う た う ひ と 

2007年12月02日(日) Memory

鈍色の空から風が吹く
雪のにおいがする
寒さが無口にする町だね と
あなたはしずかに笑った

踏みしめる足下はどこまでも白く
街灯の影はうす蒼く伸びて
鞄を持つ手が凍える
息を吸うたび透明になる

つめたくなった耳を
後ろからそっと覆った
その手の大きさと体温も
いつも笑いを含んだ声も瞳も
そのすべてが白になれば
塗り込めてしまえれば

春にならなければ良い
この思い出と共生できる迄は
そんな日が来る気もしない


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あかり [MAIL]

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