眠る金
沈
●2011年11月14日(月)
今日、とてもお世話になった方が、その役割を辞することになったようだ。一見堅物そうな肩書きや見た目に反して、意表をつく登場の仕方、軽妙なやり取り、破天荒さ。
背後の計算も含めて、優秀かつ親しみやすい方だった。
ただ、同じような役割にいて、同じようにチャレンジャーな他の人に比べても、その方は周りからの風当たりが一際強かったようだ。大きすぎる母体のクレームを一身に受け、次第次第に、当初の精彩が目に見えて褪せていった。
誰に守られることなく守るばかりで、時に理不尽な言動にも対応する理由が義務感だけになってしまったら、それは続かないだろうな。
今日の日が来ることはすでにずっとずっと前から予想できていたことだから、驚きはなかった。
おつかれさまでした。
こうして人柱を海に沈めて、束の間の満足を得た人は、その存在をきっと一瞬にして忘れるのだろう。
Oh the thrill of control
●2011年11月12日(土)
調子が出ず、ひとつひとつ石を積み重ねてその低さを嘆息する、ひたすら無力感ばかりを味わった一週間が終わった。幸いにして連休のこの週末はひたすら寝倒そうと決めた。
なのに、寝床の中でお腹がぐうぐうと鳴って抗議しているので、買ったまま冷蔵庫に押し込んであった野菜をざくざくと刻み、夜ご飯を作り始めた。
料理する間、ひたすら無心になれる時とそうでない時があり、今日はそうでない時。
きっと空腹で、きりきり気が立っていたのだろう。腹立たしいことを思い出したら、止まらない。
私は特定の信仰を持っていないが、現在の仕事では何故か、ある宗教を信仰する人との関わりが欠かせなく、内心困っている。
皆が皆、唯一無二の神様を信じているのならば何故戦争が起きるのか、とか、結局宗教が争いの種になるのが何故なのか、とか、冗談交じりに愚痴ることもある。
そして今日、野菜を刻みながらぷんぷんと考えたのは、あなたがた結局、神様を自分の都合の良いように利用しているだけでしょう、ということ。
だから、自分の都合の悪いように神様を利用している同士がケンカするのだ。
唯一無二の力を使う権利があるのは自分だけなのだ、とばかりに。
やれやれ。神様も大変だなあ。同情いたします。
どうでも良いのだが、私を巻き込まないでほしい。
そういう人々から「誠実」という言葉が出ると、心底ぞっとする。
なんてことを考えながら夕食を作った。
挽肉と茄子と他色々野菜を炒めたの、エリンギと帆立の香味煮、きゅうりの塩昆布和え。
空腹がひといき落ち着いたところで、何年ぶりかに好きだった映画を観たら、改めてとても良かった。
Tommy: Have you accepted Jesus Christ as your personal Lord and Saviour?
Hedwig: No, but I... I love his work.
from Hedwig And the Angry Inch
先月みなとみらいで観た雲。
ポテトサラダ
●2011年11月07日(月)
じゃがいもがあったので、ポテトサラダを作ろうと思った。それが日曜日のこと。しかし、根菜袋を探るとなんと玉葱がない。
ぐぬぬ、と歯噛みしつつ、月曜日まで日延することにした。
どうやら世間では、dancyu みんなのポテトサラダ大特集号などという雑誌も出ているらしい。
いそいそとiPhoneのリマインダに「玉葱を買ってポテトサラダを作る」を入力。
本日の終業後、本屋でdancyuを仕入れ、スーパーで玉葱と、予想外に安く、ブラックペッパーのきいたハムの切り落としを入手。
きゅうり玉葱を刻んでクレイジーソルトを振っておく
ゆでたまごとハムを刻んで混ぜてお酢と黒胡椒をたっぷり。
ゆでたじゃがいもの皮をあちちあちちとむいて、ざっくりと切ってボウルに投入し、混ぜる。
これでもかとクレイジーソルトを振る。
じゃがいもの熱でほどよくしんなり、味もなじむ。
今日のポテトサラダは、じゃがいもを潰さず、マヨネーズも入れず、歯ごたえを楽しむ。
明日になったら、マヨネーズを入れて味の変化を楽しむつもり。
こんなことでは、dancyuで紹介されてる多種多彩なポテトサラダをひとつひとつ試すには、多分一生分かかっても足りない。
ああ、頭がくらくらする。