* たいよう暦*
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人気のなくなった斎場で、ぽつりぽつりと言葉をかわしました。
思っていたより気丈にふるまっていた友人は、言葉をかわすといろんな思いがその内にあふれていて、それを聞いていると胸がつまってきて、ただ、ぽつりぽつりと続く言葉を聞くぐらいしかできなかった。 こういう時に、かけるべき言葉はほんとうにみつからない。 でも、以前「なにができるだろう」と思っていたときに「ただ、そばにいるだけでいい」と言われた言葉を思い出して、言葉は出てこなかったけれど、その場にいました。
「ふと、このセレモニーはほんとに必要なんんかなあ、って思った。もっと静かに送る方法もあるんやないかって」 と話していた言葉が心に残った。
うまくいえないけれど、本人のためもあるし、これから生きていく人のためでもあるような気がする。
いろんな人へ、連絡をしました。 いろんな人から、連絡が来ました。
日本中を、気持ちがとびかっていました。
私は大阪で、その気持ちを伝えたり送ったりしていました。
いつもと違う声の電話でしたが、「どうかしたの」とどうしても聞けなくて、そのまま、電話を切りました。
ただ、友人が探している人の名を聞いて、もしかして。と思いもしました。 でも、違っていてほしい。という願いが大きかった。
同じように「もしかして」と思った友人が心配して、連絡を取りました。 「違っていてほしい」という願いはかないませんでした。 今日、お父さんが亡くなったそうです。
私は友人のお父さんには、ほとんど会ったことがありません。 でも、友人の話の中で、生き生きとしたお父さんに何度も会ったことがあります。 お父さんっこだった友人は、どんな気持ちの中にいることだろう、と思うと胸がつまりました。
こういう時に、贈るべき言葉がみつかりません。 でも、何かを伝えたくて、考え考え短いメールを打ちました。 メールなんかで伝わることではないけれど、それでも何かを送りたかった。
明日、喪服を出します。
すっごい暑かったり、10年に4回のコースを台風がたどったり・・・。
ヘンな気候だなあ!
いつもなら、「台風」と聞くと秋を思い出すというのに、今年はこれで何個目だ? なんだか、台風慣れしちゃったぞ。
またまた、台風がやってくる。 今度はいつ一番近畿に近づくのかな・・・。
7月のはじめにパリでやった個展が好評だった、おばあちゃんの豆人形展。
奇跡と偶然と縁が重なりあって、なんと、1月に再びパリで個展をすることが正式に決定した。
パリに旅立つ前は、誰もが予想しなかった出来事。 おばあちゃんの「実力」と、おばあちゃんの作品を伝えたいという何人もの人の「気持ち」が生み出した奇跡だと思う。
ワタシに出来る一番最初に出来る「協力 は、「気持ちよく母を送り出すこと」。
それまでに、家事管理能力アップでもはかろうかな。 あ、そうそう。それまでに、父の家事能力も教育しておこう。
1月なんて、あっという間。 またあの豆人形が、海を渡るのだ。 すごいなあ。
ああ、また一週間が始まっちゃう〜・・・・
と、月曜の朝、うんざりしている自分がいる。
すっごい雨と風と雷が、やってきました。
ものの20分くらいだけでしたが、すごかった。
その三つどもえが去っていった後は、まるで秋のようなすがすがしい温度! おおおお!すずしーっ☆
友人にすすめられ、とある展覧会に行ってきました。
何十人もの作品がかざられている合同展。
それだけたくさんあると、個性がきわだち、見ているだけでおもしろい。
おもしろい作品は、よりおもしろく、 つまらない作品は、よりつまらなく、 はっきりきっぱり別れていきます。
これが実力ってものなのでしょう。
子供の頃、すごろくはよくやりました。 わいわい、何人もで一つのすごろくをかこみ、さいころをふって、止まったコマの書き込みに一喜一憂し・・・。 友人おすすめの作品は、その時の気持ちをはっきり思い出させてくれるものでした。
ああ、そうそう、すごろくってこんなに楽しかったよね。
作品にさわらせてもらいながら、「そのすごろく」がやりたくてやりたくて、たまらなくなりました。
この世にふたつとないすごろくをみながら、その個性あふれる作品を、すごく好きになっていました。 自分を表現できる手法を持っていてうらやましいなあ。
マイナスとマイナスをかけたら、プラスになる。
けれど、マイナス(不機嫌)な人とマイナス(不機嫌)な人がいると、どんどん空気が悪くなるだけで、決してプラスにはならなかった・・・
おっかしーなあ〜。数学どおりだったら、雰囲気がよくなってもおかしくなかったんだけれどもなあ・・・!
母がこの間パリに行っていたのは、遊びにいっていたわけではない。 母の親友の母(92才のおばあちゃん)が作った豆人形の個展がパリでされることになり、そのお手伝いに行っていたのだ。
おばあちゃんの作る豆人形は、とても小さく、とても繊細でこわれやすい。 パリで個展をするからといって、荷物便で運べない。壊れてしまう。 これは手荷物で持ち込むしかない。 ということで、善意の友人達があつまり、「人形の運び屋」を買ってでた。 運び屋は15人ほど。その運び屋たちのおかげで個展が開催できたと母の親友は喜んでいた。
おばあちゃんの豆人形。小さなものなのに、とても存在感がある。 味がある。92才を過ぎてなお、表現することを続けているおばあちゃんは、とても素敵だなあと思う。
縁あってパリで個展をひらいたあと、縁あってシラク大統領に一体プレゼントされた。
そして、今日、シラク大統領からお礼の手紙が届いたそうだ。
「貴使は私に対する繊細なご配慮をもって、相撲の力士を表現した紙製のミニチュアをお届けくださいました。 私を感動させてくれたこの友好的行為につき、貴使に対し熱烈に感謝いたします。 今日の、また永遠の日本を創り上げるこれらの人々に、壊れやすい紙の作品によってま たの生命を授けられるマサコ・ムトーさま(おばあちゃんのこと)に対し、私が感服していることををお伝えくださることを希望します。」
一国の大統領からの手紙。 おばあちゃん、とても喜んだそうだ。 そして、その個展を作り上げるのに協力した「素人スタッフ」一堂も、とてもとても喜んでいた。
大勢の人の手を通じて、国境をこえたおばあちゃんの豆人形。 いつか日本で個展をやる時は、必ず見にいきたいなあ、と思う。
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