徒然エッセイ&観劇記
エッセイ目次


2004年01月03日(土) いいぢゃん!日本映画 3

☆たそがれ清兵衛

「たそがれ清兵衛」(山田洋次監督作)

うっひょーー!!時代劇見ちまったぁぁ!!
オラぁ、言っちゃナンだが時代劇って今までマトモに見たことねーでがす。
「利家とまつ」ちょっと見たけんども、ありゃぁかなり、時代劇知らずのオラが見てさえ、非時代劇であると認識しておりやした。
しかして、初時代劇鑑賞!清兵衛でござんしょー!
世のお父さん世代が、よよと咽び泣きながら感動しきりであるっちゅー評判の今作。
確かに!!!!

素晴らしい!!!

景色、人物、台詞、思想、筋書き、全てにおいて日本的!
って時代劇で日本的じゃなかったらおかしいけども(笑)あまりに自然と見事に日本的でした。
日本的笑い、悲哀、幸福、愛と死。
決して大仰ではないけれども、染み渡ってくるもの。
和物流行中な私には非常に美味しい映画でした。

寅さんの山田洋次監督。すいません、寅さんも見たことない私ですが(汗汗)やはり撮り方がうまいなと思いました。
奇をてらってるわけでもなく、無難なだけじゃなく、異様に自然なんですよ。
見ていて疲れないというか、ひっかかりがないというか。
たまにちゃんと笑いを入れつつ、何気ないシーンでさえ味があり、飽きさせない。山田監督、すごい。
先日ビデヲで「化粧師」を見て、正直イマイチだったのですが、やはり撮り方や全体のバランスがどうにもこうにもアレでした。
もし山田さんが同じ話を撮っていたら、違っていたのかもなぁ・・・

同行した父は「宮沢りえがちょっとなぁ〜」と言ってましたが、ほぼ満足気。(確かに宮沢りえだけ妙に洋風)
幕が下りた時、一部で拍手が巻き起こりました。帰る人たちの目元も、なんだか涙に濡れている。ええわぁ。
客席には老夫婦さんが多かったですが、若い方にも是非見て頂きたいです。
あ〜〜日本って元来こんな感じだよなぁ〜〜と、ほのぼのじんわり浸れますよ。

作品中何度もぼろぼろ泣いていた私ですが、最後に井上陽水の主題歌「決められたリズム」が流れた時に、またうるうると。
というのも、特に2番で、「叱られたこと、選ばれたこと、褒められたこと・・」等々歌うのですが、どうもその歌詞が「懐かしき少年時代」を思い起こさせる内容なのです。音楽全体が、夕日の中で子供にかえり、じぃっと佇んでいるような雰囲気を内包していて。
それって時代劇の内容と関係ないじゃん!て感じですが(笑)「たそがれ」ムードは確かであり、なんだか物凄い郷愁に襲われます。きっとお父さん世代達にも、同様にこの曲はクるのではないかな。
井上陽水の歌声は凄いっていうのを、初めて体感致しました。サントラ欲しい・・・

というわけで、大満足な「たそがれ清兵衛」
よぉぉし、これからは時代劇!
来年の邦画は時代劇ラッシュだしな!!

たそがれ清兵衛公式サイト→http://www.shochiku.co.jp/seibei/

☆壬生義士伝

久石さんの音楽に後押しされ、細切れに泣きっぱなしでした。
見終わったあと、観客の方々は「泣いちゃったよ(恥)」て感じで、目を腫らして無口。
ず〜んと重い、日本人魂を抱えて帰ったのかなぁ。

全体、たそがれと似た内容なのだけど、
たそがれは、粗筋としては少ない事柄を丁寧に描いていた。
壬生義士の方はぎっしりつまっていて、その分泣き所が多い反面、まとまりが無いとも言える。

私はどちらも、家族愛と日本人魂を感じて好きです。


義だよ義!いいねぇぇぇ貧しくとも愛のある暮らし!チャンバラいいねぇぇぇ刀かっちょええ佐藤浩市悪人顔素敵っ!!
久石譲さんの音楽に後押しされぼろぼろ泣きまくって参りました。物凄い勢いでヒクヒク泣いてる観客もおりました。すげぇ泣き映画(日本人限定?)
壬生義士伝、えがったがんす。

☆拝啓、料理人様

ネギ切ったら涙ドバドバで大変でした。

「黒い家」邦画ビデヲ鑑賞

粗筋:保険金を目当てに身内を障害にしたり殺害したりする女の話

内野聖陽の情けなさすぎる怯えっぷりと大竹しのぶの人知を超えた天然犯罪者っぷりがすばらしい。
大竹が内野に「乳しゃぶれ!」と迫る乳が本物か吹き替えかで兄と議論。
私は本物と考える。大竹は実際意外と巨乳であるし、かの場面は美乳に吹き替える必要性もないシーンだ。むしろもっと年相応にショボクレ乳の方がリアリティが増したかもしれない。よってこれは本物と考える!
それにしても怪物みたいな犯罪者に殺されそうになりながら執拗に接吻され、「乳しゃぶれ!」「ヘタ糞!」これは辛い。恋愛でも性愛でもない、気まぐれな暴力的衝動。こんな逆レイプを真に演じのけるのは大竹くらいだろう。内野のMっぷりも板についていた。どの役もいつも同じ自称役者が溢れているが、役者たるものM・S問わず出来なくては。

映像は全体的に渋い。渋くてイイ。20年前くらいに撮られた風情だが1999年製だ。しかし必ずしも映画館で見る必要性は感じない、というところが渋邦画の弱味か。
日本の映画陣には、例え商業的に成功しなくとも、いい作品を撮り続けて頂きたいと思う。

ーーなんとなく新聞風に。

ネットで漏れ聞くところによれば、やはりあれは偽乳だったとか。残念!
(つーか、んなとこに拘るなっつーの・笑)

☆「クレしんに笑え!」

昨日で終演だったので、慌てて「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」を上野の映画館で見てきました。初回のお客さんは10人ほど。自分の前に誰も座ってない!(笑
前作・前前作とはうって変わって原点回帰なオバカ映画でした。今回クレシン映画を担当した水島監督が以前担当していたアニメ「ハレグゥ」を見ていたので、それと同等な物凄い勢いと、不条理をモノともしない世界観が炸裂しているのが見て取れて、しんちゃんハレグゥ化現象を堪能致しました。
とにかく凄いスピード感の中、怒涛のギャグの嵐。まさにジェットコースターに乗っているようで、問答無用に笑いました。そして相変わらず、野原家の家族愛に泣きました。だって、家に帰ること(そして焼肉を食べること)ただそれだけを目的として、闘ってるわけですもん。やっぱり家が一番ね〜♪ちょっと野原一家がうらまやしいです。
パンフの解説で、デザインディレクターなる人物もおっしゃってますが、もはや野原一家のような家庭を羨んでしまうほど、一般の家庭は崩壊しつつあるのかもしれません。。淋しいことですね。
ちなみにこのパンフ解説の人、アニメを低俗なものと決め付けるのはやめた方が賢明だなど、とてももっともなことを述べておられるのですが、如何せん文章がヘンでびっくりしました。
文章がヘンとは、つまり日本語の繋がりや文の纏まりが奇妙に不自然なのです。多分、いいたいことを箇条書きにしてから、あっちゃこっちゃ繋げて作った文章なのでしょう。ですからそこそこいいたいことは分かるのですが、何と言うか文章のセンスがおかしい。デザインの世界にいる人だから、右脳ばっかり発達していて左脳(言語野)がヤバイのかもしれない。ホント、珍しく破綻した文章を読みました。

アニメとしては、クレシン映画は本当に良く動き(しかも面白さが引き立つ動き方)背景も丁寧に描かれ、色も全体的に綺麗です。なおかつ声優さんの声はぴったりハマっている。正に良作だと思います。
お下品ギャグに目くじら立てずに、是非クレシン映画でエンタテイメント&家族愛を堪能して頂きたいなと思います。

よろ○くび〜!!!(爆)

☆「雲黒斎の野望」

わぁいわぁい、クレヨンしんちゃんだぁ!初期の映画だぁ!ビデヲレンタル(100円)だぁ!!
ウキウキ、沸く沸く。久しぶりぶり。

・・・・鑑賞後。

楽しかったぁ。なごみ楽しかった!
しんちゃん一家が戦国時代にタイムスリップ・・っておやぁ?「映画・戦国大合戦」と被ってる?いや、「戦国大合戦」の方が後だから・・・ほほぅ。きっと「戦国〜」を作る時は原監督、「それって雲黒斎でやったじゃん?」て突っ込まれたんだろうな。けどやったんだな。「うんこくさい」の方は楽しさ重視だけど、「戦国」は本格味でシリアスモード。。同じ歴史でも「重み」が違ったね。どちらもグー!!
それに「うんこくさい」ったら、でめたしでめたしと思いきや、いきなしまた「第2章」みたいな話が続くし!正直ちょっと「長っ」て思ったよ。96分しかないのに・・アニメって、60分でもお腹いっぱいになるよね。TVドラマなんか一時間あってもスカスカ感が否めないのに不・思・議☆
とにかくちょっぴり古き良きクレヨンしんちゃんで、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
本郷みつる監督、有難う。

今度「ハイグレ」も見るよ〜!
じゃ、そゆーことで。

☆「黄泉がえり」

結構話題になった作品なので色々割愛しつつ、感想をば。

朝一番に見て、頭真っ白だったからか、ぼろっぼろ泣きました。
映し方も台詞も、凄く日本映画っぽくて、心にすっと馴染みました。つまり、カメラを固定して遠目に撮り続けることによって、ノンフィクションぽさを醸し出していたり、不十分な台詞を切って、リアルな間を持たせたり。
あんまり心が醒めていると「トロイなぁ」と思ってしまう危険性もあるのですが、これがハマると凄いんです。
もう、ホントのことを見ているように、じぃぃんとしてしまう。
黙して語らぬ表情や、一言の台詞や一片の動きから、その人の想いがひしひしと伝わってきて。あっちゃこっちゃで泣きました。

設定も何も、フィクションなのに。フィクションの中の現実がしっかりと、かつ自然と描かれている。
何で黄泉がえるかなんて、この際どうでもいい。その時、人はどうなるのか。
しごく現実的で、かつフィクションぽく素敵なお話ででした。
まったり、じぃんとしたいならば、お薦めな作品です。

☆ぢだいげき

雑誌「映画秘宝」の懸賞で鑑賞券が当たり、「座頭市」を見に行って参りました。

早っ!
血ぃプシュッ!
&血沸き肉踊る和タップ でした。

めくら・キチガイって言葉を堂々と出してしまえるのは、貴重だなと思いました。
舞台では良く聞くんですけども、映画だと人権屋が五月蝿く言うんじゃないかと・・
何はともあれ、王道+アルファのさっくりいい映画でした。

☆「ガラスの脳」

1999年日活製作
監督:中田秀夫(「リング」の)
原作:手塚治虫
主演:小原裕貴(ジャニーズJr.)後藤理沙

日活といえば、ロマンポルノ!!・・・ではなく。

お話はこんなです。
眠り姫よろしく17年間眠り続けていた少女が、五日間だけ眼を覚ます。その間の話。

詳しくは公式HPへ→http://www.nikkatsu.com/oldmovie/glass/

何故これを見たかと言うと、主題歌を作詞作曲したのが谷山浩子さんだったからです。
まさに谷山さん的世界でした。手塚さんの漫画って少女漫画だよね。

台詞も場面も漫画を忠実になぞり、結果として漫画を読むペースの5倍に時間を引き延ばした感じ(原作読んだことありませんが)
淡々として、20年前の映画か!?と錯覚するような青春映画。
だって画像も荒いし、演技も何も古くさい(誉めてます)シャツのボタン全部上まで留めてるし(そういう問題か!
20年以上前の設定の話だから、撮り方まで懐古したわけですかね〜。出来るもんだなぁ、結構。

しかし、何故この映画を作ったのかが謎だ。
何故「リング」の監督が、何故手塚さん原作を、何故ジャニーズ主演、そして何故谷山さん。
この映画を撮る必然性が何ら感じられない(まぁ映画なんて普通必然性で取ってるわけじゃないだろうけど)
この映画が残ったことの成果があまり感じられない(あったっていいけどね

まぁでも、少女漫画的世界に浸りたい最近の私にとっては、ふーんと和める世界でした。

♪君は僕のドア 真実のドア
 ただ一つの  

 世界への♪

☆1980( 1979年生まれという宿命を感じます(大げさ))

テアトル新宿へ兄貴(髭面でぱっと見、ヤクザ)と行き、映画「1980」を見てきました。万歳ケラリーノ・サンドロビッチ!!最高だぜナイロン100℃!!
ほとんど、ナイロンの劇にともさかりえと蒼井優がゲスト出演したような感じで、もぉぉ隅々まで楽しかったです。台詞が上手いよな〜ケラさんは。十分コントみたいに面白いのに話とキャラに繋がってるんだもんな。笑いまくり。

話は当然、1980年を巡る色んな出来事を綴ったものです。1980年って、私1才だし、何の思い入れもありませんが(爆)漏れ聞いていた80年代的キーワードが散りばめられていて、興味深かったです。みんな、熱いナァ・・
(ちなみに私にとって「懐かしい」というのは、やはり中学時代にあたる1990年代初頭です。ビーイング系(「大黒摩季・WANDZ・T-BOLAN・DEENなど)の音楽を聴くと、妙に耳なじみが良い・・これが原体験ってやつか。ZARDはいい加減飽きたけどな・笑)

さて、この映画で実際歌手役として歌声を披露しているみっちー(及川光博)は、「〜だぜ」モードで、いつもより退廃激しくちょい萌えでした。王子というよりもっとスレたオジサンムードなのね。
私、大学一二年の頃、ものすげー勢いで好きだったんですよね。だから今見ると、つーかもぅ顔見るだけでヤメテーと気恥ずかしいのです。なるべく見たくないんだけど・・クドカンドラマにも出てたし(宮藤官九郎脚本ドラマ「マンハッタン・ラブストーリー」)目に入って来てしまう。しかも役柄に似合ってる。
彼のライブでマジに踊りまくっていたなんて、今思えばちょっと捨てたい過去です・・・(汗)

というわけで、映画「1980」。笑いたい、楽しみたい気分の貴方に激しくお勧めです!
つっても「テアトル新宿」でしかやってないんだけど・・・関東近郊に住んでいる方は、是非☆

話は変わって今日、HMV見たらKOKIAの過去アルバムがまた15%オフになってました。この間定価に戻したら客がみんなAMAZONに流れてしまったのだろう。
今のうちだ!みんな買え!!
KOKIAはすげぇぞ。

今日もまた電車の中や食事中に過去の世界に入ってしまい「どうしたの?具合悪いの?」と言われてしまいました。
でも昨日よりは具合がいいのです。かなり甘美です。
こんな甘美が後日談があったとは知らなかったなぁ。(しかし本当に物事があった順に思い出すなんて、人間の脳って不思議だ)

つーか全然学習してないよね。高校に入ってもまったく同じ事を繰り返してるんだから・・・この女は。そして今も、大して成長してねぇ。

「1980」の台詞で御座います。

「人間大人になったってねぇ!
 そう簡単に大人になんかなれないんだから!!
 あんたも大人になってみりゃ分かるわよ!!!」

ごもっとも(敬礼)

☆「ジョゼと虎と魚たち」(2004)

監督:犬童一心
主演:妻夫木聡 池脇千鶴

100点です。
この一言に尽きる。

公式HP→http://www.jozeetora.com/index_h.html


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