日々の泡

2011年04月07日(木) ダンボールに入っていたもの

荷物からどどどどっと重いが溢れて来た。
キャベツとトマトと大根とパンと海苔と梅干しと…
野菜はそれぞれ洗って新聞にきれいに包んであった。
地震の後、自宅待機となったわたしにMが送ってくれた荷物。
停電で電車も止まりスーパーなどの店舗も閉じて
食料が手に入りにくかった時に
Mが食料を送ってくれた。
食料が送られてきたことは勿論嬉しい。
けれど荷物の中にはMの
「飢えさせてなるものか」
という気持ちが詰まっていた。
春めいた陽射しの中、ダンボールを開けると光の粒子が飛び出すようにその気持ちはわたしにぶつかってきた。
Mに何かでお礼はできない。
物では返せない。
言葉でも返しきれない。
ありがとうありがとう…
あなたの気持ちを、今度はだれかにわたしが届けて行きます。



2011年03月31日(木) 行け行けバンバン

YouTube - Jeff Buckley-Hallelujah

地震の翌日、
わたしはやっと家へ帰り着いた。
自宅のある地域は地震の後すぐに停電して、翌朝やっと通電した。
家にいた夫は一日経てやっと事態の深刻さを報道で知り、あまりの悲惨さに蒼白になっていた。
わたしたちはふたりでソファにぐったりと座り
原発事故の深刻なニュースを上の空で聞いていた。
どこか遠くの国の事みたいに。
昔見た夢を思いだしているみたいに。
窓外は青い空で
ラジオからは「ハレルヤ…」の歌詞が流れていた。
すっかり終わっちゃったな…そんな感じで。
が!
しかあーしっ!
わが同僚は、帰宅難民と化しやっと翌朝自宅へ帰り着いたというのに、
その足で中伊豆の温泉へ出かけたという。
持っていた割引券が三月いっぱいで使えなくなってしまうので予め予約を入れておいたのだそうだ。
ガッツだぜ…
なんだか尊敬してしまった。
どんどん行け行け
がんがん生きろ…
それが鎮魂になる
それが復興の礎だ!
わたしってへなちょこだ…見習わなくっちゃ…



2011年03月30日(水) 桜咲く

花見が禁止だと。
どこかの知事が 花見を禁止した。
こどもじゃないんだ。
それぞれが
それぞれの時間の中で
それぞれのやり方で
死者の鎮魂を祈り
行方の知れない人々の安否を気遣い
自身の将来と向き合う。
明日の保証のない不安の中で
今日を楽しむ権利さえ奪おうと言うのか?
馬鹿者だ。
あれは。


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茉莉夏 [MAIL]