考え方は誰もかも違って、でもそこであまりにも違っていると異常だと看做される。
あたしが働いているお店は、所謂『お水』というジャンルに属し、 しかしそういう場所でありながらほとんど派閥もなく、 18歳から20歳代後半くらいまでの女のひとが働いている。 まずお客様についたらお酒を作って差し上げ、ご挨拶に名刺を渡す。 けれど友達に、お客様がしまった他の女の子の名刺を捨て、自分の名刺だけを持たせようとする子が居る。 指名を貰うのが目的だ。 それをあたしはどうしても、強かさだとは思えない。 負けるのは嫌いだ。 だけれど、少しずついいお客様について欲しくて、あたしは頑張っているつもりなのに、 固定客を寝取られたり、嘘の私生活を吹き込まれたり、とても邪魔な存在だ。 潰そうか。 また不穏な胸の内。 腰を据えてお水をやろうとは考えていない、ある目的の為にお金を稼ごうと思って始めたことだ。 だけれど、それはお仕事として、プライドは持っている。 腰を据えて働いているお姉様も居る。 それに偏見は持たないし、寧ろ立派だと思っている。 正直なところ、アルバイト感覚や好奇心で働き始めたけれど、 なんでもやることはいつでも必死でやりたい。 だから、男と遊びたいだけでそうしている友達がとても気に食わないのだ。 言葉がうまくいえないけれど、あたしはお店も働いてるみんなもお客さんも好き。 偽善じゃなくて本当だよ。 まがってんのが大嫌いなんだ。
それとはまた別のお話だけれど、あたしは恋愛のお付き合いを嫌悪する。 契約紛いの言葉と腕に縛られて生活をすることが考えられない。 遊びたいひとと遊んで、 呑みたいひとと呑んで、 セックスしたいひととセックスして、 抱きしめてくれるひとに抱きしめてもらいたい。 こんな醜いあたしにキスをしてくれるひとは、幾らでもいた。 ひとを知らなすぎたのはあたしだ、けれど。 未だ恋愛なんて鳥肌が立つくらいに嫌悪する。 やっぱり夜はひとりで眠りたい。
|