あれからどっさりと背負い込ませたまま
言葉もない。
賢治の日記にある「賑やかな雪の日」という言葉 懐かしく賑やかな雪の日を思う。 明るく日が照るのに大きな雪が踊るように降りてくる 寡黙であるのに華やいだ陽気な雪たち 賑やかな雪の日 あの雪の昼下がりに戻りたいの? いいや そんでもないんだ 長靴のつま先濡れている ミトンの指先霜焼ける 寒い遠い雪の日。 戻るのはもうやだ… さむいんだもん。 大吟醸の酒粕を網で焼いて焦げ目をつけて ぱらぱらと砂糖を振りかけて 変形甘酒 雪っぽいお菓子 京女の姑の好物
魔女の目覚め 上・下 ヴィレッジブックス デボラ・ハークネス著 中西 和美訳 この物語が売れないわけがない。「ハリー・ポッター」「トワイライト」にもっと大人のニュアンスを加味してちょっと古くなるけど「マジック・サークル」のヒロインのタフさをプラス、で、「ダ・ヴィンチコード」のサスペンスをふりかけてあって…文句を言えば完結してないこと。三部作の第一部。今年夏に次作刊行予定。待てません、わたし。 著者はヒロインダイアナ同様本物の歴史学者。アメリカではワインのエッセイストとしても活躍しているらしい。 本書にもワインがあちらこちらで登場し豊かな背景描写と共に香りと味を喚起する。 マジックサークル」「8(エイト)」のキャサリン・ネビル、「ラビリンス」「悪魔の調べ」 のケイト・モスにも共通して感じることだけれど、現代より過去のエピソード、時代が古くなれば古くなるほどリアリティが増し著者の筆が冴えて行くように思う。 三部作となると中判の次作は中世あたりが舞台となり、最終作は現代で決着というところだろうか。そうなると歴史学者である著者の腕は次作においてマックスに振るわれるのではないだろうか。 キャサリン・ネビルの物語の中にフランス革命から生き続けている女性が登場するものがあるけれど、 歴史をまたいだ壮大なファンタジーを紡ぐこの女性たちは本当は過去から営々と行き続けてきたのではないだろうかと錯覚するほど物語の人々は生き生きと語られている。 著者にはワインのエッセイはしばらくお休みにしてせっせと次作を書き上げて欲しい。
「 石原結実のしょうが紅茶健康法」 石原決実 著 海竜社 胃腸が強くないわたしにはこれが効いた。ティーバッグ普通の紅茶に黒砂糖とすりおろしたしょうがを加えて飲むだけ。 以前より漢方では朝は解毒・排泄の時間帯、その時間帯に必要以上に食物を取り込んでしまうと排泄作業が滞ると言われている。体はまず吸収を優先させるらしい。排泄を促すにはその時間に食べ過ぎないこと。 でも朝食を全く食べないのではわたしのような冷え性は寒くてかなわない。 そこで体を温め代謝を促し免疫を高めるしょうが、茶葉を発酵させ体を温める効果のある紅茶、ミネラル豊富な黒砂糖をブレンドした生姜紅茶はぴったりと合ったのだった。 で、痩せた。わたしは太ってはいないけれどわりとすぐにむくむ。それが改善されつつある。
「暗闇」 コーディ・マクファディン 著 ヴィレッジブックス 「傷跡」「戦慄」に続く第三弾。 コーンウェルが天才と賞賛した著者のFBI女性捜査官スモーキーのシリーズ。 身長148センチ、シリアルキラーに夫と娘を殺害され自身の顔にも全面にわたりむごい傷を受けている。 そんな小さな巨人スモーキーのタフなストーリーには強くて優しい女がたくさん登場する。 男たちがかすむほど。 むごたらしい事件が語られていくけれど、読後感はさっぱり。
「塞がれた声」アレックス・カーヴァ著 新井 ひろみ訳 MIRA文庫 FBI捜査官マギー・オデールシリーズ最新刊。 こちらもタフな女性捜査官。前 作の事件でエボラ熱に罹患?というきわどい状況だったマギー。 今回もスリリングな展開。 アル中の母を抱えた不遇な子供時代、いまだに母との葛藤を抱えながらストレスフルな精神状態で事件と向き合うマギーは、コーンウェルのスカーペッタを彷彿とさせるが昨今すっかりタフさがなりをひそめたケイに比べてまだまだ若く強靱に立ち直る。 どれもこれも次作が楽しみで待ち遠しい。
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