軍事教練の最終日、朝寝坊してしまった。起きたら宿営地にテントを張っているのは自分だけだった。ぼんやりとした頭で考える。そう言えば最終日だけ撤収時間が早まると昨晩教官が言っていたような気がする。テントやシェラフを背隱に詰めながら思い悩む。仲間達に追い付いて教官に謝罪するか、このままバックレて田舎へ帰ってしまうか...。
深夜、台風が近づいている。村では台風亀が大量発生している。台風の直進を免れる為に男衆は神社にお供え物を届けようと夜道を軽トラで爆走する。ヘッドライトの灯す中に台風亀が蠢く。軽トラは台風亀をひき潰しながら社を目指す。私は荷台にしがみつきながら漆黒の闇夜を睨んでいる。
近所の市立体育館前で生活用品武術大会が開かれた。体育館の片隅に山積みされている様々な生活用品の中から手頃な武器を探す。私は物干し竿の先端に出刃包丁を取り付けた手製の槍で戦うことにした。試合はくじ引きで選ばれた対戦でトーナメント式。暫くすると私の番がやって来た。対戦相手は白髪の老人で武器は洗濯ロープの先に箪笥をくくりつけた物だった。老人は箪笥をブンブン振り回す。これでは槍のリーチが足りない。空を切る箪笥をギリギリかわしながら間合いを詰める。
夕暮れの街中、私は子供用の足こぎ自動車に乗って川向こうの交番を目指していた。交番には昼前スピード違反で取り上げられた免許証が保管されているはずだ。
暗転
知人二人と一緒にZARDのライブに来た。観客達は皆、嗚咽を漏らしている。公にはされていないが、彼女の余命が僅かなことはファンの間では公然の秘密だった。
暗転
床屋のおばさんに襟足を鋭い日本刀で剃り上げられた。死ぬほど怖い。
私は殿様の池を管理していた。殿様の池はとても広くて沢山の魚が棲んでいる。殿様は時々漁を楽しまれる。今日は私の考案した仕掛を薦めてみた。上手く行ったらご褒美が貰える。
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