はぐれ雲日記
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ヘアカットに行った。 ”T”という行き付けの美容院だ。ヘア・サロンというより植木屋という感じ? なんでもかんでもチョキチョキ切りたがる。いつかはワカメちゃんみたいな頭にされて突っ伏して泣きたかったときもある。 それでもここへ通うのはひとえに安いため・・・。センスがいいとかカットがうまいとかリラックスできるからとかじゃなくって シャンプー、カット、セットで1800円というリーズナブルな料金だからだよ。 わたしが行くとそこのマスターというかダスターが息子のことや年老いた母親のことなどいろいろと話してくる。 話に興じて夢中になってくると、当たりかまわずカットしまくりだ・・・。植木の剪定じゃああるまいし。 「今日はどうしますか?」と聞かれ、反射的に「マラソンの高橋選手みたいな髪型に。」と思わず 言ってしまった。 可愛く強く美しく。最高のヘアスタイルではないか。でも、いつも○○のようにと頼んでもそうしてくれたためしがない。 ダスターはうなずくと無言でチョキチョキをやりはじめ、まず希望のスタイルとは似ても似つかない頭になっている。 はっきり言って切り過ぎ・・・。 もっといえばセンスが無い。 昨日はたまりかねて「あ、前髪はそのまま!切らないで!」と哀願してやっとその手を止めてもらった。 医者と患者さんのような関係である。 落語の”浮世床”じゃあるまいし、タノムカラいますこし事務的に言われたことだけしてちょーだい。
今日はひさびさの公休。 時間はたっぷりある。そこで、 昨日出し忘れた生ゴミを迷わず果てもなく遠い(?)ゴミ集積所に持って行くことにした。 集積所に近づくにつれ延々と続く車の行列にギョギョッ!川岸の土手の上は粗大ゴミを持ちこむ車でいっぱいだった。
30分経過。 車の中はすっぱいような甘いようなゴミの臭いが満ちてきた。 車の列は少し動く駐車場状態・・・。どーしよ。持って行ったたゴミをまた持ちかえるなんて??。おまえははアホか。。 車はわたしの前に30台。あとにはもっと。 もう押すことも引くこともできずじいっと待つことにした。 仮眠するわけにも行かず、なにか食べるわけにもいかずどう過ごしていいのかわからない時。ゴミ捨てタイム。 一時間15分後ようやっとわたしはゴミの呪縛から開放された。
帰り道、土手の端っこに車を止めて一息いれた。 土手下に古い大きな土管があって回りに秋風に揺れるネコジャラシ。 工事現場と砂山。 小学生の時のかっこうの遊び場。ズロースのゴム部分にスカートのすそをたくしこんで チョウチンブルマーのようにしてすっとんで遊んだ景色だ。 写真をとりたい。でも感動する心ばかりで腕が無いのが悲しい。 「もしもピアノが弾けたなら」の気分。
ラジオのスイッチを入れたら♪恋をするなら命がけ〜。真っ赤な港のひがんばな〜 とハスキーな歌声。 ゴミすてるのもぉ〜いのちがけえ〜。 もおどろもどろー。
今日は雪。(ちっ)みぞれに変わって・・・ぶるる・・・。 石油も残り少ないし、さりとて買いに行くのもしゃくだし・・・
きっと明日はぽかぽか陽気。 えいっ、 もうここは 熱いお風呂に入ってそのあとあったかいおこた。 ぺットボトルに熱い湯う入れて ゆたんぽにして 早いとこ寝ちまおう。 うん。うん。 この3段階で行こう。 どんかくシヤワセ〜ってなもんで、 なんとなく昔のこと思い出したりして・・・。
子どものころはエアコンなんて物は無いから 豆炭火鉢で手あぶりだけしてすぐ木枯らしの吹く横丁へ 飛び出していったっけ・・・。寒さはあまり感じなかった。 お腹がへったころ家に帰って、めざしとか厚揚げ、青菜の煮びたし 白菜のおこうこ・・・そんなもんを腹いっぱい食べて それから家族でゾロゾロ銭湯に行った。
そのころは時計がわりに一日中ラジオをつけていた。 兄弟の体温でだんだんとあったかくなってくる布団の中で 聴くともなしに聴いたのが 落語。 今でも忘れられないのが”粗忽長屋” 本題に入る前の導入部だけど、あのころはめちゃめちゃウケた。
世の中にそそっかしいひと、粗忽者てぇのがおります。 むこうから来る人...誰だったっけなぁ、この頃会ったことがあるぜ、想い出せねぇなぁ... あ、向こうも気が付きゃがった...笑いながらこっちへ歩いてくるぜ...弱ったなぁ... 向こうがこっちを知ってるってのに、こっちが想い出せねぇってなぁ気まずいなぁ... まぁ、しょうがねぇや。聞いてみよう へへっ、こんにちわ...あのー、お見それしやしたが、どちらさんでござんしょう...
バカ、おめえの親父だ!
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