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■ スーパーアグリは、男のロマンである
2006年06月22日(木)
イケメンばかりに目が行っているようなチャラチャラしたF1ファンにはわからないであろうが、スーパーアグリは、男のロマンである。
……いや、女性でも男臭さの分かる人は大歓迎!ウフッ!
それにしても、改めて思い返しても鈴木亜久里は、とてつもないことをやってのけたなとつくづく感心しますね!まさに「マツダイラ」を地で行く大胆さ!(……と、さりげなく自分の作品をちゃっかりアピール)もちろんホンダから放出された佐藤琢磨の受け皿として、ホンダも罪悪感と日本のF1ファンからの風当たりを気にしてか、急速に作り出された即席チームではありますが、それを踏まえても日本人によるプライベートチームが誕生するとは、夢にも思っていませんでしたからねえ。
鈴木亜久里は現役時代、日本人として初めて3位表彰台に登るという輝かしい成績を残していますが、それ以外ではどうも自分のミスでリタイヤした時とか「電気系統のトラブル」などと言い訳が多く、実際解説者としてテレビ中継に出演していた時も、あるドライバーが自分のミスでリタイヤし、複雑な表情でピットガレージに戻っていく姿を見ながら「こう言う時ドライバーって、どうやってチームに言い訳しようかと考えたりするんですよね〜」などと発言したり(あんただけだろw)、オートバックスのCMでも妙に気取っていたりと、どうもうさん臭い印象が強かったんですが、さすがに昨年11月1日のF1参戦発表の時は、鈴木亜久里を見る目が180度変わりましたね!
……いや、もちろん「スーパーアグリ」というチーム名には、確かに「なんだかなあ〜」と思いましたよそりゃ……。考えてみればインディシリーズの自チームも「スーパーアグリ・フェルナンデス」ですし、日本での自チームである「ARTA」だって、「オートバックス・レーシング・チーム・アグリ」の略ですからね。「ART」でええやん……普通は最後「チーム」で終わるもんだろ……何でわざわざアルファベットを4文字にしてまで最後に「アグリ」を付けるかなあ……などと思ったりもしましたよ。
でもね、それでもやっぱり、F1というモータースポーツの世界最高峰の舞台で、自分のチームを率いて参戦するというのは、やっぱりすごいことですよ!立場的には、規模は違えどフェラーリのジャン・トッド、マクラーレンのロン・デニス、ウィリアムズのフランク・ウィリアムズ、ルノーのフラビオ・ブリアトーレといった名だたる名物チーム監督らと肩を並べているわけですからねえ。しかも自分の名前を冠しているチームの代表ですから、「スーパーアグリ」という恥ずかしい名前は、否応なしに世界中のF1ファンに知れ渡ることになるわけですよ!
日本語に訳せば「すごい亜久里」ですぞ皆さん!
そのチーム名が何よりもすごいわッ!
何だか「すごくつおいッ!」とハッタリかましてるようですわッ!
近所のスーパーマーケットとはわけが違いますぞ!
こんな事をやってのけたスーパーアグリを、男のロマンと言わずして何と言う!
あまりにも準備不足でF1に参戦しようとしたばっかりに、資金が集まらず、エントリー手続きでもたつき、要らぬ苦労をするハメになり、無事エントリーできてもマシンは4年落ちで、毎戦最後尾の常連で、直接的なライバルであるミッドランドに周回遅れにされることもあったり、2台完走もままならないと、スーパーアグリのここまでのシーズンは、デビューチームであることを考慮しても、あまりにも厳しい状況が続いています。 僕も開幕当初は、こんなに悲惨な状況になるのだったら、十分準備が整った状態で、万全の体制で来シーズンから参戦すれば、もっとまともにレースができる状況でデビューシーズンを迎えられたのにと思いましたよ。
でも、よくよく考えてみたら、もしスーパーアグリが今年から参戦していなければ、参戦そのものができなかった可能性が非常に高かったんですよ。当時のVoiceでも書きましたが、僕は初め、スーパーアグリが無理をして今シーズンからの参戦に踏み切ったのは、単にホンダから放出された佐藤琢磨を現役ドライバーとして維持させるためだと思っていました。しかし、スーパーアグリは、何が何でも今シーズンから参戦しなくてはならなかったんですよね。
鈴木亜久里はドイツのメディアに対して、次のように語っていました。「無理して今シーズンからのF1参戦を果たしたことを後悔していない。もしわれわれがみんなと同じ、普通の方法で参戦しようとしていたなら、おそらくウチは認められなかった部類だと思う。だから、かなり無理したとはいえ、今シーズンのうちに参戦を果たしたことは正解だった。今年入ったことが重要なことだったんだ。なぜならこれでもうスーパーアグリは今後に向けて安全なポジションを確保したんだからね。」
そう、2008年から新しいコンコルド協定が発効する関係で、2008年からのチーム枠は全12枠までに制限され、現時点でスーパーアグリを含む11枠がすでに埋まっているため、残る1つの枠を巡って、10チーム以上のチームがF1参入に名乗りを挙げました。しかし、おそらくスーパーアグリよりも多くの資金があると思われるそれらのチームの中で2008年からの参戦枠を得たのは、スーパーアグリよりはるかに資金力も経験もあるとみられるプロドライブただ1チームだけ。スーパーアグリがF1参戦を来シーズンに先送りしていたら、鈴木亜久里自身が語るように、まず最初のうちに足切りされてしまうのは間違いないでしょうね。
亜久里さんッ!アンタすげえよッ!伊達に変わった名前じゃないよッ!闇雲に「今年から参戦してぇ!」と無茶なことを言ってたわけじゃないんだッ!オレはアンタに一生……いや、F1の世界にいる限り着いていくぜッ!
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