Stand by me,please my friend
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2011年03月20日(日)

本当は今日から東京に行っている予定だった。翌日にあるライヴを観に行くため。年末にアナウンスがあってから、このライヴだけは絶対行くと決めていたものだった。

3/11の地震で状況は大きく変わり、ずっと悩んでいた。行くべきか行かないべきか。関東は計画停電の真っ最中で、コンビニやスーパーでは食料品が品薄になっていると報道されていた。そんな状況の東京にライヴを観に行く為に出かける。物理的には不可能じゃない。食べ物がないなら持って行けば良い。そんな風に思ったときもあったけれど、最終的に行くのをやめた。

一番の理由は家族のこと。もちろん家族は反対で、ここを私が強行して東京に行くのは違うと思った。結果的に何事もなく無事に帰ったとしても、帰ってくるまでの間、家族は心配するだろう。一日中東京の様子を気にするだろう。そんな中で私はたぶん心から楽しめない。そして、演る側からしてもそんな状況で来られるのは本意ではないだろうと。

キャンセルのメールを送る。半日くらいして返事が来た。涙が出た。ずっとついていこうと思った。

ちょうどその日、下北沢の風知空知で行われていたチャリティーイベントがあって、Ustreamで配信していたのでぼんやりと観ていた。うつみようこさんの『満月の夕』。せっちゃんがふらっと現れて、『歩いて帰ろう』と『歌うたいのバラッド』を唄ってまたふらっと帰っていった。主催のタイジさんが話す。我々は負けない。画面の向こうで余震が起こる。「地球が相槌打ってるんや」。この人の言葉には力があるなぁ。『ありったけの愛』で、出演者みんなでセッション。途中から見始めたんだけど、キュウちゃんがマラカス持って客席にいた。竹安さんもいた。いつもライヴハウスで見る人たちが今もちゃんとそこにいるというだけでこんなに嬉しくなるなんて。「いつもと同じ」なんてない。最後にThe Beatlesの『Come Together』を唄って終わった。

鳴りやまないアンコール。タイジさんが唄ったのは『夢とトラウマ』。歌を聴いて泣いたのはいつぶりだろう。

>その通りなのよ、全部ひっくるめ

>アナタの夢なのよ、だからこそ聞きなさい

>思いどおりなの、アナタの夢だから

>思いどおりなのよ アナタの夢だから


2011年03月13日(日)

近藤智洋/塚本晃@呉・花club

呉までどうやって行こうか、と思っていたら、連れの弟くんが呉まで送ってくれた。
呉の商店街はこぢんまりとしていた。メニューがビールだけ、という店でビールを飲んだ。半分も飲まないうちに顔が真っ赤になった。いつまでたっても弱い。。

この日は塚本さんから。今年に入って何度かライヴを観たから、聞き覚えのある曲も増えてきたなぁ。NOWHEREもちゃんと聴いたほうが良いかしら。なんだかんだで一度もNOWHEREを聴いたことなくて。

近藤さんの1曲目は『少年』。イントロのギターを聴いた瞬間は何の曲か分からなかった。思い返すと、この曲ってピアノでしか聴いたことがなかったからかも。
カバー曲は高橋研さんが川村カオリさんに作曲した『うそつきのロッカー』。初めて聴いたのに、すっと自分の中に入ってきてびっくりした。高橋研さんが唄うのも聴きたいな。
次に聴こえてきたのは聞き覚えのない曲。途中の歌詞から、これ『ディズニーランド』だな、と思った。歌詞は『二人の航海』に通じるものがあったような気がする。悲しみに鍵をかけないで、涙を隠さないで、みたいな。このタイミングだったのもあるけれど、じーんとしてしまった。この曲好きだな、きちんとした歌詞が知りたい。

本編の最後に唄ったのは、『the forget-you-not』。生きてると、きっとこの人とはもう二度と会えないだろうな、という瞬間があると思うのだけど、と。だからこそ、今この瞬間を大切にしたいなと思う、と言って唄い始めた。本人がどういう気持ちでその言葉を言ったかは分からないし、想像しようとも思わないけど、いつもよりも時間をかけて丁寧に唄われたこの曲は、私にとっては鎮魂歌に聴こえた。ちょっとだけ視界が滲んだ。

アンコールは塚本さんとセッション。『小さな夜を抜けて』、『Everyday & Every Night』、塚本さんの『橋をわたる』。ふたりで演奏してると、お互い相乗効果でどんどん声がでかくなっていった気がする(笑)『橋をわたる』良かったなぁ。塚本さんの唄声も、近藤さんのコーラスも、ふたりのギターも。近藤さんのギターは珍しく弦が切れてた。

この3日間、色んなことが起きて、自分の生活自体に変化は無いのだけど、日本は大きく様変わりしてしまった。そんな中、この歌声が変わらずここにあってくれて良かった。多少なりとも不安やストレスを感じて疲労していた心がラクになった。音楽はやっぱり必要だと思った。被災地では、まだそんな気分にはなれないと思うけど、いつかまたこの歌声が東北に、北関東に届くと信じてる。


2011年03月12日(土)

夜中までニュースを見続けて寝不足で、精神的にも既に疲弊していた。被災された方はもちろんのこと、こんな遠くにいる私までこんなことになっているんだから、日本全体が疲れちゃってるんじゃないか、と思った。

この日はピロウズのライヴに行くことにしていた。朝、サイトを見ても「延期」の文字は無かった。一緒に観るはずだった千葉の友人は当然来れなかった。もてなす人も来れなくなってしまったので、ギリギリに待ち合わせる。クアトロの中は普段と変わらない感じ。私はどんな気持ちで臨めば良いか分からなくなっていた。

暗転。久しぶりのピロウズ。さわおさんの表情が心なしか硬い気がした。それでもいつものようにライヴをやってくれた。

終盤、さわおさんがMCをした。ものすごく言葉を選んでいるようだった。このまま何も言わずにいるのも変だし、と、昨日起こった地震のことを話した。それから、俺達には音楽しかないから音楽をやりに来た、と。今日は良いライヴだったと言える夜にしよう、と。この瞬間、自分の心がふっと軽くなるのを感じた。多分、みんな同じような気持ちでいるんだ、というのが分かったから。それからは心から楽しめた。ライヴ自体もすごく良かった。ピロウズを好きでいて良かった、と思った。

アンコールの途中で、別件の用事があってクアトロを出た。近くのライヴハウスでお世話になっているバーのマスターの誕生日イベントがあったから。近藤さんの出番に合わせてハコに着くと、まさに最後のギターを鳴らした瞬間だったというオチ…。
そのころクアトロでは『ハイブリッド レインボウ』が唄われていたはずで。今日聴けなくても良かったか、と言われると返答に困るけど、これからも私はライヴに行くと思うし、またピロウズは地元に来てくれる。だから、きっとまた聴けるよね。


2011年03月11日(金)

夜、岡山であるライヴに行くことにしていた。3時すぎくらいに、上司から宮城の方で地震があったらしいから電話があったら注意して、と通知があった。会社では業務外のウェブ閲覧を禁止しているので、そのときは状況が全く分からなかった。私の住む場所と震源地は遠く離れていた。

予定通り岡山に向かおうと乗った新幹線で異変に気付く。なぜ宮城で起きた地震で大阪以東の交通がストップしているのか。私が乗る予定だった新幹線も大幅に遅れていた。構内に入ってしまっていたので、とりあえず来た新幹線に飛び乗った。携帯電話や新幹線内の電光掲示板で、状況が徐々に浮き彫りになる。見たことのないマグニチュードの数字。地震の発生時間は15時前。ふと、今日の演者のことを思い出す。この災害に巻き込まれてはいないか?どこか不便な場所で足止めを食ってはいないか?ライヴの開催よりも本人の安否が気がかりになった。それを確認する為に岡山へ向かった。

時間に遅れて着いたハコでは、満員のお客さんと、楽屋代わりのソファに座る演者がいた。無事だった。それだけでなんだかふっと気持ちがゆるんでしまった。なんだかとんでもないことが日本の東側で起きているという事実と、あまりに対照的なこの空間。小さなハコでアンプラグドのライヴ。楽しかった?楽しかった、とは少し違う。なんだか澱のようなものを自分の中に残した状態だった。今これを書いているのは、少し時間が経っているんだけど、あのときと今ではなんだかいろんなものが変化してしまって、あのときの正確な気持ちが思い出せないでいる。でもきっとあの瞬間は楽しかった、と思う。

ライヴが終わって、お店の人がTVの画面をつけた。その瞬間に見たのは気仙沼の火災の映像だった。阪神を思い出させるような映像。それから、津波の映像。これは今まで見たことのないものだった。津波警報がほぼ日本全域を覆っている。つい数分前まで賑わっていた会場に、一気に緊張感が漂った気がした。薄暗いバーに、TVの明かりが煌々と灯って、その向こうには現実味を帯びない現実が映されていた。新幹線がきちんと動くか分からなかったので、すぐにハコを出た。下りの新幹線は既に若干の遅れが発生するくらいには回復していた。

家に着いて、夜中までずっとTVを見ていた。こんなに長くTVを見るのは初めてかもしれない。


2011年02月27日(日)

まさか深沼さんの弾き語りを聴く日が来るとは…。
この日のムジカは大入り満員。念のため開場時間にハコに着くように行ったのに、既に人がいっぱい。ギリギリ座れて良かった。

まずは深沼さんから。プレイグスの曲をやるとき、お客さんがやたら湧いていた。だよね、プレイグスの人が弾き語りとかレアだもんね。本人は「人生2度目?3度目の弾き語りなんで云々」と、あまり自信なさそうだったけど、そんなことなかった。
個人的に一番心に残ったのは Mellowheadの『A phantom song』っていう曲だった。深沼さんが唄うのを見るのはギー以外では初めてだったんだけど、その歌がすんなり自分の中に入っていくのは、やっぱり唄い方(アクセントの付け方なのかな?
が近藤さんに近いからかな。
深沼さんはちっちゃいヤイリのアコギを使ってさすがのテク。左手をガン見してしまった。

後半は近藤さん。先日のEEMツアーでやらなかった『Everyday & Every Night』から。ピアノでやった『Baby Boo』がなんだか男らしいアレンジになってた。セルフカバーの『Lucifer』も、深沼さんのギターに感化されてか、 普段よりも手数(って言っていいの?)が多くて新鮮だった。

アンコールは1/2ギー。本編のサクサク進行から180度方向転換し、なんともゆるーい雰囲気。このふたりだとこういう雰囲気になるんだ…。
MCではギーの新曲の話から新幹線の名称の話題に。東海道新幹線は「こだま(音速)」→「ひかり(光速)」→「のぞみ(もっと速いイマジネーション)」と、うまいこと名前がついてるのに、東北新幹線は「やまびこ(音速)」→「あおば(草かよ!)」→「はやて(風かよ!)」と、東北はなめられてる…とか言ってた。(地元が福島のFさん)
近藤さんにチャチャを入れられながらおしゃべりする深沼さん。こんな可愛らしい人だったんだなぁ、となんだか予想外なキャラにほんわかしてしまった。
こんな調子で30分ほどかけて『My Imagination』『The winter road』『No knock』を。やっぱりセッションは楽しい!明日の本編も楽しみ。

この日は西宮の友人宅にお泊まり。よっぱらいのダンナの帰宅に合わせて就寝。


カオリ