とうとう職場で泣いてしまった

仕事中ある人の一言を聞いた直後

何かが抑え切れなくなって

以前書いた「憧れの人」のもとに走ったのだが

残念ながら彼女の姿はそこにはなくて

目の前にいた２０代半ばの女の子に抱き付いてしまったんだけど

「どうしたの？大丈夫？」と優しい言葉をかけられたとたん

涙があふれ出てしまったのだ


想定外の涙に自分でも驚いて慌てて彼女から体を離し

涙を隠すように背中を向けた

「ありがとう大丈夫！」「元気もらいに来ただけやから！」

「さぁ！頑張るぞ！」と走り去ったのだけれど

いつも毒ばかり吐いているきつい男の人に

「ほんまに大丈夫か？」と心配されて

走りながらまた涙がこぼれた…


なんてことない小さな辛さが吐き出されることなく蓄積されて

私の器からあふれ出してしまったのだろう

以前は分かってくれる友人がすぐ側に居てくれたけど

今は違う…



ある人の一言

それは私や職場の仲間の頑張りを

遠回しに否定したようなものだった


「ならあんたがやってみたら？やったことないやろ？

自分でやってみてから言うて欲しいわ！」

そう言いたかったけれど言えるはずもなく


頑張りを認めてくれる人のいない悔しさと

同じ気持ちで一緒に頑張って来た同志が

もうここには居ないんだという寂しさを感じたとたん

一気に全てがあふれ出してしまったのだった


そして私の涙から小一時間後

あの「憧れの人」が私のところにやって来て

何も言わずににっこり微笑み

手にひらにレモネードキャンディーを１つ乗せてくれた

「ありがとう…」

あの時もしあなたがそこに居たならば

今もしあなたが「どうしたの？」と訊いてきたならば

私は声をあげて泣いていたかも知れません

あなたがくれたたった１粒のキャンディーが

今の私の心をこの上もなく癒してくれました

レモネードキャンディー？

「のど飴」って書いていたっけ？

今度探して見つけたらエプロンのポケットに

そっと１粒忍ばせておこう

この次またいっぱいいっぱいになったときのために