* たいよう暦*
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はやくも緊張してきました。
どきどきどきどき。
どきどきのあまり、いつもはなかなか準備しないのに、もうやりあげてしまいました。
緊張の度合いが知れるってもんだ。 ふぅ。 どきどきどきどき。
歌よりも「ことば」を聞きに行く感じ。 という友人の言葉がとても新鮮だった。 その言葉づかいに惹かれて、「芸術の秋」がひとつ決定。
たのしみだなぁ。
またしても、台風。 かぜが、ものすごい。 自転車をこいでいると、前にすすめない・・・!
まるで漫画の中のひとコマのようでしたが、ほんとのお話。 自然の力って、すんごいなあ。
関西で生まれ育った私にとって、「湖」といえば「琵琶湖」。 といっても、子供の頃は連れていってもらった記憶はありません。 社会人になってから「琵琶湖を見たことがない」というと、大笑いして友人が連れていってくれたのが最初。 対岸の見えない琵琶湖は、「海だよ」と言われるときっと信じる広さで、それが私の中の「湖」の基準。
今日は「諏訪湖」と「白樺湖」をぐるりと一周してきました。 湖をぐるりと一周。 初めての体験でした。 こうやって、気軽に「ぐるりと」できるのが、いわゆる湖なんだろうなあ。 なんて思いながら、それでもやっぱり「ぐるりと」ができない琵琶湖が自分の中の湖の基準であった私にとって、なんだか、違和感のある一周でした。
対岸が見える。 これって、当たり前なんだろうけれど、それもやっぱり「変な気分」。 琵琶湖って、いまさらだけど、湖として飛びぬけでっかかったんだなあ。
よその土地を訪れて、初めてわかる自分の見知った土地のこと。 旅をすると、そういうものと一緒に、自分のこともいろいろと見えてくる。ような気がします。
いろんな意味で、いい旅でした。 あ〜、楽しかった・・・!
今日やったことと言えば・・・
松本に住んでいる友人と再会してイタリアンレストランでだらだら3時間おしゃべり。 温泉。 明日の朝ごはんを買って、ばんごはんを食べる。
そんな旅としては「薄い」一日だったけれど、 前日の登山の達成感と、 前夜のよっぴいてのおしゃべりと、 友人との久しぶりの再会と、 いい温泉と、 おいしいごはんが揃えば、 味のある一日になりました。
旅先で大雨に降られると、えてして悲しい気持ちになるものだけれど、今日はそんなふうにはちっとも思わなかったなぁ。
旅は明日まで。 あと、一日。
交代で運転をして、目的地に到着。 車を降りると、朝5時のぴん!とした空気。 大阪では感じられない、澄んだ冷たい空気だ。 間違いなく、信州にきたのだなあ、と肌で感じた。
あせらず、あわてず、ゆっくり仮眠をとってから山の頂を目指す。 2612mまで一気につれていってくれるロープウエイに乗ると、今にも泣きそうな空に、ガスでけぶった山。 残念だけれど、それでもまだ泣き出さないだけ、まし。 登り始める前に、まずは腹ごしらえ・・・と、友人のリュックから出された朝ごはんを見て、びっくり仰天!そして大爆笑! なんと、顔の半分ほどもある大きな大きなおむすびが、二人分出てきたのだ。 きのうお見送りをわざわざしてくれた方から、友人に託されたおにぎり。 「がんばるんだよ」って励まされているみたいで、なんだか、うれしくなる。
千畳敷カールと呼ばれる、夏は一面お花畑となる道をゆく。 残念ながら、高山植物は時期が過ぎていたけれど、美しい緑が広がっている。 すぐそこの緑は見えるけれど、目指すべき山の頂は、乳白色のガスにはばまれて見えない。 一歩一歩、ゆっくり歩を進めていく。
進めど進めど、ガスはどんどんひどくなるばかり。 まわりの景色は、全然見えない。 自分の足元だけをしっかり確認しながら、歩く。 段々とガスがひどくなり、後ろを歩く友人の姿も、少し離れると見えなくなる。 人より遅くに出発したせいか、行きかう人もほとんどおらず、ただ静かに乳白色につつまれた景色の中を、歩く。 自分ひとりで、この場所に立っているような・・・白い闇。
分岐点では 「こっちかなあ」 「こっちじゃない?」 友人と相談しながら、道を選択して、進む。 今までたった一人でいるような気持ちでいたけれど、すぐ後ろには友人がいるという安心感がわいてくる。
ガスは霧になってきて、髪の毛がしっとりぬれる頃、頂上についた。 もちろん、乳白色のガスでなんにも見えない。 それでも、不思議と達成感があった。 山頂の目印の前で、ぱちり、ぱちり。 記念写真を撮る。二人とも、笑顔。 なにも見えなくたって、いい。 二人でひとつひとつを積み上げて、自分達の手で頂上にたどりついたことが、ただ嬉しい。
山頂は風がきつかったので、少し下った中岳で、塩ラーメンを作る。 朝食べ切れなかったおにぎりも用意する。 塩ラーメンは、駒ヶ根SAで、わざわざ追いかけてローソンの場所を教えてくれたお兄さんのおかげで手にいれることができた。 塩ラーメンを作るコンロは、友人の父からの借り物。 塩ラーメンを入れるコッヘルは、私の山の師匠からの借り物だ。 おにぎりは、お見送りをしてくれた方から私達への贈り物。 二人で登ってきたんだなあ、と思っていたけれど、実は二人じゃなくていろんな人に支えられての登山だったんだなあ、と湯気あがる塩ラーメンや、おいしいおにぎりを食べながら、ほわっとした気持ちがわいてきた。
今までは、つれていってもらうのが「登山」だった。 今回は、自分達の手で、そして支えてもらって、登ってきた。
アルピニスト初心者。 また、ちょっと違う山との付き合い方ができた一日だった。
ずうっと、にらめっこしていた天気予報図。 状況は、どんどん悪くなるばかり。
「予定を早めて、今夜出発しよう」 金曜日のお昼、急遽予定変更が決まった。
ほんとうは、土曜日の朝から、のんびり出かけて、日曜日に登山を決行する予定だった。 アルピニスト初心者の私たちの、ムリのない計画。 でも、このままじゃあ、降水確率80%にはばまれ目的を達成することができない。
仕事を大急ぎで、終わらせ、準備を整え、まずは集合場所まで愛車’すみれちゃん’を走らせる。 急遽決まったばたばたした出発と、初めての初心者二人での登山旅へのスタートに、ちょっとどきどき。
ちょっと緊張したまま集合場所に到着すると、見送りに来てくれた二人がいた。 いつもの笑顔と、いってらっしゃい、の言葉にちょっと元気がわいてくる。
いってきます・・・!
こうして、二人のアルピニスト初心者の旅は始まった。
とてもいい夕焼けを、見た。 心に元気がわいてくるような。
ただ、広い景色を、ぼうっと眺めて。 ただ、落ちていく太陽を、ぼうっとみつめていた。
そんな、心のゆったりするような一日の終わり・・・・になるはずが、自分のささいなきっかけからがらがらと崩してしまった。 「小さな失敗」を重ねてしまった。
反省、反省。
はぁ〜。
毎日、天気予報とにらめっこ。
がんばれ、がんばれ、高気圧!
ごおごおとなる風の音が気になって、あまり寝付けないままむかえた今朝。
昔はこの日は、特別だった。
明日からは友達と、会える。 でも、もう、この夏休みは戻ってこない。
「複雑な気持ち」というのを初めて知ったのは、この8月31日だったかもしれません。
でも、大人になっちゃうと。 きのうとかわらぬ、今日。 今日とかわらぬ、明日。 8月31日でも、なにもかわらない。
うつりゆく「時」を感じるものを失った喪失感。 複雑な思いをしなくなった、安心感。
かわらないことへの、安心感と、失望感。
8月31日。 この日が特別であった日々が、懐かしい。
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