私は人を殺した。いつどこで誰を殺したかは覚えていない。ただ、ものすごい罪悪感に苛まれている。薄暗い校舎の中をさ迷う。今日から3日間、文化祭が催される。学校近くの土手で私のクラスが合唱の練習に励んでいる。私も参加しなくては...と焦る。クラスメイトは男女合わせても20人しかいない。皆、浴衣を着ている。気付いたら自分だけ迷彩服だ。明らかに浮いている。見上げると空には暗い雲が立ちこめている。小雨が降ってきた。尿意をもよおした私は公衆トイレに向かう。ドアの前で傘を閉じて地面にブスリと突き刺した。ドアを開けると向こう側には見知らぬ人の住居が広がっている。下着姿のおっさんがテレビを見ながら寝転んでいる。
今日は妻子と三人で東京にあるチーバランドへやって来た。チーバランドとは、地殻変動により既に失われた房総半島を広大な土地に再現した食と文化のテーマパークである。私と息子は妻と別行動をとるが、暫くしてとても混雑しているフードコート内ではぐれてしまう。私は一人でスポーツエリアで行われている中学生バレーボール部の全国大会を見学する。女子中学生が屋外コートで、あまり上手ではない試合をしている。彼女達のユニフォームはジャンプスーツのようなテクノ風のデザインで(面白いなぁ)と思った。試合が下手なので千葉市エリアに向かう。途中、大地が大きく波打ち重力の向きもおかしくなった。ふと遠くを見ると、遠近法の狂った巨大な東京タワーや仲見世があった。どんどん進むと南房総エリアへと到着。ビルに入ってみた。中にはレストランや土産物屋が並んでいる。食品サンプルが食欲を誘う。ピーナッツパスタにピーナッツグラタン。土産物屋の菓子類も見て回る。ピーナッツマカロンにピーナッツゼリー。こちらはあまり旨そうではない。人混みに揉まれているうちに気がつくとモノレールの駅にいた。モノレールはチーバランド内に住んでいる人のための物だ。人波に揉まれなからモノレールに乗車していた。緩やかにカーブするレールの遠くにタワーマンションが数棟見える。すっかり夜になっていた。モノレールに揺られながら(千葉市エリアの中央体育館に行かなくては...)と焦る。ドアが開きタワーマンションに押し出される。ここは地上10階辺りだ。下に降りたい。非常階段を駆け下りる。市街地でドローンタクシーを拾う。後部座席には親父と姉が座っている。「チーバランドは閉園後にもう一つだけ好きなアトラクションに乗せてくれるのよ!」と姉。3人はゲートへ向かう。到着。タクシーを降りる。私は体育館で行われているであろうバレーボールの決勝を観に行きたい。親父は姉に甘い。私の希望は何時でも無視される。とてもイライラした。
姉に騙されて怪しげな宗教施設に連れていかれる。高い壁に囲まれた広大な施設内では、農作と牧畜が行われ自給自足の生活が可能らしい。建物の中で讃美歌を歌わされ、聖書の御言葉を学ばされる。積極的にならない私の態度に業を煮やす姉。こんなところに居たくない。信者達の隙を見て脱走を試みる。一つだけの出入り可能なゲートには門番の女が立っている。一人の信者が外から帰ってくる。ゲートが開いた。私は猛ダッシュでゲートに滑り込む。
魔女が孤児達を住まわせている小さな家。季節は真冬。縁の下には大きなガスコンロが設えてある。暖房に使うらしい。魔女は孤児の男の子の指をコンロで炙って火加減を見ている。見ていた私は「そんなことをしなくとも、鶏皮を炙れば十分じゃないか?」と文句を言う。魔女は「それもそうだ。今から鳥喜に行って鶏皮を買ってきなさい」とやけに嬉しそうに言う。
暗い教室。後ろの席で授業を受けている。ノートが終わってしまった。苛められっ子のNがルーズリーフを数枚分けてくれる。とても偉そうな顔をしている。気に食わない。授業が終わる。ホームルーム。担任が、登校拒否中の女の子の家まで皆で励ましに行こうと提案する。私は内心(お節介なことだ)と思ったが、多数決で行くことになる。女の子の家は山の中腹にある。要塞のような屋敷だ。内装はゴシック調。召し使いが何人もいる。女の子は生まれつきの盲聾だった。父親の話によると、母親が妊娠中に悪意を持った看護師によって毒薬を注射されたのだそう。生徒は一人づつ励ましの作文を読み上げる。父親はそれを指文字で女の子に伝える。私は(女の子は可哀想だが、自分には関わりのないことだ)と冷め切った目で眺めている。
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