すきな人にしか教えたくない店 (続) - 2002年05月08日(水) おいしいね。おいしいね。って言いながらそのちょっと風変わりな店内を眺め回し「そーそーこの引き戸の向こうに部屋があるかと思ったら食器棚だったよね」とか「このすりガラスの向こうには別室があるんだよ」とか「あのおばあちゃん大正11年生まれだって。。。すごいねぇ。」とか「このメニューってかお品書きも味があるよねぇ。」とかコソコソときゃーきゃー言いつつ目の前をウロウロする不思議なお姉さんに気も使いながら、お勘定払って、ご馳走さまして大満足でお店を出ようとしたらその料理長であるおばあちゃんに呼び止められた。 「おねえさんたち、甘いのたべる?」 「え?はっはぃ・・・」 きょとんとする私たちを待たせ小皿を取り出し なにやらぐつぐついってる鍋の中から盛り付けて渡されたのは 「・・・・くり?」 一個口に入れたらあまりの熱さになかなか噛めないけど なんとか噛み砕いているうちに実に素朴な栗の味わいが・・・ すごく懐かしいような、自然の恵みに感謝してしまうような それはそれはやさしいほこほこの栗でした。 「栗が出回る時期に八百屋さんに頼んで皮剥いてもらって冷凍しておくんだよ」 「醤油とお砂糖で煮たの?」 「そう。あとお酒をちょっとね。」 また美味しい美味しいと言ってたせいか 「もっと食べなよ」っておかわりをくれた。 ぎゃー。とかよろこびながらはふはふふたりで食べてたら 「おねえさんたち前もきたよね」っておばあちゃん びっくりして「えー!でもこの前来たの1年前くらいだよー」って言ったら 「そうそう。一年ぐらい前だったね。近所に中華や(某中華ファミレス)できちゃったからアタシもそろそろ引退しようと思ってたんだけどね。」って言うから 絶対やめないで。また来るから。ここのラーメンだいすきだからと言ったら 「あぁ。じゃぁまた一年後に待ってるよ。」って笑った。 そういえば彼女(友人S)を初めてこの店に連れてきたときにも お勘定済ますときにラーメン大好きなSが 「この人(私)が絶対おいしいからって連れてこられたけど、すんごいおいしいですね!」って娘さんのほうに言ったらヤクルトくれたんだった。(笑) おばあちゃんが栗のおかわりくれたとき あんまりおいしかったからつい 「これ子供に食べさせたいな」って言ったら 「そんな親心なんかだしちゃだめだよ。まず親が栄養つけなきゃ。」 って言いながらラップを出してくれました。 大正11年といえばもうじき80歳になるくらいかな。 今はもうとっくにいない私の両親と同じくらい。 戦争も体験してきて女手ひとつでこの店を続けてきたのでしょうか。 気持ちがいいくらいしゃきっとしています。 うーん。この人の今までの人生を聞いてみたいものだ。 地元の人しか来ることのないような場所にポツンとあるから TVに取材されるようなことはないでしょうが 作るのがすきでやってるって感じが伝わってきます。 私のすきなお店ってこんなとこばかりかな。 ...
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