うやむや日記...はとぽ

 

 

春の雪。 - 2005年11月16日(水)

「私は牢に入りたいのです。女の囚人はどんな着物を着るのでしょうか。そうなっても清様が好いてくださるかどうかを知りたいの」

映画を見に行きましたー。
まあ大体あんなもんだろうと思ったですが、削られてて切なかった台詞ナンバーワン。子を始末しろと迫られて、懲役に行かなくてはならなくてよ。というあたりからのシーンはばりばり削られましたね…。
このあたりから、聡子の存在はどんどん重く美しく澄明になってゆくのだと思ったので。映画ではなんとなくずうっとありきたりな女性だったなあ。剃髪の場面も大好きなのになかったしな(無茶言うな)
男を追い返したあと襖の向こうで泣くのはちょっとげんなりしたなりー。
私はあの場面ではもう、聡子はそういう観念を超越しているものだと思っているからですが。天の衣を着せ掛けられたかぐや姫のように。

でもどっちかっていうと私が凄く終盤の二人で思い出したのは紫の上と光源氏で、というか紫の上がフェイントで出家しちゃったらあんなんになるんだろうなー源氏。
紫の上は晩年出家を志して何度も願い出るのだけど、源氏は自分がさびしいからずっと許さないのです。それをとうとう叶えないまま紫の上が死んでしまって、後悔する源氏がせめてと御遺体の御髪をけずってさしあげるあたりが最高ろくでなしで私は大好きです…。うわー超自己満足ー。
まあ女君たちは彼女以外誰も彼も源氏を置いてとっとと出家しちゃった印象ですがね!(でも本人は出家とかしない)
まあ清顕もあのキャラで、聡子を追って出家するとは思えません。


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まぼろしのまち。 - 2005年11月15日(火)

わたしの家は新宿から二十分ほど山へ行く電車に揺られたところにあります。
わたしの家までの道はまた少し線路沿いに新宿の方角に歩いて、坂をくだって帰ります。
最近寒くなって空気がすんできたからか、暗くなってからは遠く遠くに新都心に林立するビルの灯がきらきら光って見えることに気が付きました。
最初は星のような光がいっぱいに地平近くに積まれていると思って、自動車のライトや近くの街灯を避けて目を凝らしました。
家に向かって坂をくだっていくとどこかでふっと見えなくなってしまう、おもちゃのような、街の灯の話です。


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