頓珍漢な答えが戻って来た時、 口を噤んだ訳は。
面と向かって話すべき内容だと、 考えたから。
只泣かれる結果に終わろうと、 平然と跳ね返されようと。
同じ結果を得ようと、 異なる結果になろうと。
声を結ぶのでは無く、 目を結んだ上で話すべきだと、 感じたから。
そうすれば、 俺の想いが正確に伝わる可能性を、 少しでも高める事が出来ると。
そう感じたから。
仕事の話をした事など、 一度も無い。
いや、 一度は存在したか。
「私分からないから。」
話をした所で、 そう返されるのが関の山。
理解しようと言う想いなど、 抱かぬ人だった。
結果を出さねば首が無い。
ただ努力すれば、 望んだ答えが得られる世界でも無く、 ただ遂行すれば、 求める結果を出せる世界でも無い。
八方塞がりの状態に。
「海外に行ってた分、シワ寄せがあるもんね。」
あの時の頓珍漢な励ましは。
貴女らしさに満ち溢れていて、 素敵な物だけれど。
一つ。
小さな罅が、 心の内に巣くった瞬間でも在った。
逢えぬ予定だけが 積み重なって行く日々。
肝心な核心を伝える為に、 貴女へ、 電話を掛けた時から。
既に半年も、 月日が経過した。
やっと伝えられる。
---------- References Aug.01 2003, 「信頼を失う時でしょうか」 |