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2012年03月04日(日)

ふらんす座で二階堂和美さんのライヴ。
にかさんを最初に見たのは2006年のことか。年に一度くらいのペースでライヴに足を運んでいる。

この日は会場のふらんす座の1周年記念。にかさんのファンやヲルガン座のお客さんでいっぱいになった会場には、知っている顔もちらほら。すごくアットホームな雰囲気。
オーナーのイズミさんのアコーディオンと「にかやーん!」という声に呼ばれて出てきたにかさんは可愛らしいワンピース姿。談笑しながら準備をはじめて、なんだかほんとにライヴをしにきたより、おしゃべりしに来た雰囲気。

『にじみ』の曲や、懐かしい曲を序盤はよく歌ってたかな。演歌も少し。お客さんの『喝采』歌って!という声に急遽アカペラで歌ったり、周防大島出身の星野哲郎さんの記念館に行ってきたから、と『男はつらいよ』を歌ったり。何度か聴いたことがあるけれど、エディット・ピアフの『愛の讃歌』は相変わらずものすごいパワーだった。
にかさんの声は楽器みたいで、ひとりの人間からこんなに色んな音が出てくるんだといつも驚かされる。コントラバスやトランペットを自分の声でやるの。弾き語りとは思えないくらい色鮮やかな音。

途中、震災の話もあった。にかさんは震災後、被災地をいく度か訪れたようで、そこで歌ったうたをこの日も歌った。みんなが引き込まれていくのが分かった。ちょっと泣きそうになった。にかさんはちょっと泣いていた。『めざめの歌』だったかな、素晴らしかった。

アンコールでは、ピアノの弾き語りを!ピアノ弾けるんだ!と思って見てたら、正直全然弾けてなかったけども。。選んだ曲は『もしもピアノが弾けたなら』(笑)「この曲しかないでしょう!」と歌うにかさんが可愛い。
最後はイズミさんも一緒に歌って、この日のライヴは終了。終始幸せな空間が続いていた。また近いうちに聴きたいなぁ。

帰りは前に河村さんのライヴで一緒になったお姉さんの車に乗っけてもらった。ありがとうございます。


2012年03月03日(土)




レイトショーで『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』。市内で一番大きなシネコンで観た。シネコンに行くのは久しぶりだけど、嫌いじゃない。ベタにポップコーンを購入。

本作は『リトルダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督作品。年の割に大人びた少年は9.11に父親を亡くす。その死によって情緒不安定になり、PTSDを患い、その喪失感はあの「最悪の日」から1年経っても癒えることなく彼を取り囲んでいる。彼はある日、父親の遺品である花瓶の中に鍵を見つけ、その秘密を探ることになる。

間借り人の老人(マックス・フォン・シドー)をはじめ、少年を取り巻く大人たちの演技が良かった。NYの街中を少年と老人が探索するシーンはとても美しかった。少年の瞳が綺麗なのが印象的だった。少年の心の傷、闇、理不尽に愛する人を奪われてしまった悲しみ、そこから父親の死の享受までの過程。9.11で起きた数多の悲劇の1つを丁寧に描いている印象を持った。大切な人を亡くした家族の物語として。

原作も昨年日本語訳がされているみたい。読んでみようかな。


2012年02月28日(火)

もう覗きはじめて7〜8年くらい経つのかな、ダカフェ日記が久々更新。このサイト大好きなんだよね。こんな家庭を作りたいお手本のような家族。家の雰囲気も好き。

金曜のcobaはやめて、知り合いの店で飲み会の予定。あの店のパンが美味しいから楽しみすぎる。あとパエリア。ここ最近の浪費がたたって飲み会減らそうとした矢先だけど…ま、いいか。楽しい方がいい。

3月の映画候補も決定。『しあわせのパン』と『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』。どっちも見に行けるかな。映画だけじゃなくて本もちゃんと読みたい。夏目漱石の『夢十夜』を久々に読んでいる。大学の演習で読んだのが最初で、年に一度くらい読み返すくらい好きになった作品。大学の頃みたいに読書会とかしたい。仕事帰りに読書会とかやってないのかな。需要はあると思うのだけど。


2012年02月26日(日)




a flood of circleのワンマンに行ってきた。

去年のイベント以来のafoc。前に見たときの感想は、言っちゃ悪いが特筆すべき点がないくらい、「あの」バンドが好きなガレージバンドだね、というものだった(好きな人がいたら本当にごめん)。同じようなことをしてるバンドで、もっとかっこいいと思えるバンドを知ってるし、なんと言ってもマンスターのようなバンドがあってそれをリアルタイムで観てたから。

そんなだったから、ワンマンを楽しめるか心配でもあったけど、結論から言うと杞憂に終わった。
何が良かったって、ハコの雰囲気が良かった。キッズは盛り上がってぽこぽこ跳んでくし、他のお客さんもにこにこと楽しそうにしてるし、演者もそれを見てにこにこしてる。終わった後に知らない人同士が笑いあって「ありがとう!」とか言ってる姿も微笑ましかった。こういうファンがついてるバンドはいいバンドだと思う。

曲は1、2曲しか分からなかったけど、知らない曲でいいなと思う曲もあった。いつのタイミングか、ヴォーカルの佐々木くんが「このアルバムには愛とロックンロールしか詰まってないと思った。臭いと思うだろ?俺はちっともそんなこと思ってないんだよ」みたいなことを言った。それを聞いてまっすぐな人だなぁ、と思った。サポートギターが良かった。メンバーが固定されて1年。バンドが固まってきてるのが如実に見えた。バンドの成長が垣間見えるライヴだった。今のフラッドならまた観たいと思う。

ヒサヨちゃんは黒のベアトップのワンピースでゴリゴリとベースを弾いていた。肩に流れる黒髪と金髪がきれいだった。憧れる。。


2012年02月25日(土)




横川シネマへ『大津波のあとに』『槌音』を観に行った。

『槌音』
音が印象的な映画だった。震災前の祭りの風景、人でにぎわう駅のホーム、他愛ない日常の景色。そんな映像と震災後の映像が行き交う。この作品を撮った監督はその町の記憶を「音」で感じていたのかな、と思う。震災後の映像には人の音が無かった。あるのは叩きつけるような風の音だけだった。そのコントラスト。

『大津波のあとに』
前者に比べて映像も音声も静かな印象。仙台、東松島、石巻をガソリンがなくなるまで映像におさめた作品。
冒頭の十数分は人の姿が映らない。瓦礫の横を延々と過ぎていくカメラ。ニュース等で俯瞰の視線から映されるそれと違い、その姿は想像以上に大きかった。映像を見ているだけなのに、序盤からその威圧感に押しつぶされそうになる。

徐々に映像は人の姿を映し出していく。生後3か月の赤ちゃんを流されたお父さん、行政は長靴履いてここを歩いてみろと憤るおじいさん、泥にまみれた卒業証書を丁寧にティッシュで拭く学校の先生、黄色い毛布にくるまれたご遺体に手を合わせる自衛官、大川小学校の近くを警備するお兄さん。いろんな方の姿をカメラは切り取る。時には踏み込みすぎて「すみません」と消え入るような監督の声も聞こえたりする。難しい撮影だったと思う。どこまで踏み込んでいいものか、監督の逡巡が見え隠れする映像が何よりリアルだった。

印象に残ったシーン。

ある小学校の卒業式。君たちが二十歳になった3月11日午後2時46分。県外にいても外国にいても必ずまたここに集まってください。その間君たちがどうやって人生を生きてきたか教えてほしい。それを君たちへの最後の宿題にします。先生は君たちになにも与えられなかったが、君たちからはたくさんのものをもらった。そう卒業生に伝える先生の姿が心に残る。

卒業証書を探す父兄。うちの子のランドセルはまだ見つかってない、きっとまだ背負ったままなんじゃないかな。仕事で家に帰れず、翌日「きっと学校の2階にでも避難してるから迎えにいくべ」と向かった小学校の様子を見て、泣きながら帰ってきたお父さんの姿。

自衛官と一緒に家族を捜す青年。お父さんとおじいさん、おばあさんが流された。おばあさんはまだ見つかってない。けれど夢でおばあさんを見たから。自分の家の車を見つけた場所を探す。見つからない。だめだと理解しているけど、ふんぎりがつかなくて。写真の一枚でも見つかれば、家族写真があれば。
そう言いながら2週間以上経過しても水の引かない道路を見る。もう引かないんじゃないかな。そうつぶやき、ありがとうございました、と会釈して遠ざかる青年の姿を映したところで映画は終わる。


誰かが言った「2万人が亡くなったんじゃなくて、ひと1人が亡くなったという哀しみが2万通り来たんだ」という言葉を思い出した。事実を淡々と綴った映像ながら、今の自分の日常とあまりにかけ離れた状況にただ言葉を失う。自分に当てはめることすらできない。こうやってフィルムを通してそんな中にいる方の姿を覗き見し、同調して悲しくなることに自分の浅ましさを感じたりもした。けれど、見ないよりは見た方が良いと思う気持ちは変わらなかった。ひとは忘れる生き物だから、こういう映像を遺すことは意味があることだと思う。できれば色んな人に見てもらいたい作品。
公式サイトはこちら→映画「大津波のあとに」


カオリ