフォードは全編を通じて重要な役割を果たしているキャラクターですが、彼が仕事の上司である編集長サムに対して、自分にとって目上の立場であるにもかかわらず、かなり馴れ馴れしい態度で接しているのにお気づきでしょうか。
 一応本人の前では言葉遣いは“丁寧語”で表現しおり、サムのことも「編集長」と呼ぶようにしていますが、本人がいないところでは「サムのやつ!」とファーストネームで愚痴をこぼしたりと、日本ではちょっと理解しにくいような表現かもしれませんね。

 レッドフォードは、ケン・マツダイラやハイド・ボーンなどに対しては今のところ丁寧語で接しているように描いていますが、それは一応仕事上情報を引き出す取材相手、つまりターゲットなのでそう表現しているだけで、今後レッドフォードがケン・マツダイラやハイド・ボーンと親睦を深めて親しくなっていけば、いずれは彼らにもタメ口で接していくことになるでしょう。

 日本でも会社の上司に対して裏で愚痴をこぼすとき、「山田部長はあ〜だこ〜だ」とか、ひどいときは「山田はあ〜だこ〜だ」と呼び捨てで愚痴ることもありますが、いくら頭にきていても「太郎はあ〜だこ〜だ」と上司をファーストネームで呼び捨てにして愚痴ることはないですよね。
 しかし、洋画の吹き替えや字幕などを見るとおわかりの通り、欧米では親しみを込めて目上目下に関係なくファーストネームで呼び合うことが多く、日本のように丁寧語や敬語などの表現はほとんど存在しませんので、それが日本語に置き換えられると、上司に対する口語であっても“タメ口”で表現されていることがほとんどですね。特にその上司と部下が長い付き合いだったりすると、そこには立場の壁はなくなり、上司部下の関係でありながら、良き友人という感覚の方が優先されているようです。

 わかりやすい例で言うと、『Xファイル』のFBI捜査官モルダーは、上司であるスキナー長官に対してタメ愚痴をきいていますよね。また上司部下という関係だけでなく、立場は同じで先輩後輩という、比較的上下の差が近い関係でも、新米がベテランに対してタメ口をきくのは当たり前のようになっています。

 映画だけでなく、海外スポーツの試合後のインタビューなどがニュースなどで紹介されるときにも、英語で喋っているコメントに対して出る日本語字幕が「今日は思うような結果が出せなかったよ。でも次はいい結果を出したいね。」などとタメ口で書かれていますよね。しかも別の選手の名前が出てくる場合でも、相手が目上だろうと関係なくファーストネーム呼び捨てで馴れ馴れしく言っているように書かれています。現に原語では実際に相手のことをファーストネームで言っていますしね。

 このことに関して、ある英語に精通した方が「何で外国人選手のコメントの字幕ばかりタメ口で表現されているのか、選手自身は実際はもっと丁寧な言葉遣いで話しているはず」と言っていたことがあります。しかし、先に述べたように、英語には日本語のような丁寧語や敬語の表現はほとんどありませんから、きっと選手自身もタメ口に近い感覚で、馴れ馴れしい口調で話しているのではないでしょうかね。

 まあそんなわけで、話が長くなりましたが結局何を言いたいのかと言いますと、小説における外国人の口語表現は書く人によって違うでしょうし自由ですが、『マツダイラ』では外国人の口語は、基本的に“タメ口・呼び捨て・馴れ馴れしい”で今後も表現していこうと思います。
 僕は実際英語に精通していませんから、実際外国人が目上の人に対してタメ口で接しているのか、あるいは丁寧な口調で接しているのかはわかりませんが、少なくとも洋画の吹き替えや字幕に慣れ親しんでいる我々日本人からしたら、外国人はタメ口で馴れ馴れしく話した方が“外国人らしい”と思うんですよね。

 余談ですが、ちょうど今日、第2次世界大戦の転機となった“硫黄島の戦い”を日米双方の視点から描いた2部作『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』の製作報告会見が都内で行われ、めったに会見に出席しないことで知られるクリント・イーストウッド監督を始め、『硫黄島からの手紙』で主演を務める渡辺謙、二宮和也、中村獅童ら6名が登壇したニュースがテレビで紹介されていましたが、ジャニーズの人気グループ“嵐”の二宮和也がイーストウッド監督の印象について「会う前は緊張していたけど、初めて会ったときクリントはピーナッツをぼろぼろこぼしながら食べていたんです。それを見て『あ、仲良くなれそうだな』って思いました。」とコメントしたのが驚きでした。
 日本キャストの全員が監督のことを「クリント」とファーストネームで呼んでいたのが印象的でした。日本でこのように大先輩を呼び捨てにすることは失礼になりかねないですが、外国では親しい間柄の証しなのか、監督と日本キャストがいかに打ちとけ合っているのかがうかがえましたね。

 ……しかし、渡辺謙や中村獅童ならベテラン俳優ですから「クリント」と呼び捨てにしても様になりますが、二宮……お前も欧米かよッ!

 これも余談ですが、某赤組サイトを運営していて、僕と同じように創作F1小説をネットに掲載している某さんと、外国人キャラクターの口語表現についてだいぶ前に議論したことがあります。彼の書くF1小説は、各キャラクターの感情がとても繊細に描かれていて非常に秀逸な作品が多いのですが、一点だけ、作品に登場する若手ドライバーが尊敬しているベテランドライバーに対して、丁寧語でしかもファミリーネームで“さん付け”で話しているのが非常に違和感があったんですよね。で、その議論は結局お互い譲らず平行線のままフェイドアウトしていきました。

 「シューマッハさん」はどう考えても変だろう……。



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 Mako、Swatchとパートナーシップを結ぶ
2006年04月30日(日)

 驚かせてすみません。実は最近すっかり更新が止まってしまっている、F1ニュースっぽくS2000生活を紹介している自己満足ページ「S2000ニュース」用のネタなんです。でもすべてがネタというわけではなく、今日からスイスの時計メーカー「スウォッチ」の時計を使うことにしたというわけです。

 実はこのスウォッチの時計は以前買った「IRONY CHRONO」というやつでして、純正のバンドは革だったのですが、ここ数年ほど腕時計自体を使っておらず、革が劣化して切れてしまったので、バンドを時計のフレームと同じステンレススチールに交換したのです。しかもそのバンド、すべてがステンレススチールではなく、中央のジョイント部分が黒いゴム製で、タイヤの溝のような模様が入っているので、ちょっとモータースポーティで気に入っています。

 以前この時計を買ったときは、ミカ・ハッキネンのヘルメットの色にちなんで、時計盤のフチの色がネイビーブルーのものを選んだのですが、今回バンドをタイヤ風ゴム付きのステンレススチールに交換したので、僕オリジナルの組み合わせなので、ま、言ってみれば「Mako Hakkinennエディション」というわけですね!しかも時計盤部分はすでに売っていないモデルなので、この組み合わせはおそらく世界で1つだけでしょう。

 ここ数年は携帯電話が時計代わりになってしまっていて全然腕時計を使っていなかったのですが、時間を見るのにわざわざ携帯を取り出すのも面倒ですし、今後はこの生まれ変わったMakoオリジナルのスウォッチを使うことにします。


調子に乗ってこんなモノを作ってしまいました。
ちなみに着ているのは愛用のレーシングウェア。


 さて、「S2000ニュース」といえば、シルバをM−NESTのカラーリングに合成して制作した架空のレーシングカー「ブルーキャット」ですが、現在最新のカラーリングを考えているところです。
 で、最新のカラーリングではより多くのスポンサーロゴを入れようと思っているのですが、よく考えてみると、今まで時計メーカーのロゴってなかったんですよね。F1で時計メーカーのロゴと言えば、ミカ・ハッキネンもモデルを務めたマクラーレンのスポンサー「タグホイヤー」や、佐藤琢磨のスポンサーである「セイコー」などが有名ですが、まあタグホイヤーは高いですし、セイコーは日本ではごく普通ですし、比較的価格帯が手頃で個性豊かなデザインが魅力のスウォッチが僕らしくていいかなと思います。

 そんなわけで、いつになるかはわかりませんが、新型M−NESTレースカー(名称未定)にはスウォッチのロゴが入りますので、皆さんお楽しみに。



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 Cafe M-NESTにもホットスポットを設置
2006年04月29日(土)

 3月7日付のVoice3月15日付のVoiceでもご紹介しましたが、ホットスポットとは、NTTコミュニケーションズが商標を取得したため「アクセスポイント」「無LANスポット」「フリースポット」と呼ぶ場合もありますが、無線LANなどのアクセスポイントを設置し、無線でのインターネット接続サービスを不特定多数の利用者に提供している空間のことです。
 主に、鉄道駅や空港、ホテル、喫茶店やファストフードなどの飲食店など、人々の多く出入りする空間に設置されることが多いですね。今後もスタジアムなどのスポーツ施設や公園などの防災拠点、公民館や図書館、電柱や自動販売機への設置も予想されています。
 ホットスポットの利用形態は、事前に提供業者の会員になっておく「会員制」か、その場で一時的に利用権を得る「ゲスト」としての二種類が主流です。前者は喫茶店などで、後者はホテルや公共空間で用いられる事が多いです。

 さて、4月8日付のVoiceでは、我が家にレコードプレイヤーが導入されたので、ゲストを招いてコーヒーなどを飲みながら70年代のジャズを中心としたレコード鑑賞会を開くため、「CafeM−NEST」を開設したというお話をしましたが、何とこの「CafeM−NEST」にも、このたびホットスポットを設置することになりました!

 ……といっても、単に自宅にアップル社の「AirMacエクスプレス・ベースステーション」という無線LANができる機械を導入したというだけなんですけどね。

 しかし、僕が持っているノート型パソコンのiBookはもちろん、ウィンドウズでもAirMacまたはAirMacエクストリーム対応のWinXPまたはWin2000以上のOSであれば、ワイヤレスでインターネットに接続することができますので、我が家がホットスポットになったということには変わりないわけです。
 ですからゲストの方が自分のノート型パソコンをCafeM−NESTに持ち込めば、ジャズレコードを鑑賞しながら、ご自分のパソコンでダイニングでもリビングでも、和室でも洋室でも、はたまはトイレの中でだって、ネットサーフィンが楽しめるというわけですね!う〜ん!さすがはCafeM−NEST!何てサービスが行き届いているんだ!レコードは聴けるし、コーヒーは無料だし、壁にはソフトダーツもあるし、プレステ2もあるし、ビデオデッキやDVDプレイヤーもあるし、おまけに本棚には各種漫画が取り揃えてあるので、これでホットスポットも設置したわけですから、「アプレシオ」のようなお店と何ら変わりないですな!

 しかも!CafeM−NESTのAirMacは、アップル社純正のMP3プレイヤーアプリケーション「iTunes」の最新バージョンで使える「AirTune」という新機能により、MP3ファイルはもちろん、ご自身のミュージックライブラリや、CD、iTunesミュージックストアのプレビュー、オーディオブックまで、iTunesで再生可能な音楽はすべてワイヤレスネットワークを通じて、ケーブルを繋がなくてもCafeM−NESTのパワーアンプに送られ、大音響スピーカーで鳴らすことができてしまうのです!ですからゲストの方が自分のパソコンのiTunesの中にお気に入りの音楽を入れてCafeM−NESTに持ち込めば、ワイヤレスで大音量スピーカーで聴けてしまうと言うわけです!

 CafeM−NESTで、ワイヤレスネットサーフィンと音楽鑑賞を楽しもう!

■システム条件
 ワイヤレスインターネット接続には以下の条件が必要です。
 * iTunesをMac OS X v10.2.7以降、Windows XPまたはWindows 2000
 * AirMacまたはAirMac Extreme対応コンピュータ
 * WiFiに準拠した802.11bまたは802.11g対応Windowsコンピュータ

 ワイヤレス音楽再生には以下の条件が必要です。
 * iTunesをMac OS X v10.2.7以降、Windows XPまたはWindows 2000
 * 最新のiTunes(無償)がインストールされたコンピュータ
 * AirMacまたはAirMac Extreme対応コンピュータ
 * WiFiに準拠した802.11bまたは802.11g対応Windowsコンピュータ



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 2008年のF1エントリーがついに確定!
2006年04月28日(金)

 F1は新しいコンコルド協定が発効する2008年から、12チーム24台が参戦できることになっているのですが、現在参戦している11チームはすでに確定しており、残る1つのチーム枠を巡って、新たに11チームがエントリーを申請していました。その中からどのチームが残された唯一のチーム枠をものにして、2008年からの新規参入を実現できるか注目されていました。

 新たに2008年からのF1エントリーを申請していたのは、2003年までBAR・ホンダを指揮していたデイビッド・リチャーズ率いる「プロドライブ」、マクラーレンのBチームとして元F1ドライバーのジャン・アレジが表看板となり、日本のディレクシブがバックアップする新プロジェクト「ディレクシブ」、昨年末にミナルディをレッドブルに売却したが、ミナルディの名を復活させるためにエントリーを申請したポール・ストッダート率いる「新生ミナルディ」、佐藤琢磨がイギリスF3時代に所属していたイギリスF3の名門チーム「カーリン・モータースポーツ」などを含めた11チーム。

 そしてFIAは今週、2008年のF1エントリーについて、最終的に参戦を認める12チームをついに決定しました。見事残る1つのチーム枠を射止めて2008年からのF1への新規参入を決めたのは、デイビッド・リチャーズ率いる「プロドライブ」でした。
 デイビッド・リチャーズは「当社の全員にとって最高のニュースだ。我々はWRC、BTCC、ル・マンGT1を制してきた。そしてF1にもプロドライブチームとして参戦したいという希望をかねてから表してきた。2008年に新レギュレーションが導入されることで、プロドライブはそれほど費用をかけずに競争力を身につけることができるだろう。エントリーは始まりにすぎない。あと2年足らずのうちに、チームを作り上げて、2008年開幕戦のグリッドにコンペティティブなマシン2台を並べなければならない。これから膨大な作業が待ち受けている。専門知識にも経験にも長けたチームを相手にしなければならないのを知っているからね。だが、プロドライブには20年以上にわたるモータースポーツの経験がある。我々は全員、このチャレンジを楽しみにしている。」と語り、自信を覗かせました。

 プロドライブがF1に参戦するのはもちろんこれが初めて。しかしリチャーズは1998年にはベネトンF1チームの代表を務め、2002〜2004年にはBARの指揮をとり、2004年にはチームをマニュファクチャラー2位に導いており、f1における経験は十分に持っています。
 プロドライブはすでにイギリスにおける新たなファクトリー建設計画を発表しており、この建設には地元の反対もあるようですが、建設許可が下りれば、作業は今年末にも開始されるそうです。当面の間は、現在所有している施設でF1プログラムを進めていく模様です。

 決定し発表された2008年のエントリーリストは以下の通り。

 ○ザウバー・BMW
 ○ホンダ
 ○ミッドランド(エンジン未定)
 ○プロドライブ(エンジン未定)
 ○レッドブル(エンジン未定)
 ○ルノー
 ○フェラーリ
 ○スーパーアグリ・ホンダ
 ○トロロッソ(エンジン未定)
 ○トヨタ
 ○マクラーレン・メルセデス
 ○ウイリアムズ(エンジン未定)

 5チームがエンジン未定となっていますが、スーパーアグリに関してはすでに2008年のホンダからのエンジン供給が決定しているようで、チーム名は「スーパーアグリ・ホンダ」となっていました。またウィリアムズは「レクサス」名義でトヨタエンジンを搭載するのではと噂されていますが、発表されたエントリーリストではまだ未定のままでした。

 2008年からは12チーム24台が出揃うと言うことで、1995年第17戦オーストラリアグランプリ以来の24台によるレースが実現することになります。さらにエキサイティングしそうですね。その頃にはスーパーアグリも何度か入賞圏内でフィニッシュできるだけの状況になっていて欲しいものですが、新規参入のプロドライブは経験も豊富ですから、プロドライブに食われてしまいそうで不安です。



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 スーパーアグリ、SA06も旧車を一部流用
2006年04月27日(木)

 2001年の旧アロウズのマシンを改良してレースを戦っているスーパーアグリは、平行してチームオリジナルの新型マシンSA06の開発も進めており、その実戦投入に大きな期待が持たれています。しかし、開幕前は先週末行われた第4戦サンマリノグランプリまでに投入する予定だったものが大幅に遅れており、SA06の投入は早くて第11戦のフランスグランプリ(7月16日)になるだろうと言われています。

 スーパーアグリは次戦ヨーロッパグランプリでの第3ドライバーに、前ルノーのテストドライバー、フランク・モンターニュを起用し、金曜日のフリー走行セッションでは3台の現行型マシンSA05を走らせ、佐藤琢磨と井出有治をバックアップするようです。しかし、現行のSA05の改良に執心するあまり、より重要なオリジナルマシンSA06の開発がさらに遅れることを警戒しています。
 鈴木亜久里代表は「いまのウチのチーム力では、両方のマシンを並行して開発するのには無理がある。資金の負担もあるし、今後は新型車のほうにより力を入れざるを得ない」と語っており、これにより今週のシルバーストーンでの合同テスト不参加を決めました。

 ところが、ここへ来て開発中の新型車SA06に関する、新しい事実が明らかとなりました。ホンダがその開発に大きく関わり、完全な新型車になると思われていたSA06が、実は一部現行の旧アロウズのマシンを流用せざるを得ないようです。
 スーパーアグリの財政担当役員であるウェイン・ハンフリーズは「多くの期待にもかかわらず、このマシンが完全に新設計の物という訳にはいかないだろう。ある程度は、やはりアロウズのものを流用せざるを得ない。もちろん、見た目は全然違うものに見えるだろうが」と、チームの困難な財政面を預かる苦しい胸の内を明かしました。

 このニュースはかなり残念なニュースですね。現在は4年落ちのマシンを改良した即席マシンでの戦いを余儀なくされ、2台のマシンは毎戦テールエンダーで、まともにライバルチームと戦うことすらできず、ただコースを周回しているだけという厳しい状況が続いていますが、チームオリジナルの新型マシンSA06が投入されれば、少しはマシになってミッドランドやトロロッソあたりとは互角にやり合えるだろうと期待していましたからねえ。新型マシンも一部アロウズのものを流用するとなると、今シーズンはこのまま最終戦まで、大きな飛躍はできそうにないですね。

 しかしまあ、以前2月15日付のVoiceでも書いたように、おそらくスーパーアグリは本来なら来シーズンからF1に参戦する予定だったものを、シートを失った琢磨を救済するために1年前倒しして今年から参戦することになったと思われるので、そう考えれば、今年は一応参戦はしているものの練習や学習のシーズンと言うことで、琢磨にしても1年浪人するよりは、テールエンダーでも一応現役ドライバーとしてレースに参加することでドライビング感覚をある程度維持することができますから、今シーズンは大いに学んで、来シーズンの糧にして欲しいですな。



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 厳しい立場に立たされた井出有治
2006年04月26日(水)

 先週末に行われたF1第4戦サンマリノグランプリ決勝の1周目で、トロロッソのクリスチャン・アルバースとスーパーアグリの井出有治が接触し、アルバースのマシンは5回転しながらコースオフし、さらにひっくり返った状態でグラベルに落下するという大きなアクシデントに見舞われました。幸いアルバースに怪我はありませんでした。
 一方の井出も接触のあと左フロントのサスペンションがダメージを受け、その後リアサスペンションにも問題が発生してリタイアに終わりました。
 両者は審議対象となり、レース後スチュワードによる事情聴取が行われましたが、井出に対しての戒告処分のみにとどまり、次戦のヨーロッパグランプリでは、井出はペナルティを受けることなく、予選で勝ち取ったそのままのポジションからスタートできることになりました。

 アクシデントはスタート直後のオープニングラップ、ビルヌーヴシケインを抜けていく途中で起こりました。最後尾だった井出が前をゆくアルバースを追い抜こうとしてアルバースのイン側に入り込みますが、アルバースがレコードラインを維持したままイン側に寄ってきたため、アルバースの右リアタイヤが井出の左フロントタイヤに乗り上げ、そのはずみでアルバースのマシンは宙を舞い、5回転しながらコースオフし、最後は裏返しのままでグラベルに止まりました。

 このアクシデントについて、アルバースは当然のように不満が爆発し、「スーパーアグリのドライバーたちはレースで僕らを押さえるため、スタートで僕らの前に出ようとしてあまりにもアグレッシブな動きをしすぎる。これまでもそうだった。彼らはリスクを犯しすぎるよ。今日はそれがどれだけ危険なことになるのかがはっきりした。こんなやり方は僕には理解できない。」と井出と佐藤琢磨を激しく非難しました。琢磨はこのアクシデントに直接関わっていなかったのですが、2人はレース序盤のアクションが攻撃的かつ野心的すぎると語っています。

 一方、井出は「第2シケインの進入で僕がアルバースの内側にいて、彼のほうが少し前にはいたんですが、ちょうどこっちのフロントタイヤが彼のマシンのリヤタイヤの前に入り込んでいる形。僕的には並んで立ち上がる感じで勝負する状況だと思ったんだけど、結果的に彼はレコードラインを守り続けたので、僕のフロントタイヤに向こうのリヤタイヤが乗り上げる形で接触してしまいました。彼の気持ちとしては自分のほうが前にいるから引いてもらいたかったみたいですが、僕は僕でそこで無理に前に出ようとは思わなかったけど、あそこで引く状況でもなかったので……」とコメントしていました。

 コントロールタワーでの事情聴取では、お互い良くあるレーシングアクシデントということで険悪な雰囲気になることはなかったようですが、井出はスチュワードから「確かに内側にいるのは分かるけれど、半分前にいるクルマがイン側にクルマ1台分明けてくれるとは思わないほうがいい」とアドバイスされたそうです。

 井出はここ4戦まで、マシントラブルなどにより十分なテストを行うことができず、マシンに慣れるための機会を十分に与えられないと言う状況で初めて走るコースでのレースを余儀なくされているわけですが、同じマシンに乗る佐藤琢磨と比べてレースタイムが2〜3秒以上も遅くミスも多いため、海外の一部マスコミやF1関係者の間で、さらにはスーパーアグリのチーム内でも井出のパフォーマンスを疑問視する声が囁かれており、その立場はサンマリノグランプリ開幕前ですでに厳しいものでした。
 しかし、汚名返上の機会として与えられるはずだったグランプリ直前のシルバーストーンでのテストでも、井出はマシントラブルのため走り込むことができず、またもぶっつけ本番となってしまったサンマリノグランプリで今回のアクシデントを起こしてしまい、状況はますます悪化してしまいました。

 そして、井出の立場をさらに厳しいものにしてしまったのが、井出のアクシデント後の態度でした。井出はアルバースに対して謝罪の言葉は一切なく、「アルバースは単純に彼は僕が引くだろうと決め付けられていたみたい。ちょっとナメられてたのかな?」と語り、自身の正当性を主張していました。

 この井出の振る舞いに対し、元ワールドチャンピオンのニキ・ラウダが「FIAは井出に対するスーパーライセンスの発給を考え直したほうがいいんじゃないか。」と彼のミスを認めない姿勢を厳しく批判しました。
 さらに伝説のドライバー、スターリング・モスも「FIAはもっと下手なドライビングについて出場停止など厳しい処分を行うべきだ。無謀なドライビングをした井出に対しては、処分があって然るべきだ。悲しむべきは、F1ドライバーのレベルが下がってしまっていることだ。F1という最高峰のカテゴリーがダメなら下はもっとダメになる。今カートレースを戦う若手ドライバーの中には、他のマシンを無理矢理押しのけるような乱暴な行為をするものがいる。早く何か手を打たないと、レースにふさわしくないドライバーばかりが横行するようになってしまうよ、」と持論を展開していました。

 逆にアルバースの方は、レース直後の激しい怒りから一転して「確かに井出は今回の行為について反省すべきだけれど、これでスーパーライセンスを取り上げるとかいう議論は間違っていると思うな。どんな新人だってミスをすることはあるんだ。でも若い能力にはもう一度チャンスが与えられるべき。井出だってもちろんそれに値するよ」と、寛大な発言で井出を擁護する発言をしています。ちなみにアルバースはまだ27歳名のに対し、井出はすでに31歳の遅咲きルーキー。

 僕は個人的に今回の一件は、先の24日付のVoiceでも述べたように、井出の方に否があったと考えています。あの状況では、井出はアルバースのオーバーテイクを断念し、外側に進路を取るか、あるいは減速して追突を避けるべきだったと思います。井出自身も自分のF1ドライバーとしての立場が非常に厳しい状況であることはわかっているはずなので、何とか良い結果を出してアピールしたいと焦っていたのだと思いますが、だからこそ無理して最悪の結果を招いてしまうよりは、冷静になって、まずは完走を目指して欲しかったですね。

 井出は十分走り込むことができないままでのレースを余儀なくされているから、今の状況でミスが多いのは仕方がないという同情の声も中には挙がっているようですが、やはり何度も言っているようにF1の世界は結果がすべてですから、チーム内の事情などレースでは関係ないんですよね。
 スーパーアグリは来週のシルバーストンテストがキャンセルになり、またしても井出は貴重なテストのチャンスを失っってしまうことになったわけですが、次戦ヨーロッパグランプリに向けて、気持ちを切り替えて欲しいものです。



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 トヨタ、ガスコイン更迭を語る
2006年04月25日(火)

 今月5日付のVoiceでもお伝えしました通り、突然マイク・ガスコイン元テクニカルディレクターを解雇して、チーム内外に大きな衝撃をもたらしたトヨタですが、そのガスコイン更迭について、TMGの木下美明モータースポーツ部長兼TMG副社長が、先週末のサンマリノグランプリで初めて口を開きました。それによると、チームの公式発表にもある通り「開発を巡る哲学の違い」が最大の要因であるとのことです。

「ガスコインとの基本的な考え方の違いは私が2年半前にモータースポーツ部長に就任した時点から感じていました。その意味ではお互いにガマンを続けてきた部分もあったので、正直、良くここまで持ったなという気持ちすらします。例えば開発の方向に関して5つの可能性があったとしたら、我々の考え方はその5つをすべて平行に試して、その中から本当にベストなものを見つけ出していくというモノですが、ガスコインは彼のF1での経験に基づいて、その中から1つの方法を選択し、そこに全力を傾けるというものでした。実際、彼がチームに来た時点でTMGには十分な経験もなく、混沌とした部分がありましたから、彼のようなカリスマのある人物がそうした経験に基づいて決断し、ものごとの優先順位を決めていくという部分でのメリットは大きかったと思います。しかし、チームが今のレベルに来たからには、経験だけで1つの可能性に絞り込んで、他の可能性を捨ててしまうのではなく、より幅広い方向性を持ってマシンの開発を行っていく必要がある。そういう部分でお互いの考え方が違うことがハッキリしたため、このままの形で続けていくことはできないと判断したのです。」

 要するに、ガスコインが加入した当初は、まだチームに十分な経験がなかったので、彼の今までの経験に基づくやり方は開発を進めていく上での大きな牽引役となったが、トヨタも経験を積み、自分たちの力で物事を多角的に考えられるようになったので、ガスコインの単一的なやり方がウザくなったので首を切った、ということですね。

 個人的な意見ですが、トヨタのそうした傲慢で虚栄的な体質が、世界トップクラスの自動車メーカーでありながら、F1で5年の歳月を費やしても未だ勝利を挙げられない大きな要因になっているのではないでしょうか。
 トヨタは目先の刹那的な結果にとらわれすぎているんですね。そしてガスコインを切り捨てた今、マシン開発の牽引役を失い、今後の開発では様々な可能性にとらわれすぎて迷いが生じ、方向性を確立することは難しくなるでしょう。それでもトヨタは「我々のやり方が正しいのだ」とうぬぼれ続けるのでしょう。

 トヨタは現在参戦しているF1チームの中でも特に企業色の強いチームですから、社員のリストラのように「結果が出せない」「良いものが作れない」となったときに、その責任を外部のものに押しつけて、首脳陣はまったく責任を感じてはいないのでしょう。
 今回のガスコインの一件だけでなく、参戦2年目の2003年にも、参戦1年前から開発やテストに携わりチームに貢献してきたミカ・サロとアラン・マクニッシュの両ドライバーを、いともバッサリと切り捨ててしまいましたからねえ。入れ替わりで加入したクリスチアーノ・ダ・マッタとオリビエ・パニスも2004年シーズンを以てドライバーから外され、現在のラルフ・シューマッハとヤルノ・トゥルーリ体制になっています。これでは継続的なマシン開発などできるわけないですよね。

 F1で成功するには、フェラーリや数年前のマクラーレンのような、長いスパンを見据えた“継続性”が重要であると僕は思います。またマシン開発に関しても、経験に基づいた“確固たる方向性”が効率的な開発力に繋がっていくと考えます。ですからトヨタのように結果が出ないからといってコロコロと体制を節操なく変えてしまったり、いくつかの可能性の中から幅広く開発していくなどと悠長なことを言っているようでは、いつまで経ってもトップチームになどなれないわけですね。

 ちなみにガスコインの後任に関しては、技術部門全体の統括に関してパスカル・バセロンを充て、永島勉モータスポーツ部門マネージャーとのコンビで運営していく方針で、今のところ外部から新たな人材を招くことは考えていないそうです。
 TMGのジョン・ハウェット社長は「全体的には、パスカル・バセロンがガスコインの仕事を引き継ぐことになるが、彼がその後任のポジションという訳ではない。すでにわがチームはそうしたカリスマなしに、組織全体で作業が進むようなシステムになっているからね。ガスコインが去ったとしても、それで何かチームが大きく変わるということはない。」と語っています。

 いっそのこと、ドライバーも社員から起用してみてはいかが?



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 F1第4戦サンマリノグランプリ(決勝)
2006年04月24日(月)

 昨日の日曜日は、F1第4戦サンマリノグランプリの決勝が行われました。ポールポジションからスタートしたフェラーリのミハエル・シューマッハはスタートでトップを守り周回を重ねますが、1回目のピットストップの後ペースが落ち、4番手スタートから2位に順位を上げてきたルノーのフェルナンド・アロンソに追いつかれ、昨年のサンマリノグランプリとまったく逆の立場での接近戦を繰り広げました。

 両者は第2スティントで長い間テール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げていましたが、後ろのアロンソがタンクに燃料を残した状態で先に2度目のピットインに入り、シューマッハのピットインによって前に出る作戦に出ました。ところがシューマッハもすかさず翌周にピットインし、またアロンソのアウトラップがそれほど速くなかったため、シューマッハはピットクルーの手際の良さにも助けられてピットアウト後も見事にアロンソの前に出ることに成功。
 2度目のピットインでアロンソの前に出られたのは、シューマッハにとっては大きな価値がありました。ペースは明らかにアロンソの方が速かったのですが、フェラーリは直線では速かったのでアロンソもスリップストリームに入るまでにはいかず、しかもただでさえコース幅が狭く抜きにくいサーキットで相手は巧者シューマッハ。さすがのアロンソも最後までシューマッハをパスすることはできず、そのままシューマッハが最後までアロンソを抑えきり、昨年アメリカグランプリ以来久々の優勝を手にしました。

 シューマッハの走りも見事でしたが、今回はフェラーリのチームワークの素晴らしさを改めて見せつけられましたね。そもそもフェラーリはここ本拠地できっちりとマシンを仕上げ、そしてシューマッハもティフォシの期待にしっかり応えてポール・トゥ・ウィンという最高の結果を出したところに、フェラーリの底力を感じます。やはりティフォシの力は絶大なんでしょうねえ。フィアットのルカ・モンテツェモロ社長も来ていたので、フェラーリにとっては天覧試合のようなものですからね。シューマッハの2回目のピット作業があとコンマ5秒遅かったら、まず間違いなくアロンソに前を行かれていたことでしょう。シューマッハが昨年サンマリノでのリベンジを見事に果たしました。

 3位にはマクラーレン・メルセデスのモントーヤが入り、フェラーリのもう一台フェリペ・マッサが4位。ライコネン、ウェバーと続き、予選2番手だったバトンは7位、予選3位だったバリチェロは9位ポイント圏外に終わりました。

 先ほどフェラーリのチームワークの素晴らしさを述べましたが、逆にホンダのピット作業は最悪でしたね。14、15周目に、バリチェロ、バトンが相次いで最初のピットインに入りましたが、バリチェロは給油に手間取り、その後のバトンも右リアタイヤの装着に手間取り、2台とも大きくタイムロスして順位を落としてしまいます。さらに30周目、バトンの2度目のピットインでは、給油作業が完全に終わる前にロリーポップが上がってしまい、バトンはノズルがマシンに刺さったまま発進。いったん止まって再発進しましたが、ノズルがホースからちぎれてホース内に残っていた燃料が飛び散るという醜態をさらします。飛び散った燃料に引火したら火災を起こしてしまう危険なシーンでした。これでバトンは8番手に後退。

 何だかシロウト集団のようなピット作業でしたね。しかも1レースで3度もミス、そのうち1つは単純なミスでありながら非常に危険なミスと、プロのF1チームにあるまじき失態です。コース上で1秒差を縮めるのが非常に困難な現代のF1で、ピット作業のミスであっという間に何秒もタイムロスして順位をとしてしまうわけですから、必死にレースをしているドライバーはたまったもんじゃないですね。ホンダにはいい加減ピット作業ぐらいまともにこなせるようになって欲しいものです。速いマシンや壊れないエンジンを作ることよりも、よっぽど簡単なことだと思うんですけどねえ。

 そして我らがスーパーアグリですが、今回は何とスタート直後のビルヌーヴ・シケインで井出有治とミッドランドのクリスチャン・アルバースが接触。アルバースのマシンは大破してセーフティカーが導入されます。井出も接触のあと左フロントのサスペンションがダメージを受け、その後リアサスペンションにも問題が発生してリタイアに終わりました。
 井出は「シケインの立ち上がりでアルバースがレーシングラインにいて、彼のクルマを避けることができなかった」と接触時の状況を語っていましたが、追突されたアルバースは井出に対して怒りを露わにしていました。
 今回の井出くんは、ちょっと強引すぎましたねえ。スタートで前に出たかったのはわかりますが、あの状況でアルバースのインに入ろうとするのは無謀です。上空からの映像を見ても、明らかに前にいるアルバースのインには入り込む余地はありませんでしたからね。井出くんはアルバースを避けてアウト側に進路を取るか、減速して追突を避けるべきでしたね。いずれにしても今回の一件で、井出くんのチーム内での評価はさらに下がってしまうこととなってしまいました。

 一方の佐藤琢磨は最後尾ながら順調に周回を重ねていたのですが、レース終盤、中継カメラがシューマッハとアロンソの熾烈なトップ争いを追っている間に、いつの間にかスピンアウトを喫して人知れずリタイヤしていたようです。これでスーパーアグリはデビュー4戦目にして初めての2台リタイヤとなってしまいました。速さはないにしても、エンジンやマシンの信頼性は問題なかったようなので、琢磨も井出くんも不用意な接触やスピンによって完走を逃してしまったのが悔やまれますね。厳しい状況は今後もまだまだ続きそうです。



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 F1第4戦サンマリノグランプリ(予選)
2006年04月23日(日)

 昨日土曜日はF1第4戦サンマリノグランプリの予選が行われました。僕は昨日土曜日は藤沢で行われた結婚式に参列していたので、予選の模様は録画で観ました。

 さあ!来ましたねえミハエル・シューマッハ!1994年、アイルトン・セナがいなくなったサンマリノ・イモラの地で、ついにミハエル・シューマッハが最後の歴代最多記録、セナの持っていた最多ポールポジション記録を塗り替え、史上最多66回目のポールポジションを獲得しました。これでシューマッハは、史上最年少記録や史上最速記録などすでに記録更新不可能なものを除く、すべての史上最多記録を塗り替えたことになります。セナの思い出の地で、そしてフェラーリの本拠地できっちり結果を出してくるところが、やはりシューマッハのすごいところですね。

 さて、予選を順に振り返っていきましょう。まず6台が脱落する1次予選で脱落したのはスーパーアグリの井出有治と佐藤琢磨、ミッドランドのクリスチャン・アルバースとティアゴ・モンテイロ、トロロッソのスコット・スピード、そして残る1台はレッドブルのクリスチャン・クリエンでした。クリエンは終了直前にもアタックを試みましたが及ばず、途中でピットに戻り、17番手でトロロッソのビタントニオ・リウッツィよりも早く姿を消すこととなりました。

 続いて2次予選、トップチームが早々に好タイムをマークし、残り時間が少なくなっていく中、1分23秒後半のタイムを出してピットに戻っていたルノーのジャンカルロ・フィジケラは当確ラインぎりぎりの10番手でしたが、終了間際にウィリアムズのマーク・ウェバーが5番手に飛び込んできたため、地元のフィジケラが脱落する波乱の展開となりました。9番手のルーベンス・バリチェロと10番手のファン・パブロ・モントーヤが同タイムで1分23秒760とフィジケラからコンマ011秒の僅差だったため、新型エンジンで臨んだフィジケラには悔いが残ります。また、BMWザウバーの2台、ウィリアムズのニコ・ロズベルグ、レッドブルのデビッド・クルサード、トロロッソのビタントニオ・リウッツィが最終予選に進めませんでした。

 そしていよいよ最終予選。まず先陣を切ったのは地元フェラーリの2台でした。フェリペ・マッサとミハエル・シューマッハはワンツー態勢を築き、それぞれ自己ベストを更新しながら順調に周回を重ねていきます。そして残り時間が10分を切り、ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロのホンダ2台がニュータイヤを装着してアタックを開始。またフェラーリの2台も同時にピットに戻り、同じくニュータイヤでコースに復帰。バトンが出したタイムをシューマッハが大幅に上回ります。

 予選終了まで5分、ここでルノーのフェルナンド・アロンソ、マクラーレンのキミ・ライコネンがタイヤ交換を行ない、1回のみのアタックを試みます。早くに動いていたフェラーリとホンダ勢は再びニュータイヤに履き替えて2度目のアタック。シューマッハが1分22秒795を叩き出しトップ。2番手に飛び込んだのは1分22秒988のバトン。チームメイトのバリチェロも1分23秒282で3番手。アロンソはタイムが伸びず5番手に終わり、シューマッハが故アイルトン・セナの記録を更新して史上最多66回目のポールポジションを獲得しました。

 というわけで、ミハエル・シューマッハがティフォシの前で嬉しいポールポジション、それにバトンとバリチェロのホンダ勢が続き、ディフェンディングチャンピオンでポイントリーダーのアロンソが4番手となりました。トヨタのラルフ・シューマッハを6番手に挟み、モントーヤとライコネンのマクラーレンが8位9位でした。

 今回ばかりはシューマッハが最後までトップでチェッカーを受けそうですね。昨年もここサンマリノでライバルより2秒以上速いペースで首位アロンソと壮絶な攻防戦を繰り広げましたからねえ。そしてここサンマリノはコース幅が狭く、非常に抜きにくいサーキットとして有名。明日の決勝スタートでシューマッハがトップを守ったまま1コーナーを抜けていったら、昨年アメリカグランプリ以来となるシューマッハの優勝は固いと思います。

 2番手3番手にはバトン、バリチェロが入りましたが、ホンダではちょっとシューマッハについていけないでしょうねえ。ホンダは決勝のペースがあまり良くないですからね。その後方にもう一人の優勝候補であるアロンソが控えていますが、ルノーはスタートダッシュに定評があるので、スタートであわよくばホンダの1台を食って3位に浮上できれば、何とか表彰台には登れるのではないでしょうか。ただ、2番手にバトンがいるので、バトンにフタをされている間にシューマッハがどんどん逃げていき、仮にアロンソがバトンを交わして2位に浮上したとしても、シューマッハを追撃するまでには至らないでしょうね。

 ただ、アロンソはここまで全戦で優勝2回を含む表彰台に登っているので、チャンピオンシップを考えれば直接のライバルであるライコネンとフィジケラが後方にいるので、今回は優勝できなくても問題はないでしょう。



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