はぐれ雲日記
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2005年11月25日(金) |
ミリオンダラー 生き極楽 |
映画のタイトルから、マギーは百万ドルクラスのボクサーになると思っていたのですが、 彼女の運命は生き極楽から生き地獄へまっさかさまのような過酷なものでした。 全身麻痺、自発呼吸は出来ない、舌を噛み切っても死なせてもらえない。 コーチのフランキーは絶望的な思いで毎日のように、介護に通います。 牧師に相談しても「神のみこころのままに」・・・これですもんね。
重度の障害者になったら、世間の同情、哀れみ、無関心の中で他人に頼るしかない。 えと。こういうことばは使いたくないけど・・・このことば以外に該当する単語が ないので使いますが「献身」これによって生きていく他ないんではないかなあ。 もちろん世間は愛や善意に満ちているわけではなく悪意のほうがまかり通っているカラ フランキーのような人間に愛されているだけでも良しとして生きていかねばならない。 実際マギーには何も与えるものが無いのだから。 でも誇り高いマギーは「尊厳死」を選択します。
しかしながら、そこのところの説得力がおおざっぱだと感じました。 もっとディティールていねいに描いて幕をとじないと、なんだかシリキレトンボ。 ひっぱってごめんなさい。ちょっとつれづれなるままに。
三丁目の夕陽の漫画の中で特にお気に入りは
・木枯らし ・白いエプロン ・幻海紀行 ・湘南電車 ・台風の夜 ・巴里テーラー館 ・蜃気楼 ・桜の木の下で
・・・・かなあ。映画もなかなかだけどやはり原作漫画は海馬のツボを押さえている。 そ。この漫画を読んでいるとクラスのあんな子〜こんな子〜思い出す。
ひよこをかえそうと生卵をお腹で温めてる子
右と左の眉毛がつながっている坊主の子。
ドッジボールでなぜか最後まで生き残るひよわな子
答案用紙に名前を書き忘れて先生に「ななしのゴンベエ」と呼ばれる奴
掃除の時間にカーテンに巻きついてる男の子。
昼休みになると地図帳を広げて見ているやつ。
あのころは中卒でも仕事にありつけた。 今の日本の若者は高校出て健康でやる気もあるのに職業がない。 ニートとかプータローとかひどい物言いじゃーないか。
・・・なんとかしないとね。
2005年11月13日(日) |
スタンド・バイ・ミー |
ロブ・ライナー監督、リバーフェニックス主演の映画。 主題歌はジョン・レノンも歌っており、私はこの歌がとても好きだ。 映画は「E.T]に次いで感動した。次々と新作が発表される中、チャンピオンベルトは譲らずというところだ。 男の子しか出てこない。男の子のロマンが描かれた映画になぜこんなにも惹かれるのだろう。 行方不明の少年の死体を探しに行くという生と死の重いテーマが心の琴線にひっかるのか? 線路の橋を渡っている最中に後ろから汽車が迫ってくるという危機一髪感の印象が強烈だったのか? 狼の遠吠えを聞きながらのおっかなびっくりの草原の野宿が何かを思い出させるのか・・・。
トムソーヤ―の時代から、冒険を夢見る少年時代の果てない夢はいつもあった。 昔少年だったすべての大人がスクリーンに昔の自分を投影して見た名作である。 人々を感動させる要因はいろいろあるが、惹きつけてやまない原因のひとつに 主人公のリバー・フェニックスの演技に負うところが多いだろう
リバーフェニックス。 ヒッピーの両親のもとに育てられる。 リバーフェニックス。 いかにもそれ風の親からもらった名前ではある。 5人兄弟の長男として生まれ、学校教育はいっさい受けさせてもらえなかった。 オレゴンに生まれベネズエラ、ロサンゼルスとジプシーの旅のように住居を変えた。 極貧の中、何が育まれ、何が壊れたのか・・・。 青年期の彼の心は映画の凛々しさとうらはらにもろく、不安定だったようだ。 薬物による中毒死という23才の旅の終わりは胸がつぶれるほど悲しかった。 勇気と暖かさを漂わせた瞳にもう会うことはできない。 悲しいというより、くやしくてくやしくてくやしくてたまらない出来事だった。
去年の冬、次男は近所の川のほとりに友人達と4人でテントを張り一晩を過ごした。 野良犬に吼えられたり、酔っ払いやホームレスの人にからまれそうになったと 後日談を聞いてびっくりした。 夜中に心配になり、暗闇の中を北風に吹かれながら壊中電燈で居場所を探した。 魔法瓶を片手に探し当てたら、露骨に嫌な顔をされてしまった。 あ〜、出番じゃなかった。 男の子のテリトリーは母親が首突っ込んじゃあいけない場所がある。 スタンドバイミーとは友への呼びかけ。 女はおよびじゃないんだと!
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